番組紹介

ラジオNIKKEI第1 毎週土曜日 22:00~22:30

45年超の歴史を有する、民放ラジオ最長寿級のジャズ番組。進行役は、フリーアナウンサーの山本郁。毎回ミュージシャン、シンガー、ジャズ関係者などをスタジオに招き、そのゲストにゆかりの曲をかけてジャズ・トークをお届けします。

新着記事

7月22日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2017.07/21 番組スタッフ 記事URL

テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.367~日野原重明氏死去】

 日本の医学界の良心とも言える日野原重明先生が亡くなった。享年105才。我がラジオ日経では今年の5月まで週一回のレギュラー番組「日野原重明の輝く顔と輝く心」をこなしており、放送媒体での先生の最後の声もラジオ日経で、と言うことで、局と先生との関係は本当に因縁浅からぬ所。死亡のニュースが出た翌朝のTVワイドショーを何気なく見ていたら、ラジオ日経と局のプレートが大きく映り、カメラはスタジオにパンしていき、そこに居るのが大宮杜喜子女史。日野原番組を先生と務めていた彼女が、番組の最後の収録模様や想い出などを語っており、感慨深いものがあった。彼女はぼくが担当してからの「テイスト・オブ・ジャズ」の2代目担当アナウンサー。局に入って直ぐの彼女に番組担当を頼み、以来10数年色々なミュージシャンやレコード会社のジャズ担当者などをゲストに迎え、番組を続けて来たものだった。あの頃は仲々に可愛い女性だったが、今や医学関連に精通したベテランプロデューサー兼パ=ソナリティーと言うオールドガール。歳は取ったがまだチャーミングさも残した、ぼくにとっても愛しのジャズガールの一人でもある。

 まあそんな脱線話は置いておくとして、肝心の日野原さんだがぼくが初めて先生と会ったのは、タンパ放送の一つの柱だった(今もそうだが)医学関連番組の企画委員の一人としてのこと。担当したこの医学番組は東大の内科教授連中(第3内科まであった)や慈恵医大の教授など錚々たるメンバーばかり。局に入って間がなかったぼくには、超一流が集まる番組だけに企画委員会はそれこそ超が付く高級料亭やレストランで開催、そこだけは初体験ばかりで嬉しくもあったが、企画委員の顔ぶれだけでもかなり荷が重いものだった。その上当時の教授連はどれもその道の最高権威だけに、生意気なぼくなどは態度が良くないと叱られることもしばしば。そんな中にあって一人優しかったのが日野原先生で、他の権威に懲り固まった面々(反権威主義の京大医学部出身も影響あるかも...)とは大違い。当時はまだ学生運動も全盛で、特に大学の医学部変革なども運動の大きなテーマになっていたが、あの日野原さんの存在を一躍有名にした「よど号事件」の直後だけに、教授連も学生を悪者のようにののしることもしばしばだった。ただ日野原さんだけは、あんな死に繋がる様な恐ろしい経験をした後でも、決して彼らのことをひどい口調で語ったりしなかった。まあそんなこんなあって日野原重明と言う先生は、人格的にも素晴らしい人だと敬愛していたし、ある意味憧れの存在のでもあった。ただぼくが医学番組を担当したのは局に入って2年ほどで、以降は他の関係番組の担当になってしまい、先生とは余り関係を持つことは無かった。ただ局で出会ったりした時には挨拶を交わし、音楽の話(クラシックに造詣が深いのだが、結構ジャズなどにも関心があった)などもしたものだった。

 その先生と再び関係が出来たのは、前述した先生と大宮女史との対談レギュラー番組「日野原重明の輝く顔と輝く心」を、ソニー・エンターテインメントの子会社役員E氏(昔はジャズ番組の敏腕ディレクターだった)と共同企画でCDブック化して、ソニーから同名タイトルで発売したことにより、何回か挨拶などで聖路加病院の名誉院長室へもうかがった。このCDブック売れ行きはイマイチだったが内容はソニーミュージック・ダイレクトのスタッフの中でも好評で、ソニーのくんとは日野原企画第2弾として、先生の書いた曲(「葉っぱのフレディー」等々かなりな佳曲多し)をソニーが抱えているクラシックの有名ピアニストなどを起用し、CDブック化しようという企画を立案、先生も乗り気だったのだが、肝心のソニーミュージック・ダイレクトの動きが遅く、同じような企画を他のレコード会社がやってしまい、計画は残念ながらおじゃん、日の目を見ることはなかった。

