番組紹介

ラジオNIKKEI第1 毎週土曜日 22:00~22:30

45年超の歴史を有する、民放ラジオ最長寿級のジャズ番組。進行役は、フリーアナウンサーの山本郁。毎回ミュージシャン、シンガー、ジャズ関係者などをスタジオに招き、そのゲストにゆかりの曲をかけてジャズ・トークをお届けします。

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7月30日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2016.07/29 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.316~巨泉さん逝く】

 我らがジャズ番組「テイスト・オブ・ジャズ」では、この4月から月終わりにジャズ評論家の青木和富氏に登場いただき(はるか富士山山麓から毎回足を運びご苦労さんです)、ジャズのお勉強と言うことでジャズの歴史を振り返りつつ再度ジャズを体系的におさらいてみようと言う教養講座を開催しているが、今回のテーマはクール・ジャズ。盲目の鬼才ピアニスト、レニー・トリスターノを主軸に、その俊才白人門下生たちが集まったクール・スクール(=別名トリスターノ学派)でリー・コニッツやウオーン・マーシュ等々が指導を受けた、意欲的で実験的、冷徹な(クール)表情を持ったこのクール・ジャズ。特に師匠格のトリスターノの演奏は、ビル・エバンスを通し今のピアニスト達にもある種の影響を与えているとも言えるもので、今聞いても中々に新鮮な響きがあり、そこら辺を和富氏に解説頂く。

 
ところで7月初めの永六輔さんに続き、ガン闘病中だったタレント、巨泉さんの愛称でおなじみの大橋巨泉氏が亡くなってしまった。
 
早稲田大の学生時代からジャズ評論やジャズ・コンサートの司会を務め、ジャズ界きっての才人だったが、ジャズは金にならないと早々と見切りをつけ(当時のジャズ雑誌「スイング・ジャーナル」の原稿料は無きが如しと語ったのは知る人ぞ知る話)、放送作家、テレビ司会者とキャリアアップを図り、TV界を牛耳る最も有名な放送界のドンの一人となり、政治家にまで上り詰めた人だった。ぼくは巨泉さんとの番組でのお付き合いは2度ほど。一回は彼と同期の昭和9年会の特別番組。これは昭和9年生まれの有名人たち100数人の集まりで、藤村俊二、長門裕之などかなり多士済々の面々が集まっていた。この会の周年記念で何か特番を...と言うことになり、巨泉さんの音頭だと思うが2時間余りの特別番組を企画したことがあった。そしてもう一回はこれも今は亡きジャズ評論家、岩波洋三さんとのジャズ特別番組でゲストに来てもらったとき。当時最も高いギャラを取っていた巨泉さんに、お礼のギャラなど払えるわけもなかったが、当時彼が編集したジャズボーカルの本(岩浪氏と共著だったはず)に関係して、色々とボーカルのうんちくを披露してもらったと思う。

 
彼は早稲田の学生時代に当時最も売れっ子だったマーサ三宅さんと親しくなり、ちゃっかりと彼女と結婚。姉さん女房のマーサさんの紹介で、物書きや放送と仕事を拡げて行ったシンデレラボーイでもあった。ぼくはマーサさんとはアルバムプロデュースなどもやらしてもらい、親しくしてもらっているだけに彼女の肩を持ってしまうが、巨泉と言う男、中々に憎めない目端の利く若者だったようである。しかし売れてくると...と言うことで、マーサさんから一転若い美人女優(鈴木清順監督の名作「喧嘩エレジー」のヒロイン役)に乗り換えてしまい、以来成功の道まっしぐらと言った感じだった。マーサさんとの間には2人の娘さんがおり、2人ともジャズボーカリストとして活躍。数年前には巨泉さんとデュオアルバムなども出したりしていた。しかし病気が見つかってからは闘病生活が厳しかったようで、最後には週刊誌の連載エッセイも止めてしまった。悪しき時代に向かいつつある世相に、厳しい警鐘を鳴らす含蓄ある好エッセイだけに、大変に残念だった。

