番組紹介

ラジオNIKKEI第1 毎週土曜日 18:00~18:30 ほか

45年超の歴史を有する、民放ラジオ最長寿級のジャズ番組。進行役は、フリーアナウンサーの山本郁。毎回ミュージシャン、シンガー、ジャズ関係者などをスタジオに招き、そのゲストにゆかりの曲をかけてジャズ・トークをお届けします。

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9月15日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2018.09/14 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.427~注目の若手ドラマー登場】

 コンテンポラリーなジャズシーンに於いて、今や最も変化・進展しているのがドラマーの世界だとぼくは思っている。先日の東京ジャズで最も注目を集めたユニットの一つが、ロバート・グラスパー率いる若手才能集団ユニット「R+R=NOW」だったが、ここにはリーダーのグラスパーを始めベースのデレク・ホッジス、サックスのテラス・マーティンなど、それぞれがリーダーとしてシーンを担い、強烈に「今」を感じさせる才気が集合していた。その中でも際立っていたのがドラムのジャスティン・タイソンで、黒人特有の力強く重量感溢れるドラミングをベースに、リズムの概念が変わりつつあることを如実に窺わせる多彩で卓越な叩き技も披露、これは...と思わせる圧巻のプレーを展開していた。

 
このジャスティンを始め今は亡きデビッド・ボーイとの競演でも知られるマーク・ジュリアナなど、本場のドラムシーンは黒人、白人、更に東欧系、中南米系など多士済々な才能が入り混じり、正にダイナミックな進化を遂げている。そうしたリズムマンの動向は当然日本のシーンにも連動している部分もあり若手でも有望株が登場、シーンに刺激を与えるような活動を展開している。
 その代表格が番組にも登場してくれた20代の若手技巧派石若駿と、海外経験も豊富な大村亘(もう30代の中堅だが...)の2人と言うことになるだろう。北海道出身で10代の頃から日野皓正等に認められ、早熟の天才として知られた石若駿に対し、父親の仕事の関係でアメリカなど海外生活も長い大村の方は、オーストラリアの大学に留学、そこの音楽科を出て日本に帰国しシーンに登場と言う経歴だけに(人気ピアニスト、ハクエイ・キムも、彼と同じくオーストラリアの大学でジャズを学んでいる)、帰国当初はあまりその存在が知られることも無かったが、繊細で大胆な多彩さを誇る素晴らしいドラミングは、若手仲間の信頼を得て数多くのセッションなどに呼ばれ、その存在が徐々に知られるようになり、今や石若と並んで若手の代表格となっている。

 
ぼくが彼の存在を初めて知ったのはクラブ仲間でもある友達のベーシスト、「チンさん」こと鈴木良雄が若手を集めて結成したユニット「ジェネレーション・ギャップ」に彼が参加した時のこと。「若手の素晴らしいドラマーがいるんだよね...」と言うチンの紹介で、彼が初リーダーアルバムを出した時にスタジオに来てもらった。帰国子女と言う関係もありその日本人離れした柔軟な思考、視野の広さ、気さくな人柄なども相俟って、直ぐにご贔屓の一人になったのだった。以降彼は優秀な演奏仲間などを連れて時々遊びに来てくれたが、今回久しぶりにリーダー作を発表したと言うので、その紹介を兼ねスタジオに来てもらうことにした。
 アルバムは大学でジャズ教師もしているギタリスト、デイブ・ムーニーとの双頭リーダー作『BENIGN STRANGERS』である。テナーのジョン・エリスやピアノのグレン・ザレスキーなど、日本ではまだ余り知られていないが、コンテンポラリーな白人ジャズシーンを象徴する様な知的なジャズ資質が集った好作品で、最初は自主出版と言うことだっだが、その内容の良さもありアメリカでも屈指のジャズレーベル「サニーサイド」から出されることになったのだと言う。
 
内容は流石に大村くんとムーニーの名コンビとも言える素晴らしいもので、彼はここでドラムだけでなく最近嵌っているインドの打楽器"タブラ"も演奏している。今年もインドにタブラ修行に行ってきたと言う彼は、その話も番組でしてくれているが、飄々として実に魅力的な人物で、国際派としての軽やかなジャズ活動はまさに刮目に値するもの。保守的な傾向が強まりつつある日本の若者(彼自身はもう若くはないかも...)の中では、改めてその自在で自由な考え方、ぼくにはとても魅力的なものに映ります。