 先生はあの「よど号事件」に関わったことで、それからの自身は生かされているんだ...と言う強い認識を持ち続けていただけに、心の底からボランティア精神に溢れた博愛の人生を生きた。まさに素晴らしい人だった。合掌! 
【今週の番組ゲスト:シンガーのギラ・ジルカ」さん】
『ギラ山ジル子project  one・two』から
M1「年下の男の子」
M2「あなた」
M3「木綿のハンカチーフ」
M4「喝采」

7月15日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2017.07/14 番組スタッフ 記事URL

テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.366~丹波焼探訪】

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月の最初の週は大忙しだった。まず数日追分の山荘に行き、軽井沢ジャズなどの用件処理、その次の2日間は山梨県の韮崎、その間8月夏休みの為の録り貯めを東京のスタジオに戻って行い、その後直ぐに兵庫県の丹波と但馬地方に5日ほど滞在と...、オールドボーイとしては海外取材と同じくらいに目一杯動き回った。まあ疲れながらも結構愉しい発見も多い旅だったが、ラストの兵庫旅行は以前から誘われていた娘の旦那の実家訪問がメイン。旦那の実家は丹波篠山市の郊外、立杭(たちくい)と言う地区にある丹波焼の窯元の一つで、もう1006代も続いている銘家。現在は旦那のお父さんとお兄さんの二人で陶勝窯と言う名称の窯を続けており、実家と作業場を持ち立派な登り窯まで付いている由緒正しき家系。この丹波焼、日本六古窯の一つとされるもので、50を超える多くの窯元が並んでおり観光客も多い焼き物の里。前から山深い辺鄙な所と聞かされ続けていたのだが、行ってみるとそんなに山深い感じも無く、静かで落ち着きのある山里だった。丹波焼は古くからの伝統を守り、シンプルながらも長く楽しめるデザインの日用食器を多く作っており、ぼくも茶碗などいくつか買ってきた。

 
古い歴史を持つこの陶器の里には、市野、大西、大上と言った姓が多く、中でも市野が3分の2ほど。旦那の実家もその市野姓で、丹波焼の窯元を代表する一人として叙勲を受けたりもしている。この里にはまた兵庫県の県立陶芸美術館も設置されており、それが市野家から小川を隔てた真ん前の山中にある。当然そこに見学に行ったのだが、そこでの催し物が装飾性の強いドイツのマイセン陶芸展とはシンプルさが売りの丹波焼の里としてはいささか皮肉な感じもしたが、中々に立派な建物で当然丹波焼コーナーもあり、歴史・沿革などが理解できる仕組み。陶勝窯の作業場には作品の展示場や静かな池を借景にしたテラスなども設置されており、まさに癒しの空間で、作業場では簡単な陶芸体験も出来、娘夫婦は茶碗などを作っていた。ぼくはその間を利用してこの里の端にある温泉施設「こんだ薬師温泉(この地域の総称が"こんだ"である)」で湯あみを愉しんだが、これが自噴の仲々のお湯でなにより湧出量が多いのが嬉しい所。たっぷり楽しませてもらいました。

 
丹波篠山市はあの、でかんしょ節で知られる古い城下町で、もともとは徳川家康が豊臣を攻めるために作った出城。武家屋敷街や商人地域などかつての街並みも一部保存されており、大阪からも1時間ちょっとと言う便利さもあり、結構関西圏からの観光客も多く、小洒落た喫茶店などもいくつか見掛けた。閑静で落ち着いた魅力的な街だが、半面いささか活気に欠ける所でもあった。

 
ところで今回の旅の目的はもう一つ、我が父母の郷里を久々に訪ねる旅でもあった。父は但馬の中心地、豊岡市。母はその豊岡市から但馬を代表する河川・円山川を30分ほどさかのぼった八鹿(ようか/今は養父(やぶ)市)と言う街の出身で、共に山陰・但馬地域の出身だけに、折角の機会なので丹波訪問の前に久々に立ち寄ることとし、泊りはこの地域を代表する城崎温泉、あの志賀直哉の「城崎にて」で知られる温泉街とした。小西、小出(母の実家)共に昔は子沢山で、小西が8人、母の小出の方は何と13人。うちの上の姉貴のが母方の一番下の叔母さんよりも年上と言った奇妙なねじれ現象も起きているが、まあ子供が多い。しかしその実家を継ぐ人はおらず、残念なことに荒れ放題。特に小出家は代々医者の家系で、祖父は但馬地域で最初の総合病院(小出医院)を明治半ばに開設、建物は県の文化財指定を受けるほどのもので、10数年前に訪れた時は県指定文化財などと言う看板も仰々しく立っていたが、今はそれも隅に押しやられ建物はガラスも割れいささか悲惨な有様。従弟は八鹿の公立病院のお偉いさんのはずだが殆ど実家には戻っていないようで、家もかなりな広さだけに管理も出来かねる様子...。広い敷地(中庭にあった松の大木は国の天然記念物だった)・建物、これを維持管理するのは家計的にも大変なことと同情はするが、反面寂しくあったのもまた事実。