 
ジャズについて彼は、ボーカルの権威、白人の美人系ボーカリストがお好みで、独特な視点を持ったユニークなボーカル論を展開、その見解は今でもかなりな意味合いを持っている。ただやはりエンターテインメントの人、尖がった演奏物などは拒否といった頑なさもあったように思える。
 
いずれにせよ巨泉・六輔。この2人の偉大な反骨の人にして、偉大なマスコミ・ラジオTV文化人達の魂に合掌!
【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん】
M1「Progression/Lee Konitz」
M2「Line Up/Lenneie Tristano」
M3「There Will Never Be Another You/Lee Konitz」
M4「Move/Miles Davis」
 

7月23日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2016.07/22 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.315~時代は】

 7月初め、軽井沢ジャズフェスなどの用事もあり追分の山荘に数日滞在、10日の参議院選挙投票を行うために帰京、何か悪い予感がしていたが、その夜の開票速報番組スタートと同時に、自公など改憲勢力が3分の2か...とテロップが出て、以降もその通りの動き。まあある程度予想はしていたがこんなに急速に時代が悪い方に向かいつつあるとは、流石にびっくりだった。世界に冠たる平和憲法とその根本にある平和主義を、時代を読まないある意味KYな考え方だとして排斥しようとする、悪しき傾向が広がりつつある。ぼくのようなオールドボーイが、そんな危険な傾向を嘆いてもどうしようもないのだが、考えてみれば今や若年層から子供たちまで、街にはゲームと言う形でウオー=戦争で溢れ返っており、無自覚に戦争を愉しんでいる傾向すらあるこの時代に、平和や個人の人権などの意味合いを説くのは大変なことだが、そこは何とか頑張らねばならないのだ。
 あのトレンディ俳優とされる石田純一が、突如として都知事候補として立候補...(結局はやめたのだが...)と言ったニュースはある意味驚かされもしたが、悪しき時代へ向かう流れへの精一杯の抵抗の現れだったとして、彼の少し先輩としてはその心情、良く分かる。
 そしてついにジャーナリストの鳥越俊太郎が立った。かつて何回かインタビューもさせてもらった鳥越氏。同世代の彼の不退の決意。かつてガンを患いながらも、その心配を乗り越え良く決意したものである。その心意気、高く評価したいし、最大限に協力したいが、結果はどうなるか神のみぞ知るや...である。

 
ちょうどこの大変な時にタレントの永六輔が亡くなったと言うのも、ある象徴的な事件だった。永さんとは番組などでのお付き合いは一切なかったが、全国各地の廃れ行く放浪芸を探し歩く特番を制作している時には、そうした演芸者の会での楽屋(浪速の浪曲師、広沢瓢右衛門や越後のごぜさんの生き残りなど)ではよく一緒になることもあり、確か瓢右衛門さんの大阪花園の実家では、一緒に酒を飲んだりもしたはずである。
 「大往生」等のヒット作も書かれた永さんは、異様なほど礼儀に厳しい人で、瓢右衛門さんに対する敬意がお前には無い、それでは制作者として駄目だ...などと叱られたこともあった。口うるさい人でありTBSのラジオ番組デは、晩年ほとんど口が廻らないところも多かったが、番組に賭ける情熱は凄いものがあり、それは同時に平和憲法を守ると言った戦後マスコミ知識人としての矜持でもあった。彼は廃れ行く芸能の理解者であると同時に、ジャズ愛好家でもありそうした議論は楽しいものでもあった。合掌!

 
ところでジャズも軽井沢ジャズフェスを始め、盛夏を迎え佳境に入りつつある。かつての大規模ジャズフェスこそ影を潜めてしまったが、9月初めの東京ジャズや横浜のブルーノートフェスなど、いくらかかつての隆盛を取り戻しつつはあるようだ。どれほどそれらに参加できるかわからないが、行けるものは行きたいと思っている。しかしこの時代の悪い流れ。それが気になって音楽にも没頭できないのもまた事実なのだが...。

【今週の番組ゲスト:ジャズサックス&フルート奏者の多田誠司さん】
M1「OLEO」
M2「残照」
M3「WARM WOODS」
M4「HACKER」

7月16日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2016.07/15 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.314~ジャズDJ】