【今週の番組ゲスト:ドラマーでコンポーザーでタブラ奏者の大村亘(こう)さん】
久しぶりにご自身の名義でリリースしたアルバム『BENIGN STRANGERS』から4曲ご紹介しました。

M1
「ザ・ハイツ」
M2
「ビナイン・ストレンジャーズ」
M3
「イン・ジス・バランス・オブ・タイム」
M4
「トゥエンティーナインス・ロード」



9月8日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2018.09/07 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.426~東京ジャズ2018】 

 今年も行ってきました「東京ジャズフェスティバル」。9月最初の土曜、日曜と言うことで秋を告げる重要な季節イベントでもある。そして今年で何ともう17回目、ぼくは1回目からの皆勤賞、17年も通い続けているんですね。12回目は確か調布の味の素スタジオ、そして3回目からは有楽町の東京国際フォーラムAステージに変わった筈。更に昨年からは場所を主催のNHKのお膝元、渋谷NHKホールに移しての開催。1、2回はハービー・ハンコックのプロデュースと言うことで、ジャズだけでなくワールドミュージック色も交じえオーラスには全員が登場する豪華なセッションも組まれ、ジャズとワールドミュージックの競演・共演、如何にもフェスならではの興奮の趣向もありかなり興味深い内容だった。だが東京国際フォーラムに移ってからは、次第に普通のコンサートの積み重ね...と言った感じに変わっていき、更に昨年NHKホールに移ってからは、会場外のイベントや出店なども何ともパッとせず、如何にもNHK管理と言った感じで今一つすっきりしない面持ち。今年はそこら辺が...と思ったが全体の感じは昨年同様、今年は2日間とも雨模様だっただけに、よりお祭り色は薄くなってしまった感もあった。

 
初日土曜日の昼の部はエレクトリックポップ&ロックユニット「コーネリアス」のステージで開始されたが、どうもジャズフェスのオープニングを飾るグループとしては不向きな点は否めない。映像も使った新たな挑戦を図るユニットであるのは分かるが、ジャズフェス的要素は皆無。客もかなりな違和感を覚えた様で、野外のステージに繰り出す連中もいた。続いては今年のフェスの目玉のひとつ「コンテンポラリー・ジャズ」を牽引するリーダー格、ピアニストのロバート・グラスパー率いる注目のスーパーユニット、R+R=NOWの登場。このユニットはグラスパーを始めクリスチャン・スコット(tp)デリツク・ホッジス(b)等の若手の精鋭達勢揃いのユニット。ジャズとヒップ・ホップの融合などがこのユニットのテーマでもあり、かなりそちらよりのサウンドかと思いきや、若々しくはあってもかなりジャズのフォームを意識したもので、ロートルのぼくなどはホッとしたし、興味深く聴くことが出来た。特に目を引いたのはジャスティン・タイソンのドラム技。びしっとヘビーでいてよく弾む、今を象徴するドラミングには魅了された。

 その日の夜の部はバルカン出身のピアニストティグラン・ハマシアンのトリオから。東欧バルカンのミュージシャンは変拍子ビシバシの演奏を得意としており、その若手代表格がこのハマシアン。爽快とも言えるほどにジャズと民族色とを融合、変拍子プレーも光っていた。そして登場は御大ハービー・ハンコック。大体そのステージの感じが想像できたが、やはりその通りで「ヘッド・ハンターズ」時代のヒット曲の数々を今風にアレンジしたこの所のステージと同様のもの。アフリカ出身のギタリスト、リオネール・ルケエやグラスパーのユニットにも参加していたサックスのテラス・マーチンのプレーが印象深く、御大はまあ相変わらずと言った感じ。