 
まあこんな寂しい思いを吹っ切ろうと、丹波の小京都として今一寸したブームにもなっているらしい城下町、出石町を訪ねることにした。円山川の支流、出石川が街の真ん中を流れるこの城下町は、八鹿から峠を越えた先にあり車で20分ほど。丹波篠山市と同じくここにも出石焼と言う古い焼き物があり、また「皿そば」と言う独自のそば(これが美味)でも知られ、江戸時代からの芝居小屋も再現されるなど見どころも一杯、城跡も作り直されており平日にも関わらず観光客も多かったが、この城下町の最大ポイント~時計塔が修理中で全貌を拝めなかったのは残念だった。そして城崎温泉。立ち寄り湯だけで7つもあると言うこの古湯、各旅館では派手な色合いの貸浴衣を用意、これを着て温泉街を練り歩くのが若い連中に受けているようで、学生や若い会社員など数多くの若者グループが街を歩いており、その賑やかさにいささか圧倒された。これならば当分城崎温泉は大丈夫そうでホッともしたものだった。

 
丹波を出てからは加古川市に住む大学時代の友人(早大ワンゲル部)を訪ね一泊、隣町の姫路市のお城、改装なった白鷺城や、古寺である書写山円教寺(これが聞きしに勝る、比叡山延暦寺にも匹敵す素晴らしい山寺だった)などを慌ただしく見学後、一路東京に帰ることにした。疲れてはいたがその足でスタジオに向かいジャズ番組の収録(名花ギラ・ジルカがゲスト登場)をこなし、深夜に帰宅した。まあ愉しくも厳しいオールドボーイ奮闘のおよそ10日間でした。
【今週の番組ゲスト:NY在住のピアニスト 大林武司さん】
アルバム『Manhattan』から
M1
Cill My Landlord
M2
Heart
M3
Steal Heel
M4
In Walked Bim

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7月8日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2017.07/07 番組スタッフ 記事URL

テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.365~軽井沢ジャズ17】

 7月に入り最初の日曜日、この国の将来を左右するような大事な選挙、都議会議員選挙と言う地方選挙ではあるが憲法改正などと言う国政の最大問題にも通じかねない大事な選挙が行われ、大方の予想通りにあの驕れる安倍ちゃん率いる自民党は大敗した。いつもならば選挙と言えば全面にしゃしゃり出る安倍ちゃんも、今回は取り巻き達の忠告もありひたすら謹慎、選挙戦の最後の日にようやく街頭に出たのだが、その街頭演説にはあの籠池氏も参上、現場は混乱の極みだったとも聞く。そして結果はかつてない大惨敗。数を頼みに全てを強引に押し通し続けて来た自身の驕り、そしてお仲間・お友達・安倍チルドレン等々だけを重用、彼らの数々の暴言・失言がボディブローのように効き、予想通りいやそれ以上の彼にしたら散々な結果になってしまった。自業自得の極みとも言える結果だが、一つ見逃せないのはあの稲田女史の自衛隊応援発言。一見失言のようにも見えるが、これはあの豊田女史の暴言など一連の不祥事とは全く位相の異なる重大発言。軍隊と言う組織が個人の権力維持の道具に使われたら...と言う、重大危機すら認識していない防衛のトップ(よく弁護士をしていたものである)、そしてそれを罷免すれば自身もアウトと頬かむりし続ける安倍ちゃん...。まあ自身の爺さん超えで名声を残したい為だけに()、国の根幹の憲法もやみくもに改正しよう(その改正意図や箇所などもしばしば変わる)などと考え・公言する彼だけに、女史の発言も特に問題ありとは考えてはいないのだろうが...。