 昔から「都会の田舎っぺ」と言われてきただけに、東京の杉並育ちで今は文化タウンの国立に住まいながらも、余り都会的な流行事象には詳しくない。一時ジャズは時代の先端を行くまさに流行音楽だったが、この数十年はどうも雲行きは怪しく全体に元気がない。しかしこのところ都心のクラブ(もう殆どご無沙汰なのだが...)では、ジャズを媒体にしたDJがかなりな人気を博しており、ラジオNIKKEI第2のRNⅡ立ち上がりを担当していた、我が大学クラブ&局の後輩、エルカミナント岡本君もサルサDJの権威とのことだが、そうした有力ジャズDJ達によるコンピレーションアルバムも結構売れ行きがいいとのこと。残念ながらそうしたDJとはほとんどお付き合いが無い。そこでこのジャズDJのトップ的な存在で、レコード番長とも異名を取る(アナログアルバムに詳しい)須永辰緒氏を、知り合いを通して紹介してもらい、彼に新しく出した彼のジャズコンピレーションアルバムを持参、スタジオに遊びに来てもらった。

 
須永辰緒氏のジャズコンピレーションシリーズは、「夜ジャズ」と言う名前のシリーズで既に15作以上を数える人気シリーズになっている。初対面の須永氏、今流行りのトップDJだけに、夜の収録にも関わらずグラサン(サングラス)をかけ、かなり強面の風情。これまでの夜シリーズはほとんどが海外のジャズレーベルからコンパイルされたものだったが、このところ日本人の若いジャズメンにも面白い存在が登場するようになり、ここらでそうした推薦株を集めたものを作らねばと言うことで新作は夜シリーズの別冊という意味合いで、「番外編」と名付けたのだと言う。
 
ここには若いギンギンに突っ走ったジャズが全部で10数曲集められており、人気バンド以外にもいわゆるジャズ屋(ジャズ関係者)とはちょっと違う視点で採用されたものも多い。これがジャズなのかと言ったものもいくつかあるが、須永氏の言うジャズ=初期衝動としての音楽と言う視点からすると、まあジャズだなと頷かされるものも少なくない。

 
こうしたジャズ及びジャズ周辺の音楽をクラブで掛け、来場者を躍らせ、聴かせるその腕前が問われるなかなかに厳しい仕事でもある。客は20代がメインで30代や大学生、高校生も参加しているとも聞く。「そうした若いファンはジャズ愉しんでますか...」と聞いてみると、特にジャズなどと言うことを意識することなく、他の音楽同様愉しんでいるのだと言う返事、「かなり激しいリズムのジャズナンバーでも、軽くステップを踏むんですよ、今の若い人は...」等と言われるが、オールドボーイのぼくには、その光景ちょっと想像もつかない。

 「
夜」ジャズコンピレーションを仕上げるときにはかなりな数の関連アルバムを聴き、そこからいくつか候補作をピックアップ、特に全体の流れを作るのに腐心をするとのこと。ただ長年のDJ勘でどうしたら聴くものが心地良くなれるかは、自ずと決まってくるものだとも言う。ジャズはかつてその歴史を紐解きながらのお勉強と言った側面も強く、番組でもジャズ評論家、青木和富氏に新しい観点でジャズのおさらいをしているが、若い人たちにはジャズの流れや歴史などと言ったものは、あまり関係無いのかもしれない。すこし寂しく諦めの境地でもある。
 「
オールドボーイのジャズファン達を集め、一度青山や六本木のクラブに視察に行こうかな...」と言ったら、「是非そうしてくださいよ。今の若いファンの気持ちが良く分かりますから...」と励まされてしまった。どなたかクラブご一緒しませんか。
【今週の番組ゲスト:音楽プロデューサーでDJの須永辰緒さん】
M1「Nomad/bohemianvoodoo」
M2「Little Italy/TRI4TH」
M3「襟裳岬/T字路's」
M4「Don't Look Back in Anger/fox capture plan」

7月9日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2016.07/08 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.313~若手トランペッター】