 そして日曜日の昼の部。ぼくの期待はこのステージにあった。最初はジャズコーラス、マントラこと「マンハッタン・トランスファー」。もう40年以上活動を続ける超ベテラン・コーラスグループだがお馴染みのメンツはジャニス・シーゲルなど女性陣だけでリーダーだったティム・ハイザーなど男性陣は皆亡くなって今はいない。
だがさすがにNYのステージで鍛えられただけにエンタメ精神に溢れた実に愉しいステージだった。そして迎える今回のフェスの華、キューバの至宝ディーバ、オマーラ・ポルトゥオンドと新進ピアニスト、ロベルト・フォンセカのステージ。オマーラは90才を超える高齢。ステージでは椅子に座っての歌唱だったが歌声は艶を失っていない。日本のサルサバンド、オルケスタ・デラ・ルスもゲスト参加、バンドの歌姫NORAとのデュオなどは涙が出てしまうような、微笑ましくも愛らしく素晴らしい2重唱。オマーラは「さくら・さくら」を日本語で唄ったりとサービス精神も旺盛でファンを魅了し尽くす。彼女の最後の来日公演(?)だと思われるだけに盛り上がりも最高、来て良かったと心から思わせられるステージだった。

 
 最後の部はくねくねギターの名手ジョン・スコフィールドのユニットと我らがサダオさん(渡辺貞夫)のフルバンド公演。昨年は正にサダオさんフェスの感じで、ファンに強烈な印象を残したが、今回のサダオオーケストラは精鋭揃いだけに良くバンドも鳴っていてアンサンブルも見事、それなりに興味深いものではあったが昨年のあの神技を聴いているだけにちょっと物足りない感じもあった。しかしそこはサダオさん。多くのファンは彼の妙演に感激の様子。流石に大ボスである。

 まあ全体はざっとこんな感じだが、オマーラのステージが無ければフェスのお愉しみ感

も大分薄いものになってしまったのは間違いなく、来年はそこら辺の色をもっと強めて欲しいと思ったのは、果たしてぼくだけだったのだろうか...。
【今週の番組ゲスト:ジャズサックス奏者でボーカリストの佐藤洋祐さん】
新譜「ふるさと」から
M1「みかんの花咲く丘」
M2「ふるさと」
M3「海」
M4「切手のないおくりもの」






9月1日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2018.08/31 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.425~大物共演】 

 このところのジャズ界の話題として、大物同士の共演=トニー・ベネットとダイアナ・クラールとのデュオ共演作が挙げられる。現在のジャズボーカルのキングとクイーンの共演、これは余り話題の多くないジャズ界にとって格好のネタになることは必定。トニー・ベネットはもう齢90を超えているが未だ意気軒高...、とは言え流石に高齢だけにそろそろ店じまいを...とも考えているのは間違いないだろう。一方ダイアンの方は今シンガーとして最も脂の乗り切っており、私生活ではあのロックスター、エルビス・コステロの奥方としても充実の様子。この2人ががっぷり四つに組んでのデュオとなれば、本場アメリカでは大評判間違い無く、日本でも色々と話題をさらうはずである。

 
ところで大御所トニーが女性シンガーとのデュオワークに熱を入れ出したのは、今世紀のはじめのことで、02年にカナダ出身のシンガーソングライターk.d.ラングと共演したアルバム『この素晴らしき世界』を発表して以来のはず。もちろんそれまでにも彼は様々なシンガーとデュオをこなして来ているが、意識的にデュオに取り組もうと思ったのはこのアルバムでの成功が大きかったと思われる。以降彼はレディー・ガガなどさまざまなポップスターとの共演に務め、それらをまとめた『デュオ』『デュオⅡ』、さらに中南米のラテンポップス界のスター達とのデュオ作までも発表、あたかもデュオの帝王と言った様相すらあった。そんな彼がこのシリーズの打ち止め(?)として選んだ相手が、今や自他ともに認めるジャズボーカルの女王ダイアナだったと言う次第。

 実のところぼくはこの2人の2重唱、まだ1曲しか耳にしていない。それだけに全面的に皆様におススメとはいかないが、その1曲だけでもやはりこのデュオ作に賭ける2人の意気込みは良く分かると言うもの。90才を超えても未だ若々しいトニー(さすがにその声量には陰りも感じられるが、そのテクニックは抜群)と、ジャズ回帰の傾向も見られるダイアン、この2人の達人のデュオを聴けば、ゴージャスな気分に包まれることは間違いなく、ジャズボーカルのある極地を体験出来るにも違いない。アルバム発売は9月14日、皆様もお愉しみに...。