 
さて政治の問題はさておき、音楽関連では7月からのサマーシーズンは音楽フェスで盛り上がる書き入れ時。ジャズ全盛の70~80年代には、首都圏周辺でも大規模なジャズフェスが数多く開かれたものだが、今は見る影もない有様。一方当時は数少なかったロックフェスも、今は全盛で有名海外ミュージシャンも数多く登場、観客動員も凄まじい数で、完全に夏の風物詩として定着した感あり。更には上原ひろみなどのジャズ界の若手有望株も、こうしたロックフェスに次々参戦と言う、皮肉な現象すら起きている。この逆転現象は時の流れではあるのだが、もう一つジャズフェスの主催者は企画スタート時点でフェスの損益分岐点を超える~即ちスポンサーを見つけ黒字化することだけに腐心、観客のことなどは二の次だった様にも思えた。これに対しロックフェスの方は皮きりの「フジロック」を始め多くが、スタート時点ではスタッフは全くの手弁当、観客動員にその全てを賭けていた感も強い。根本時点でのこうした音楽に向き合う心根の有り様の差、これも今大きく差がついてしまった要因では...とぼくは思っている。

 
まあこんなことを嘆き悲しんでいてもしょうがない。現在あるジャズフェスをより良いものに...と言うことで、ぼくもそのスタート時からいくらかお手伝いさせてもらっている「軽井沢ジャズフェス」。6回目を数える今年もまた7月29日()に、軽井沢の地で開催される運びとなり、我がジャズ番組でもまたこのフェス紹介をすることにした。元々古くからのジャズ仲間で慶友のジャズプロデューサー故伊藤八十八氏(早大時代は彼が1年下で、ニューオリーンズ・ジャズ・クラブ所属)が、長年の夢だった避暑地でのジャズフェス~あの伝説のジャズ映画「真夏の夜のジャズ」の舞台、アメリカでも屈指の避暑地、ニューポートでのジャズフェスを日本でも実現したい...と企画・実施した「軽井沢ジャズフェス」。この地の端っこに山荘を構えているぼくも彼の考えを聞き、出来ることは...と協力してきたのだが、彼も重い病に倒れ亡くなってしまい,フェスをどうするかと思っていた矢先、未亡人の妙子さんが彼の遺志を継いで続行を決意、昨年から再スタートしたと言う曰く付きのジャズフェス。昨年からはこれも日本のお笑い界のボスにして長年の友人の一人、北軽井沢に数年前に移住したプロデューサー・演出家・エッセイスト等々、多彩な顔を持つ才人・高平哲郎氏(フジTVのお笑い路線は彼が作り上げたもの)が構成・演出を手掛けており、それまでは2日間だったフェス日程も1日に短縮、ぐっと中身の濃いものに仕上げ直した。その2年目であり出演者も仲々に興味深い。司会・進行はこれもまた古くからの知り合い、山下洋輔トリオのオリジナルメンバーで音大のジャズ科教授も務めていた「せいいっちゃん」こと中村誠一(ts)氏で、開催場所は例年通り軽井沢が世界に誇る音楽ホール「大賀ホール」。元ソニー会長の大賀氏が自費を投じて作ったホールで、完成後は街に寄付した。

 
昨年はジャズフェスについて、高平氏とプロデューサーに就任したばかりの伊藤妙子さんに、スタジオに来てもらいいろいろ話を聞いたが、今年は高平・誠一コンビに登場してもらうのが一番と言うことで話をしたのだが、多忙な二人だけにスケジュールが合わずお流れ(高平氏はインタビュー出演)。変わって妙子さんとこのフェスを毎回聴いていると言う、新宿ジャズ界のボスと言うより新宿文化の象徴とも言える新宿DUGのマスターにしてジャズ写真家の中平穂積氏(伊藤氏の師匠格)の2人に、この避暑地でのジャズフェスの魅力について語りあってもらうことにした。
 
今年の登場ミュージシャンはアメリカで大活躍の若手アルト奏者、寺久保エレナを始め、エレナと並ぶ若手のホープであるピアノの桑原あい、伊藤氏が見いだし今やベテランシンガーとも言えるマリーン、邦楽とジャズを融合させた独自の音楽を展開する仙波清彦師匠、それと誠一ちゃん、更には地元でよく知られたセミプロ・ジャズフルバンドの「オブサウンズ」等など。かつてタモリと新宿の酒場で毎晩即興でやりあっていた、誠一氏の軽妙な司会トークも聞きもので期待するところ大ですね。
【今週の番組ゲスト:軽井沢ジャスフェスティバル プロデューサーの伊藤妙子さんと写真家で新宿「DUG」のオーナー中平穂積さん】 
M1
The Back / 桑原あい」
M2
Grand Prix / THE SQUARE
M3
Isn't she lovely / Marlene
M4
「ブルキナ / 寺久保エレナ」