 先日ラグビースーパーリーグの国内最終戦が秩父宮で行われた。猛暑の中、日本のサンウルブスの国内最終戦の相手は、冬真っ最中の南半球からやって来たオーストラリアのワラタス。暑さという利点を最大限生かし、意外に善戦するのでは...と言う期待も大きかったが、南半球有数の強豪ワラタスはその実力通りの力を見せつけ大勝した。今年からSR(スーパーリーグ)に初挑戦した日本チームは、短期間で結成されたものだけに準備不足だったが、その割に良くやったと思うし、ニュージーランドや南アの強豪チームと戦うなどというのは、夢のまた夢だったかつてのことを考えれば、まさに信じられないラグビーシーズンでもあった。ただサンウルブスの今シーズンを振り返ると、選手層の薄さはどうしようもない現実だった。

 と書いてくると今回もラグビー話かとお叱りを受けそうだが、決してそうではない。日本のジャズシーンを見ると、ラグビー同様まだまだ若手の人材が少ないのに気づかされる。ピアノとボーカル、ここは若手がどんどん登場しているが、そのほかの分野ではこれといった人材も少ない。そんな中にあって若手の代表格の一人として奮戦しているのがトランぺッターの類家心平である。彼は青森県の八戸出身。自身の出身地の緯度をタイトルにしたアルバム『Ñ40』を、同郷のピアニスト中島錠二と共に発表したりしている、なかなかに郷土想いだが、今や数少ない若手の俊才トランぺッターとして、自身のバンドを始めさまざまなミュージシャンやシンガーからオファーを受け、共演を果たしている。

 その彼が新作『UNDA』を携え、スタジオに遊びに来てくれた。UNDAとはラテン語で波。自身のバイブレーションを体現化したこのアルバムは、若手達を集めた彼のレギュラーユニットによるもの。如何にも彼らしいエッジの利いたナンバーが並び、タイトルもかなりとんがったものが多い。その中にあって、1曲だけ敬愛するマイルス・デイビスの「マイシャ」を彼流の解釈で取り上げたものがあり、これが素晴らしい。世界的なスケールのトランぺッターと言う印象は、スタジオに来ても良く分かったが、その彼と並ぶ逸材が中近東出身のイブラヒム・マーロフ。半音の更に半分の音程を鳴らせる「微分音トランペット」を自在に使いこなすこの中近東出身のトランぺッターは、リズム感覚も素晴らしく新たな金管楽器を未来を切り開く逸材でもある。
 類家&イブラム。この2人の本場アメリカ以外から現れた俊才達によって、ジャズトランペットと言うよりもジャズの新たな展望が開けることを大いに期待したい。
【今週の番組ゲスト:トランペッターの類家心平さん】

M1「UNDA」
M2「Haoma」
M3「Danu」
M4「Pirarucu」

7月2日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2016.07/01 番組スタッフ 記事URL

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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.312~才人・佐山雅弘】

 5月に女王、寺井尚子が登場したと思ったら、今度は彼女のユニットの音楽監督とも言える立場のピアニスト、佐山雅弘がスタジオに遊びに来てくれた。確か5~6年ぶりの登場になるはずである。彼はまさに才人と言った表現がぴったりのミュージシャンで、寺井バンド以外にも自身のトリオ、音大のジャズ科主任教授、川崎の大ホール・ミューザ川崎の音楽監督、ジャズプロデューサー等々、実に多彩な活躍を繰り広げる売れっ子。その彼と久しぶりに会うと、大分痩せた感じもありいささか心配で聞いてみると、胃の半分近くを切り取る大手術をしたんだと言う。もうだいぶ調子は戻っているが、未だ食事などに気をつけない部分もあるとのこと。ただ数日前からお酒も飲めるようになったと嬉しそうに語ってくれたので、じゃ収録後に近くで一杯やろうでは...と言う話になった。