 
といった所で少し最近のジャズボーカル事情について記してみると...。男性ジャズボーカルと言えば、シナトラ、トニー、ナット・キング・コールなどの大御所達。彼らはジャズと言うよりもポップスターでもあった訳だが、純粋なジャズボーカルとしては白人ではメル・トーメ、黒人ではアル・ジャローなどが挙げられ、今はグレゴリー・ポッター、ホセ・ジェームスなどのソウルにも近い黒人シンガーが元気一杯で、白人では今や中堅以上の実力派とも言える存在のカート・エリング辺りか...。特に黒人シンガーは様々な資質も登場、中々の活気ある状況がみられる。
 
一方女性陣はエラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、カーメン・マクレエのいわゆるボーカル御三家や、クリス・コナー、ジューン・クリスティなどの白人大御所がシーンから消え去った後、ディー・ディー・ブリッジウオーターなど多士済々の才能を輩出。今やボーカルシーンの中心を担っているのがダイアナと並び黒人ではカサンドラ・ウィルソンと言うことになる。そしてもう一人、ジャズとは毛色が変わったジャージーシンガーとしてノラ・ジョーンズの名前が挙げられる。いずれにせよ男性陣よりも人材豊富でにぎやかだし、動きも活発だ。

 
さて日本のボーカルシーンを見てみると女性陣は新しい資質も登場し、かなり勢い充分なのだが、こと男性陣はほとんど影無し。やはり男性ボーカルは日本では難しいようで、新進では番組にも出てくれた牧野慎太郎君など数人を除くと、ほとんど話題に上ることが無くいささか寂しいがまあ仕方ないだろう。
 
新人ボーカルでぼくのお勧めは、ノラ・ジョーンズとも資質が近い、オーガニック系シンガーのキャンディス・スプリングス、彼女の新作ももうすぐ登場する。そしてもう一人、ヨーロッパからNYに渡り、ジプシー・スイング系のノスタルジックな歌唱で注目を集めているシリル・エイミー。この2人です。従来のジャズボーカルとは一味違いますが、どちらも味わいの歌い手達。皆様もアルバムを見つけて一度聴いてみてください。

【今週の番組ゲスト:ブラジルテイストのポップスバンド「Carnavacation」のリーダーでボーカル村田匠さん】 
2
枚同時リリースのデビューアルバム
CARNIVAL」と「VACATION」から

M1
「江ノ島メロディーLOVE
M2ZEN ZEN ZEN feat. Gabriel Moura
M3「だれも知らない」
M4「哀しい口笛」

































8月25日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2018.08/24 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.424~18追分通信Ⅴ 早稲田ラグビー奮起!】

 信州の高原地、信濃追分での山荘生活もお盆が過ぎると、ぐっと秋めいて気温もかなり下がり朝夕などは寒いほどだし、それに伴い(?)この時期になると、人の姿もめっきりと減ってくる。まあ静かなことは好ましいことだが、いささか寂しくもある。

 
そんな地での山荘生活の愉しみの一つ、と言うよりも最大の愉しみとも言えるのが菅平詣で、即ちラグビーのメッカ菅平でのラグビー観戦である。と言っても数ある(50を超える)菅平ラグビーグランドの中でも、ぼくが通うのはメイン会場とも言えるサニアパーク(スポーツ施設)と早稲田大グランドの2か所で、我が早稲田ラグビー部の試合会場だけなのである。毎年夏の合宿時には少なくとも一度は山(菅平)に上がるのだが、今年は2度山登りをした。早稲田ラグビー部の今年度の練習試合は3回。帝京大、大東大、そして東海大と言った強豪3大学との対戦で、中でも最大のポイントはもちろん目下大学選手権9連覇と言う首位の帝京大戦。一昔前までは帝京などは歯牙にもかけない状況だったが今は全くその位置が逆転、どうしたら勝てるのか策を練ってもひねりつぶされると言った悲しい現実。それにもめげず何時かは...と言う思いで山に上がるのだが...。

 まあ今年は昨年のラグビー部のごたごたもあって監督が交代、春シーズンも負けが込み余り期待薄と言った状況だったので、帝京戦(ラグビー仲間=ジャズ仲間も観戦に来る)以外はスルーするつもりだったが、初戦の大東大戦(この日はぼくの誕生日でもあった)の朝はピーカンの好天気。こうなる時気持ちも逸り足がひとりでに動いてしまう。と言うことで朝から早稲田グランドに車で向かい、大東戦も最初から観戦。平日の昼間だがかなり熱心なファンは東京や名古屋などからも駆けつけ声援を送る。