7月1日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2017.06/30 番組スタッフ 記事URL

テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.364~ブルーに生まれて】

 見逃してしまい残念な思いをしていたジャズフィルム「ブルーに生まれついて」が、今回ヴィデオ化されたので早速鑑賞することにした。この映画が公開された後に今度は帝王マイルスを扱ったジャズ映画も登場~マイルス・フリークの俳優ドン・チールドが監督・主演したもの、時ならぬプチ・ジャズフィルム・ルネッサンスと言う感じもあったのだが、その公開時には残念なことに見られなかった。この映画の主人公はブルーと言う言葉に象徴されているように、あの稀代のジャズ界の人気者、オランダでのホテルでの原因不明な転落死でその59才の生を閉じてしまったトランぺッター&シンガーのチェット・ベイカー。

 マイルスにチェット、ジャズ人気を2分するようなこの黒・白を代表するトランぺッターを主人公にした映画が、ほぼ同時に登場と言う稀有な出来事が実際に起きた訳だが、映画の出来はこのブルーの方がはるかに優れている...と言うのは衆目の一致するところ。マイルス映画は主役がドン・チールドだったのに対し、チェットの方はイーサン・ホーク。この役者の格の違いで、ある程度映画の出来栄えも分かってしまうのだが、実際にイーサンの演じたチェット・ベイカーは、各映画祭でも絶賛されるほどの素晴らしさでぼくも堪能させてもらった。当て振りとは言え画面でのトランペットプレーも相当に練習したことが良く分かる見事さ。この映画をぼくはイーサン自身が監督したものと誤解していたのだが、実際の監督はカナダ人のロバート・バドロー。まだ余り知られていない若い人だが、映画のタイトルでチェットの代名詞にもなっているブルーな色調をベースに画面を構築、スタジオ風景などもあの50年代後半の懐かしいブルーな色調でまとめられており、それだけで愛おしい気分になってしまう。

 さてそのチェットだが、死後既に30年近く経つのに相変わらずその人気は衰えない。度々彼のアルバムは再発され、それでもかなり売れ続けているようだ。それはトランぺッターとしてだけでなく、彼のブルーな歌声もその人気の要因(特に女性ファン)になっている筈なのだが、映画でもイーサン自身がチェットの持ち歌を披露~その中には当然タイトルの「ボーン・トゥー・ビー・ブルー(ブルーに生まれついて)」も含まれているが、その枯れた歌声も中々に素晴らしいもの。何よりこの映画の素敵な所は主役のイーサンそして若い監督も、チェットに心底惚れ込んでいる感じが画面から滲み出ている点だろう。その人気絶好調の折にはあの夭逝した伝説の人気俳優、ジェームス・ディーンのジャズ版とも呼ばれた美少年だった彼。麻薬の為に心身はボロボロで、原因不明の転落死も麻薬売買のトラブル...などとも噂されるほど生涯麻薬との関係は断ち切れず、チェット=麻薬(ドープ)とも言われるほどだった。

 映画は人気絶頂だった彼が麻薬の為に刑務所入りした後、失意のどん底にあった50年代後半を扱っており、当然麻薬の問題が大きなテーマの一つにもなっている。薬の売人に金銭問題で殴られ顎と歯を痛め再起不能とも言われた彼が、ある黒人女性(これは実在しない)の献身的愛でどうにかカムバックするのだが、最後はこの女性も彼とは離れ、失意の彼はヨーロッパに旅立つことになる...と言う、ある意味ラブストーリーなのだが、マイルスやディジー・ガレスピーと言ったジャズトランペッター達も画面に登場、彼をスターに仕上げた「ワールド・パシフィック」レコードの社長なども重要な役割を担い、愛人女性だけが架空と言う、ジャズフィルムでありつつラブファンタジーでもある訳だが、かれがアイダホの故郷に一時帰郷しその大平原の中でトランペットを学びなおす場面なども、田舎者チェットの峻厳とも言える孤独な姿が活写され、またまた愛おしい気持ちに浸らせられる。