 
その彼が今回スタジオに来てくれたのは、久方振りに新作を発表したからなのだが、ベーシストの藤原清登とのデュオによるそのアルバムのタイトルは『思い出す、会いたがる、恋い慕う』と言うロマンティックなもの。韓国の人気作曲家チームの作品で、この曲が気に入ってアルバム作りをしようと思ったと言い、それならば初めて藤原とデュオでやってみよう...と考えたとのこと。このアルバム、このタイトル曲以外にも、彼が大好きだと言うシャンソン歌手、シャルル・アズナブールの「返り来ぬ青春」や、これもフランスで大ヒットした童謡風な「マルセリーノの歌」、 ボブ・ディランの曲でキース・ジャレットの若かりし頃の名演で知られる「マイ・バック・ぺージ」など、実にいい曲が並んでいる。面白いのはあの韓国民謡アリランを佐山流に解釈し直した「花アリラン」と,フレンチテイストの小洒落たナンバー「すれ違いのロンド」と言う2曲の彼のオリジナル。いかにも才人、佐山ならではのセンスに溢れたナンバーで、名手、藤原とのデュオも抜群。大人が楽しめる心地良いジャズになっている。

 
スタジオ収録には、コーディネート役を務めた、キングレコードのお偉いさん(になってしまった)森川進氏も立ち合いに現れたが、スタジオ録音は初共演にも関わらず実にスムーズで、匠同士の共演と言った和気藹々のものだったと彼も語ってくれた。今は大病後なので仕事は控えめにしているともいうが、それでも週3日ほど大学に通い、頼まれたアレンジ作業やライブハウスでのギグ(仕事)など、スケジュールはびっしりのようだ。「少し休んだら...」と言うと「そうはしたいんだが、どうにもままならないんですよ」と言う返事。才覚溢れた御仁だけに、周りもほっとかないはずで、才人はなにかと大変と言った好例とも言えそうだ。

 番組終了後虎ノ門の酒場に、山本アナも加え4人で向かう。魚の旨いことで知られるこの店は満杯、ようやく席を見つけ潜り込むと、 久々の酒と言うことで佐山氏は大喜び、実に愉しいアフターセッションになった。席上どういう訳か山本嬢のヌード写真集出版と言う話で盛り上がり、それならば佐山氏のピアノ伴奏付きのこれまでに無い貴重な写真集にすれば...と提案すると、佐山氏も大乗り気。じゃやりましょうよ、と言う実現性ないお話でお開きになったが、佐山氏は終始ご機嫌だった。才人との愉しいひと時でした。

【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストの佐山雅弘さん】
M1「すれ違いのロンド」
M2「花アリラン」
M3「ダヴィデの万年筆」
M4「帰り来ぬ青春」

6月25日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2016.06/24 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.311~はな子&カシアス・クレイ等々】

 我がジャズ番組「テイスト・オブ・ジャズ」では、この4月から毎月月末の時間は、評論家の青木和富氏を招き「ジャズのお勉強」と言うことで、ジャズ史をベースに様々なジャズのお勉強をしようという企画を実施中。今回は第3回でいよいよジャズのスタート時点、ビ・バップに突入。バップとは騒々しいと言ったスラングのことだが、この音楽を作り上げた天才バードことチャーリー・パーカーをメインに、彼とタッグを組んだディジー・ガレスピーなど、モダンジャズの創始者とも言える巨人達にスポットを当てることとなった。パーカーはクリント・イーストウッド監督(大のジャズ好きで息子はジャズベーシスト)の映画「バード」でお馴染みの存在だが、まさにジーニアスそのものとも言える天才プレーヤー。これぞジャズメンと言う典型的な破滅型プレーヤーでもあった。従来のスイングジャズを革命的に変化させた彼のプレーは、録音状態の悪さなどもありファンには意外なほど聞かれることも少ないのだが、今回はそのプレーとじっくり向き合おうと言うもので、ジャズの「大本」をこの機会に皆様もご堪能下さい。

 
さて番組の方はこんな感じだが、ぼくなりに感じ入る事柄がこの所多々ある。そのまず第一は、象の「はな子」の死。井の頭動物園で亡くなった最長齢のこのインド象、ぼくが小学生時代に上野から井の頭動物園に引越し、娯楽のない時代には大人気の存在だった。杉並区のお坊ちゃんヴァイオリ二ストだったぼくは、同区の小学校代表の一人として学校から派遣され、この象の一日飼育係代理を、学校一の美少女と共に行った。この当時はほとんどの子供が貧しく、いわゆる原始共産制の中にあったとも言えるのだが、彼女は隣のクラスで学校一の金持ち~土地持ちの美人の子として知られていた。高円寺の駅から2人で井の頭動物園に向かうその間も、また園に着いてからも、ぼくは緊張続き。肝心のはな子のえさやり作業などは良く覚えていないが、2人で園のお弁当を食べ語り合ったことは印象に残っている。当時はお金持ちの娘は美少女、と相場が決まっていたので、その日だけで後は接触はなくなってしまったが、今も楽しい思い出の一つだし、身近で見たはな子の人気も凄いものがあった。その象が...,何か寂しい。