 
大学ラグビーは今年からルールが改正され外人選手は3人まで登場可と言うことになり、外人選手を多く抱えているチームが断然有利となり、早稲田の練習試合の相手もどれも3人以上の外人選手を抱えたチームばかり。その上に春シーズンは負けが込んでいるチーム。大東大の3人の外人にコテンパンに打ちのめされるに違いない...と落胆ムードだったが、これが案に相違して互角以上の戦い。確かに外人に振り回されはしたがかなり果敢に止めており、そのディフェンス振りは驚嘆に値するもの。特に大ラスの早稲田ゴールライン付近での数分に渡る攻防は見ごたえ充分。最後は大柄な外人パワーに屈してしまったが、久々に早稲田ラグビー魂を実感させられる感動の戦い振り。これはひょっとすると...と言う期待を抱かせる試合で、無理して菅平に上がって来て良かったと思えるものだった。

 
それから数日した日曜日、メインイベントである帝京戦観戦の為、ラグビー仲間(=ジャズ仲間)も来て車で菅平に向かう。この日は遠く八ヵ岳から御嶽山、北アルプス連峰までが見通せるめったにないほどのラグビー日和。何か予感をはらんだような好天で、先日の大東大戦での奮闘振りなどを仲間に聞かせ期待を煽る。試合開始の3時間ほど前に主会場のサニアパークに到着、既に芝生の観客席に陣取るファンも少なくない。まだ試合まで間があるので早稲田グランドや他のグランドなども1時間ほどかけてぶらぶらと歩いて見物、席に着いたのは試合開始1時間ほど前。早稲田の試合前のアップ(練習)などを見ていると、いつも以上に気合の入っており期待が高まる。1年生を3人も抜擢した若い布陣で大東大戦とほぼ同じメンバー。

 
午後1時いよいよ試合開始。会場もかなりな数が詰めかけており、弱い早稲田だが人気だけは相変わらず健在である。試合当初は矢張り帝京大は勢いがあり押され気味。然し果敢に1年生を筆頭にディフェンスに励み、余りゲインをさせない。前半1本取られるが積極的な守備からチャンスをつかみ早稲田も取り返しどうにか互角の試合運び。ただ肝心のフォワードが押され気味で選手も大きなファールを犯してしまい、10分間のシンビン(退場状態)。この間一人少ない早稲田は帝京の攻めに耐えきれず再度失点。いつものようにここからずるずると敗戦に落ち込んでしまうのか...と思いきや、選手達の心意気が高くどうにかこの失点だけで抑え、最少得点差で後半に期待を繋ぐ。

 
迎えた後半、これは互角にやれるぞと思ったメンバーの意気は高く、帝京大のミスもありそこを衝いて早々と同点に持ち込み、後はかなり早稲田ペース。SO(スタンドオフ)の蹴ったボールをチャージ、そのままインゴールへトライとここで勝ち越し。以降も少しも引けを取らないばかりか返って押し気味に試合を進め、2トライをもぎ取りダブルスコアで早稲田が頑張る。こうなると日頃は殆どリードを許したことのない帝京大だけに焦りも出て、体格差も目立つ有利なフォワードでごりごりと攻め続けるが少しもものにならず、最後は帝京の反則でのスクラム勝負。これにも耐えボールをグランド外に蹴りだし、ここで早稲田の劇的勝利。この8年間、練習試合を含め一度も勝ったことのない相手を遂に倒したのだ。ファンも狂喜乱舞状態。ただすぐにBチームの試合が開始され、その勝利の余韻に浸る間もなく勝利挨拶を済ませると選手は淡々と退場。この感動的試合はあっけなく幕を閉じたが、ここ10数年菅平での試合を見続けた者(このぼくのことですが)には、涙がちょちょ切れるほど嬉しいことで正に感涙ものの出来事。

 
そう言えばあの御影用水で3グループもの鴨の大群、その数にして50羽近くが見れたことで何か良いことが...などと、この追分通信に記したのもつい数週間前のこと。その良いことが実現したのだと思い返す。
 さあこの調子で秋の本番にも向き合って欲しい。今年の早稲田ラグビーは創立100周年と言う記念すべき節目年。その年に優勝と迄は行かなくても、少なくとも正月越え(正月に大学選手権の準決勝戦がある)を果たして欲しいと望むのは、ぼくだけではない筈だ。
頑張れ早稲田ラグビー、そしてオメデトウ創部100周年! 