 
チェットの自伝映画としては、実際のドキュメンタリーフィルム~有名なファッションフォトグラファー、ブルース・ウエーバーが撮った「レット・ゲット・ロスト」があり、これは晩年の欧州在住時期に彼やその愛人たちにインタビューして作り上げられたもの。アカデミー賞のドキュメンタリー部門の候補作にもなった秀作だが、その中での彼は年令の割にしわだらけで歯もボロボロの全くの老骨の人。およそかつての美青年振りは窺い知れ無い落ちぶれ具合なのだが、反面なんとも言えない味わいと含蓄深さを持った顔付きで、これはこれでまた魅力的だなーと思わせてくれた。その彼の未だ若々しい苦悩の時期を扱ったこの不思議なラブファンタジー=ジャズフィルム。見ればチェット・ベイカーと言う稀有な感性の男に惚れこんでしまうこと間違いなしで、仲々のお勧め良品です。
【今週の番組ゲスト:ピアニストの中村真(まこと)さん、ドラマーの大村亘(こう)さん】
中村真トリオの新作『Makoto Nakamura Trio
』から
M1Stablemates
M2Isn't it romantic
M3Triste
M4Smile

6月24日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2017.06/23 番組スタッフ 記事URL

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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.363~スマップ崩壊】

 あのアベちゃんが共謀罪を強引に国会で通し、自身のお友達が経営する加計学園の許認可問題には完全にほっかむり。世論調査の支持率が一気に急落すると、今度はTVでお詫びと反省の弁をしおらしく語る。これで国民はまたまた納得し支持してくれる筈と...、このどこまでも国民を舐め切った態度、それも夫婦共々なのだから、何をかいわんやである。更にこの会見のすぐ後に森友学園に家宅捜索を入れる。悪者にされた(?)籠池氏は「国策捜査」と息巻き、かみさんは「父ちゃんが余りにかわいそう」と大声で嘆く。単なる茶番とは言えない悲劇が起きている訳だが、同じようなことはあのトランプが支配するアメリカでもあり、この世界はどこまでも崩壊に近づきつつあるようにも思えてならない。この歯がゆさ、そして無力感、どうにかならないものなのか...。

 
そんな折、昨年から話題になっていたあのスマップがついに完全崩壊、香取慎吾以下の3名がジャニーズ事務所を9月で脱退、もともと残留を表明していたキムタクの他に、リーダー中居も残ることになったのだと言う。新聞や雑誌など大方のマスコミは中居の残留を「スマップの絆を絶やさないため...」などとに扱っているが、これもあのアベちゃんが言う印象操作によるもので、ジャニーズ事務所のマスコミ操作術に芸能マスコミが乗らされただけ。真相はどうかわからないが、あの屈辱の美談風に会見を開かされたスマップのリーダーが、色々事情はあったとしてもさっさと残留を決めてしまうのも、極めて日本的な解決方だとも言えそうだ。まあいずれにせよJ-ポップシーンの頂点を極めた彼らが、ここで完全に崩壊してしまったのは悲しくも残念なことでもある。

 
ぼくはアイドルなどにはおよそ関心もないし、アイドルの追っかけをいい年をした輩がそんな行動を取っているのを見ると何とも言えない寂しい気もしてくるのだが、ことスマップだけは別の感情が働くのは不思議なこと。何より彼らの歌がいいのだが、それに加え娘が子供の頃大ファンで、レコード会社の知り合いに頼みこんでようやくチケットを手に入れ珍しく大感謝されたことなども、彼らに関心を寄せた一因かもしれない。更に彼らのバックバンド「スマッピーズ」の音は、ハリウッドで録音されデビッド・サンボーン、マイケル・ブレッカーなど超一流のジャズミュージシャンが参加、ジャズフルバンドと聞いても実に素晴らしもので「スマッピーズ」だけのアルバム(スマップのヒットナンバーのバックバンドサウンド)も出されている程で、そんなところもこのグループに好感を抱いている所でもある。