 
そして死亡ニュースと言えばもうひとつ、世紀のボクサー、カシアス・クレイことモハメッド・アリの死。齢74というから、こう見るとぼくとそうは違わないのだが、その本名のクレイは、白人から与えられた奴隷の名前だとして廃棄、イスラム教に回収したモハメッド・アリ名を堂々と名乗り、敢えてベトナム戦争の従軍拒否を敢行、世界タイトルを剥奪...と、まさにアフロアメリカンの代表格として差別撤廃などに孤軍奮闘して戦った信念の人でもあった。その姿は学生運動華やかなりしわが国でも、その果敢な行動は若者の英雄として大きくクローズアップされ、永遠のボクサーとして名前を残すことになる。タイトル剥奪から数年後のアフリカ・ザイールでの無敵ジョージ・フォアマンとのキンシャサ・リベンジ・マッチ。この凄みたっぷりな試合を、もう一人の時代ヒーロー、作家のノーマン・メイラーがドキュメントした観戦記も最高の内容だった。さんざんフォアマンに打たせまくって防戦一方、それを第8ラウンドに「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と言うあの有名なキャッチフレーズ通りに一発パンチでKOしてしまう。まさに凄いの一言。以降はパンチドランカーの常として体を壊し、表舞台には現れなくなるが死ぬまでアリは、黒人達そして世界中の戦うもの達の真のシンボルだった。

 
その歴史的キンシャサ激戦から数年後に我が国で新しい装いの雑誌(ぼくたちの気分を代弁してくれるような雑誌)が、それまで歌謡雑誌「平凡」で売っていた出版社から出された。「ポパイ」である。当時のアイドル雑誌「平凡」を発行する平凡出版は、若者カルチャーを代表する「マガジンハウス」と名前を変え、一躍時代の気分をリードすることになる。それから40年、「ポパイ」今月号はその40周年記念号で創刊誌(ウエスト・コースト特集号)がオマケで付いている。オマケには弱い性格なので直ぐに買い求めてしまったのだが、その最新号の面白くなさ。やはり今の時代からは大分ずれてしまった感もありあり。かつて「ラジオ・ポパイ」等と言った相乗り(共同企画)の2時間特番をオンエアーしたりして、編集部とも良くコンタクトを取り合って、新しいラジオ番組と新たな雑誌を作ろうとしていた、あの時代の面白さ・意気の良さ。もうはるか昔の時代になってしまったのだ。今はあの当時の「ポパイ」のような雑誌はない。いささか悲しいし、残念でもある。
【今週の番組ゲスト:「ジャズのお勉強」第3回 先生は音楽評論家の青木和富さん。Bebop...モダンジャズの始まりについてお話いただきました。】
M1「DIZZY ATOMSPHERE/CHARLIE PARKER&DIZZY GILLESPIE」
M2「WHITE CHRISTMAS/CHARLIE PARKER」
M3「THE CAMP/DIZZY GILLESPIE」
M4「INDIANA/BUD POWELL」
M5「9月の雨/GEORGE SHEARIN'G」

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パーソナリティ

山本 郁
やまもと かおる

新潟テレビ21アナウンサー・ラジオNIKKEI契約アナウンサーを経てフリーに。
ニッポン放送では『高嶋ひでたけのお早う!中年探偵団』最後のアシスタントをつとめた。
ラジオNIKKEI『聴く日経』、『テイスト・オブ・ジャズ』のパーソナリティー等。

新しい一週間の始まりにお耳にかかれて光栄です!!
今聴いて下さっている“あなた”をマイクの向こうに意識して価値ある情報を、正確に分かり易くお伝えします。

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