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん】
今週はジャズトーク、白人男性ジャズボーカル特集でお話し頂きました。
M1「It's Been A Long, Long Time / Bing Crosby」
M2「Moonlight in Vermont / Frank Sinatra」
M3「What Is This Thing Called Love? / Mel Torme」
M4「Skylark / Jackie Paris」
M5「I Left My Heart In San Francisco / Tony Bennett」
M6「What Are You Doing New Year's Eve?  / Harry Connick Jr.」
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8月18日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2018.08/17 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.423~18追分通信Ⅳ 音楽関連書】

  追分に居ると野生動物に出くわすことがたまにある。かなり頻繁に出くわすのが日頃からその鳴き声をよく耳にする雉。「ケーン・ケーン...」と鋭い鳴き声は印象的だが時々早朝などは林から出てきて散歩したりしており、犬の散歩の前を横切ったりするのでヒヤヒヤものだがどうにか共生しているようでホッとする。
 ひところ軽井沢のメイン旧軽井沢では、ごみ集積場がクマに荒らされると言ったニュースが聞かれたが最近はあまり耳にしない。これもクマと人間の棲み分けがどうやら上手くいっているのかも知れないし、うちの屋根で寝ていたこともある猿軍団もこの所とんと見かけなくなった。ぼくが出くわした動物では鹿とイノシシが印象深く、どちらも夜中の国道沿いでのこと。鹿の方は夜中小諸の国道を横切ろうとして上手く行かず、一方イノシシはウリ坊とも呼べそうな子供のイノシシが2頭。軽井沢駅の駐車場の近くをうろうろ、真夜中だったので車はなく、かなり我が物顔で2頭で闊歩していた。人間と野生動物の棲み分けは実に難しい問題だし、山荘に居ると考えさせられる所も多い。


 ところで山荘生活ではこれといってやることも無い時は、音楽(ジャズ)を聴くと言うよりももっぱら読書と言う感じになってしまう。当然大好きな和洋の私立探偵の活躍するハードボイルドものがメインなのだが、同時に音楽書も手にすることも少なくない。番組にも出演頂いたことのあるジャズライターの村井康司氏の『ジャズ100の扉』、レコードバイヤーにして選曲家など多彩な顔を持つ山本秀樹氏の『クワイエット・コーナー』など、今回も興味深い音楽本を幾つか選んで読んだが、この両方ともアルバム紹介本。その視点のユニークさ、センスの素晴らしさなど、それぞれに興味深いものだったし教えられることも多々あった。


 しかし最も面白かったのは音楽を生業にしている人のものではなく、それ以外の分野の人の書いた音楽関連本だった。その一つが直木賞作家で無類のロック好き、奥田英朗の『田舎でロックンロール』。彼は岐阜市の隣の各務原と言う田舎町育ちで、この町の中学生時代にロックに目覚め、田舎町で孤独にロック音楽を聴き、岐阜の高校時代にようやくロック仲間に出会うと言った、70年代ロック青春エッセイ。ビートルズやストーンズはもちろん、ハードロックからプログレ、ウエストコーストロック、そして遂にジョニー・ミッチェル、ドナルド・フェイゲンにまで行き着くと言ったそのロック修行過程と、専門家でない切り口も愉しく面白い。その上彼は演奏はやらず(悪友に誘われるが...)聞く方だけでそこら辺も面白い所。この各務ヶ原と言う町、ぼくもかつて取材で2回ほど訪れたことがあるが確かに何にもない田舎町。ここの中学で誰にも理解されずロックを一人でいきがりながら孤独に愉しむ。このいきがった悦楽が何とも言えず微笑ましくも面白い。