 
さてそんなジャニーズ事務所の御大将は、ジャニーさんとメリーさんと言う姉弟コンビで、純日本人なのにこんな名前どういう感覚か...とも思ってしまう。だがまあそれはさておき、数年前の週刊文春のインタビュー記事、全てはここからスマップ崩壊は始まった訳。キムタクが悪い、中居の態度が、あるいは女性マネージャーの陰謀等々、様々な憶測は飛び交っていたが、全ての原因はこの婆さん副社長の態度にあったことは間違いない。記者が彼女にスマップの敏腕女性マネージャの独立問題(?)について質問すると、突如怒り出した彼女は件のマネ女史を呼びつけ人前で詰問・罵倒。メリーと言うバタ臭い名前にしては余りにもお粗末な態度で、普通はどんなお偉いさんでも会社の内部問題、その真相はどうあれその場を穏便に収めた後で詰問でもなんでもすればいい訳であり、そんな会社の醜態をトップが、特に芸能と言う人気稼業分野ならば絶対に明らかにすべきでは無いのだが、婆さんだけに堪えると言うことが出来ない、と言うよりも自身が権力者だと言うことを世間に見せつけたい...という誘惑に勝てなかったということなのことだろう。これによってスマップという稀有な存在はすっ飛んでしまったわけだが,一方のアベちゃんは世間を丸め込みつつ、霧消することもなく悠々と楽しんでいる。悲しい日本の現実がここにはあるのです。

 
まあそんな騒動は別にして、スマッピーズのアルバムはまだカタログに載っているはず、時間があればこちらの音聴いてみてはどうですかね...。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さんをお迎えして「ジャズトーク」】

M1 Well You Needn't  / Thelonious Monk

M2Bemsha Swing / Thelonious Monk

M3Rhythm-A-Ning / Thelonious Monk

M4「ハートブレイクヒル / 山中千尋」

6月17日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2017.06/16 番組スタッフ 記事URL

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【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.362~台湾取材旅行】

 今年もまた6月の初めに一週間ほど恒例の台湾取材に行ってきた。もう16年以上続いている台日友好促進特番『21世紀の台湾と日本』(6月25日&11月23日放送予定)の収録取材。今回は台北市と台湾第3の都市=台中市が主な取材先だった。今回の取材もまた予定経費を大幅オーバーと言うトホホな取材だったが、と言うのも直前にタイアップ航空会社の方針変更(マスコミタイアップは今回は無し)により、当初目論んでいた取材費は大幅アップ。しかし出発までの時間も残り少ない上に、これまでの付き合いの関係もあり、今回は泣く々この航空会社に決めたのだが、もうその時点で経費オーバーは決定的、又々つらい取材になってしまった。その上今回は交通事故の後遺症と言う大きなハンディも抱えての不安な取材、また朝早くから夜までロートルのぼくの体力が持つのかも心配の種。そしてまた番組開始10数年では初めてとなる、2回放送分の取材を一度に行ってしまうと言う無謀な試み。まさに三重苦状態だけに出発時の気分は相当に重いものだったが、台北・桃園空港に降り立ってしまえばカラッと晴れ渡った台北の青空のように、後は野となれ...と言うことで落ち着きも出て来て、特番2回分を1週間で収録してしまう離れ業取材も、どうにか完遂出来た。

 ところでここ数年我々番組スタッフ(3人)は羽田(東京)~松山(台北)空港と言う大変楽な経路での台北入りがほとんどだったが、今回はわざわざ成田~桃園空港と言う数年前までの公式ルートで台北市に入った。と言うのも今回の取材の大きな目的の一つが、数か月前に完成したばかりのMRT(地下鉄)桃園空港線を紹介すること。もう長い間いつ完成なのか...とされていた桃園空港線、空港と台北市を45分ぐらいで結ぶという、この画期的なMRTのようやくの完成(出来ると言われてから既に数年は経っているはず)は、台北市民だけでなく我々にも大歓迎で、MRTに乗り込んだ山本アナの声も弾んでいた。この中継の模様は6月台湾特番のオープニングを飾ることになっている。

 そしてこのMRT紹介と共に6月放送の方は、台北市でこの8月に開催されるユニバーシアード台北大会にも焦点を当てている。中国の圧力もあり国際的な条約、協定締結やスポーツ・文化大会の開催などが困難な台湾にとって、この国際的スポーツ大会の開催は大きな意味を持つもの。それだけに大会事務局のお偉いさんも東京オリンピックにも並ぶとその意義を強調、東京との協力関係を強く望んでいた。このユニバーシアードの参加資格、日本では当然大学生だけだが台湾の場合にはもう少し広く、あの卓球の愛ちゃんの旦那さんや、世界ランク一位の20代後半の女性バトミントン選手なども含まれるかなり強力な布陣。台湾の力の入れようも良く分かるのだが、台北市民の盛り上がりはいま一つと言った感じは否めない。

 一方11月放送分の方は台湾で最も住みたい街と言われる、台中市にスポットを当てた内容。来年開催される花博や市のランドマークとなるオペラ劇場(伊藤豊雄設計)などをリポート。台湾の中でも最注目のやり手市長と言われる林佳龍台中市長も番組に登場、花博への期待などを語ってくれている。この台中取材で我々が最も驚きそして感激したのは「宮原眼科」。眼科がどうした...と言われるかも知れないが、これは戦前の宮原眼科をリノベーションしてスイートの店に仕立て直したもの。その豪華な佇まい、内装など一度は見る価値ありで、台中訪問の折には是非...。

 まあ2回とも内容充実の愉しい台日友好協力特番になるはずだが、今回の取材でなにより良かったのはまずは天候。どこも晴れ続きでその点ではすこぶる快調。そして第2がホテル。台湾観光協会の尽力で台北の「アンバサダー」、台中の「ザ・ワン」と言った一流ホテルに泊まれたのは、体調面に不安を抱えていただけに何よりの幸運だった。そしてラストの夜に泊まった「福容ホテル桃園エアポート・アクセスA8」。MRTの桃園空港線の停車駅すぐ隣に立っているこの新しいホテル、何と温泉を掘り当ててこれが自慢の一つ。台湾取材ラストの夜は北投温泉の日帰り施設で一浴するのが恒例なのだが、今回はホテルでじっくりと温泉に浸たれる、こんな贅沢はありません。交通事故後遺症の首の痛みもある程度解消出来たようです。

 そしてもう一つ、もしかしたらこれが今回最高の幸運だったかも知れないが、通訳兼コーディネイター役のセンニちゃんこと徐さんと出会えたこと。この秋には日本人と結婚、日本に住むことになる彼女は、台湾大学の日本語学科を卒業、早大大学院に留学し日本語を学んだという才媛。実に可愛いらしい女性(容姿・しぐさ・性格等など)で、スタッフ全員が彼女の直ぐにファンになってしまったが、控えめでいながら仕事も早く熱心、通訳としての実績は余りないが、これまで台湾特番で付き合ってくれた通訳さんの中でもピカ1とも言える存在。彼女の献身的働きが無ければ今回の取材もスムーズに運ばなかったはず...と、取材スタッフの実質上のボス、ミス・エミリー~翠恵美子女史も感慨ひとしきりだった。このコラムを読んだ方で、中国語の通訳・翻訳を探しておられる方にはお薦めの美形才媛。7月からは日本在住と言うことなので、仕事を依頼してみたらどうでしょうか...。何かあればマネージャー役のミス・エミリー迄。そして当然ですがこの「台日友好特番」も是非聴いてみてください。台湾でも大人気の渡辺直美など豪華ゲストも登場、台湾関連では老舗番組の貫禄充分な内容と自負しています...。

 さて日本に戻ってきた次の日、またFM東京の系列局「ミュージック・バード」のジャズ番組にゲスト出演することになっていたので、台北が世界に誇る誠品書店のCD売場で、台北で話題のジャズアルバムを数枚買い求め、その中から気鋭のテナーマン、謝くんのアルバム『フェアリー・パス』を番組では紹介させてもらった。透明溢れる好アルバムでリスナーの反応もなかなか良かったようである。目出度し目出度しなのです。この台湾ジャズ事情についてはまた回を改めて紹介してみたいとも思います。乞うご期待!
【今週の番組ゲスト:OMDのベーシスト増原巌さん・トランペッターの市原ひかりさん】
1stアルバム「Chamber Music」から
M1Indigo Blue
M2 I Can't Live Without It
M3Too Shy To Say
M4Be My Love

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パーソナリティ

山本 郁
やまもと かおる

新潟テレビ21アナウンサー・ラジオNIKKEI契約アナウンサーを経てフリーに。
ニッポン放送では『高嶋ひでたけのお早う!中年探偵団』最後のアシスタントをつとめた。
ラジオNIKKEI『聴く日経』、『テイスト・オブ・ジャズ』のパーソナリティー等。

新しい一週間の始まりにお耳にかかれて光栄です!!
今聴いて下さっている“あなた”をマイクの向こうに意識して価値ある情報を、正確に分かり易くお伝えします。

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