 そしてもう一冊、こちらは素晴らしいインタビュー集なのだが、ドキュメンタリー作家、沢木耕太郎による『流星ひとつ』。流星とはあの数年前に自死してしまった70年代のアイコンとも言える天才演歌歌手、藤圭子のこと。藤圭子と言っても今の若い人は何それ...と言った感じで、その存在を知らない歌手かも知れないが、あの宇多田ヒカルのお母さんとしては名前を聞いたことが...と言った忘れられた存在だろう。当時はぼくの大好きな「圭子の夢は夜開く」「女のブルース」などの大ヒットを飛ばし、演歌の新星として一時代を築いた後、あの安室奈美恵のように突如引退宣言をしてスパッと表舞台から姿を消してしまった伝説の人である。その彼女が世間を驚かした引退宣言をした直後の28才の時、沢木がウオッカ(火酒)を片手にインタビューしたもので、全編会話だけで構成された特異なインタビュー集。元々は「インタビュー」と言うタイトルで出そうと沢木氏は考えていたのだと言う。しかし諸々の事情などもありこの秀逸なインタビュー集は世に出されることも無く時は過ぎる。しかし数年前偶然TVで藤圭子の自死(高層マンションから飛び降り)のニュースを見て、再度圭子28才の時のこのインタビュー集を読み直し、「輝くような精神の持ち主がこの世に存在していたこと」を改めて再認識、この本の出版を考え、類い稀なる演歌歌手、藤圭子の真実が浮き彫りにされた会話のみによるこのインタビュー集が、日の目を見ることになったと言う次第。
 娘のヒカルは母親の死にあたって「誤解されることの多い彼女でしたが、正義感に溢れた誰よりもかわいらしい人でした。母の娘であることを誇りに思います」と語っていたが、沢木も書く「あの水晶のように硬質で透明な精神」を持った歌い手などほとんどいないと...。娘へ彼女の真実を知らせたいと言う意図もあったとも言えそうなこの本。昨今のアイドル歌手などには望むべくもない(幼いころの過酷な生活などその生きざまも凄いもの)、その歌に賭ける硬質で透明な視線。感涙間違いなしのインタビュー集で、世に数多い馬鹿げたアイドルおたく達にも是非読ませたい一冊で、だらけたぼくの山荘生活に一つの喝を入れられた心持ちにもなりました。


【今週の番組ゲスト:第17回目東京ジャズプロデューサーの山中宏之さんと前川樹里さん】
M1「いつかどこか / CORNELIUS
M2Resting Warrior /  R+R=NOW
M3Can't Dance  / John Scofield Combo66
M4My Dear Life  / 渡辺貞夫」


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8月11日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2018.08/10 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.422~18追分通信Ⅲ 祝「オーベルジュ・デュ・グルマン」始動】

 ぼくが自称私設応援団を務めていた軽井沢・追分の外れにある、何とも心地良いカフェスポット「カフェ・グルマン」。元外資系広告代理店に勤めていたマスターの平井さんが、3年がかりで独力(!)で建てたパオハウス風なこのカフェは軽井沢でも指折りの好店だったが、6年目を迎えた昨年の暮れにいったん店仕舞い。新たに半年ほどかけ平井さんが自力で全面改装を施し、宿泊も出来るレストラン「オーベルジュ・デュ・グルマン」として7月28日に新たに生まれ変わった。オーベルジュとは宿泊施設も持ったレストランと言った意味合いで、教養のないぼくなどは仏語なのでてっきりフランス料理を出すレストランに...と勘違いしてしまったが、実際は以前のようにガレットをメインにしたランチメニュー中心の気楽なカフェレストランといった趣きの店。オープニングの7月28日は丁度「軽井沢ジャズフェス」の本番当日、それに再開初日だけに客も込んでいるだろうとも思い、数日後にお店を訪れることにした。昨年の11月末から7か月余り、その間山荘に来たときは折を見て立ち寄りその改装進捗状況も見させてもらったが、完成したレストランそして宿泊施設は未見だけに、愉しみにお店に向かう。

 店は以前のお山(浅間山)の見晴らしも抜群なテラス部分に外壁を付けるなど大幅改装しレストランスペースにしてあり、以前のあの開放感が失われてしまうのか...といささか心配だったが、窓を大きくとってあり決してそんな感じではない。食事テーブルが8つほどで定員は20人弱。今は宿泊施設に改装された以前の店内部分も入れると、前はもう少しキャパは多かったかもしれないが、改装後は丁度いい塩梅。
 午後1時に行ったのだがお客は誰も居ずいささか心配だったが、15分ぐらいすると犬連れ客などが集まりほぼ満杯になり一安心。今までは平井さん一家で切り盛りだったが今度は新たに可愛らしいウエイトレスさんが1名加わり、彼女が客接待で娘さんが調理、そして平井さんと仏語通訳者でもある奥さんが全体の統括と言った感じ。スープなどの前菜、メインのガレット、そしてデザートにドリンクと言ったガレットランチコースがメイン料理で、それぞれ4種類ほどから選べる形式。料理を待っている間に平井さんが席に来てくれた。開口一番「どうにか7月中に間に合って良かったですよ...」と言われる。時折のぞいた際に、はたして7月末に間に合うのかいささか心配な感もあったが、そこは熟練カーペンターの平井さん。きっちり纏めて内部の改修造作も仕上げはほぼ完ぺき。店内も大きな窓もあって明るくお山から御影用水周辺の見晴らしも申し分なし。

 「開店からようやくひと段落ですが、オープニング数日はてんてこ舞いで、お客さんにも迷惑おかけしてしまったかも...」といささか恐縮の体。ぼくはオーソドックスにそば粉のガレットコースを頼んだが、娘さんの腕前も以前より上がっているのは間違いなく、どのランチメニューも満足感たっぷり。新しい試みの宿泊施設の方だが、これは訪れた数日前に町から許可が下り宿泊受け入れに動き出すと言った感じで、今月末ないし9月初めの始動を考えていると言うこと。一日2組限定(4人まで)と言う宿泊客が泊まる2部屋も見せてもらったが、平井さんと奥さんのセンスも加味され、中々に小洒落たロフト風お部屋で、若い女性好みのものに仕上がっている。どんなお客が来るのか楽しみでもある。 
 昨年御影用水脇に出来た有名ドッグホテルは、流石の超一流お値段でそれを聞いて本当にビックリ。今は亡きバカ犬ピーちゃんには絶対に泊まらせられなかったなーと感嘆しきり。新しい宿泊施設は犬連れも歓迎の様だが、リーズナブルな値段設定にしますよと平井さんは約束してくれた。お店の看板や名刺のマークは平井家の一員の秋田犬を写したもの。知り合いのデザイナーに作ってもらったと言うそのマークも実に可愛い。













 
いずれにせよ動き出した御影用水脇の「オーベルジュ・デュ・グルマン」。娘さんのガレット料理も最高だし、カフェタイムも午後の3時からに設定されており暇があればまたまたお邪魔するはずだが、ぼくも出来るだけお店のPRに協力したいと思っている。その一環として軽井沢ジャズ主催者や大賀ホールのスタッフの方達にも早速宣伝、かなり関心は持ってくれたようでもある。皆様も軽井沢を訪れた折には、少し足を延ばし追分の外れ(住所は御代田町)御影用水脇にある「オーベルジュ・デュ・グルマン」に立ち寄ってみてください。色々な発見・愉しみがあるのは間違いなしですし、ランチそしてランドスケープの素晴らしさも保証済みですよ。お店のTelは026-731-6554。

【今週の番組ゲスト:
ジャズベーシストの藤原清登さん】
ご自身のレーベル「GARUGANTUA」からリリースされたアルバム「I'll Catch the Sun」「Koffee Crush」から
M1「I'm A Believer」
M2「 Lo Straniero (Ihojin / Saki Kubota)」
M3「Davide's Fountain Pen」
M4「20th Century Boy」



 

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パーソナリティ

山本 郁
やまもと かおる

新潟テレビ21アナウンサー・ラジオNIKKEI契約アナウンサーを経てフリーに。
ニッポン放送では『高嶋ひでたけのお早う!中年探偵団』最後のアシスタントをつとめた。
ラジオNIKKEI『聴く日経』、『テイスト・オブ・ジャズ』のパーソナリティー等。

新しい一週間の始まりにお耳にかかれて光栄です!!
今聴いて下さっている“あなた”をマイクの向こうに意識して価値ある情報を、正確に分かり易くお伝えします。

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