番組紹介

ラジオNIKKEI第1 毎週土曜日 22:00~22:30

45年超の歴史を有する、民放ラジオ最長寿級のジャズ番組。進行役は、フリーアナウンサーの山本郁。毎回ミュージシャン、シンガー、ジャズ関係者などをスタジオに招き、そのゲストにゆかりの曲をかけてジャズ・トークをお届けします。

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5月28日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2016.05/27 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.307~最近のPIストーリー】

  この4月から番組では毎月最終週のこの時間、ジャズ評論家の青木和富氏にジャズのお勉強と言うタイトルで、20世紀最高のポップミュージック~ジャズを体系的に見直してみようというシリーズ企画をお願いしている。ジャズの歴史を振り返りつつ、これからのジャズも見据えていこうと言うジャズ教養講座(と言っても決して堅苦しい内容ではありません)なのだが、今回はその2回目。初回がジャズの誕生からシカゴ、NYへと進出した辺りまで、そして今回は「スイングトゥバップ」と言うことで、いよいよモダンジャズのとば口へ到着ということになった。狂乱の20年代から30年代、スイングジャズ全盛期のキング、ベニー・グッドマンをはじめグレン・ミラー。更にはスイングからビバップへの移行期の代表的プレーヤー、夭逝したギタリスト、チャーリー・クリスチャン等々、様々なミュージシャンが登場する。このジャズのお勉強、ぼくにとっても思い返すこと、知らなかったことなど数々あって、結構ぼくにとってもお役に立つ講義なのだ。と言う訳でこのお勉強に是非皆様にもお付き合い願いたいと思っている。

 まあ番組はこんな感じだが...、このところハードボイルド系PI(私立探偵)ものの小説や映画などで、かなり面白いものがいくつか出て来ているので、久し振りにそこら辺から紹介してみたいと思う。わが国のハードボイルド探偵小説としては、現在は札幌在住の東直己(大のジャズ好き)が一人気を吐いている感も強い。彼には酔いどれの「名無し探偵」と、かなり生真面目な本格派探偵~畝原ものの2シリーズがあり、松田龍平が出演しかなりヒットした探偵シリーズ映画は酔いどれ探偵の方。この他にも大田忠司など何人か頑張っている人もいるのだが、如何せん衰退状況は否めない。そこで全く違うタイプの探偵ものとして登場したのが、北川景子主演でTVドラマ化もされた「探偵の探偵」。松岡圭祐の書いたこの探偵ものは、タイトルどおり興信所所属探偵の非行を暴く探偵。DV被害者の身元を暴露など、実社会でもこの手の探偵の悪行がニュースにもなっているだけになかなかに興味深いし、良い所に目をつけた感じもある。主役は紗崎玲奈という女探偵。女と言うところもミソで、TVドラマは見ていないが小説は久々にスリリングで面白かった。このシリーズ4巻で収束。

 そしてビデオでは少し前に出たリーアム・ニールソン主演の「誘拐の掟」が秀逸。これは人気ハードボイルド作家、ローレンス・ブロックの私立探偵マッド・スカダーものの映画化で、監督は名脚本家としても知られるスコット・フランクの監督デビュー作。その演出・映像共にハードボイルドの頂点を極めた素晴らしいものとしてお勧めしたい。このリーアムのマッド・スカダーに唸らされていたら、もっと凄い傑作があった。アメリカのTVシリーズの「トゥルー・ディテクティブ」。ウディー・ハレルセンとマシュー・マコノヒー、この実力派・個性派2人がタッグを組むハードボイルドもの。ビデオ屋でそのチラシを見た時、これは傑作と言う予感がしたのだが、それを超える様なまさに素晴らしい逸品だった。全4巻でエピソードは8話。舞台はアメリカの暗部とも言える南部ディープサウスのアラバマ州辺り、バイヨーとも言われる湖沼地帯がメインで、この舞台設定からしてスリリング。主演の2人はこの地域警察でタッグを組む刑事。なんだタイトルと違っていま日本でも大うけの、ぼくにとっては余り好みでない刑事ものか...、と思ったらラストの第4巻、エピソード7から、2人は警察を辞めPI(私立探偵)として迷宮入りの事件を追い、傷つきながらも解決すると言う、なんと20年近い歳月が経過するワクワク・ドキドキのハードボイルドな展開。マシューの方は周囲とは相入れない一匹狼。一方ウディはいかにも南部男と言った、いささか粗野だが感情豊かな刑事。南部だけに悪魔教、幼児虐待・殺害などの暗い事件がベースで、NYやロス、サンフランシスコなどの大都市アメリカしか知らない(ぼくもその一人だが)日本人に、全く異なった考え・生き方をする(ここら辺が大統領候補としてトランプが進出するにも大きくものを言っているはずだが)、その南部の暗い保守体質。日系の新進監督の作品らしいが良く描かれており、何より主役の2人が素晴らしい。彼ら2人にショーン・ペンを加えた3人。彼等こそ今のアメリカを象徴する実力派で、アメリカ映画の肝とぼくは信じているが、その2人の揃い踏み。悪いはずがありません。大推薦です。
 こうしたアメリカTVシリーズもの、今までは殆ど見ることはなかったのですが、いささか驚だされました。音楽担当はシンガーとして以上にプロデューサーとして注目を集めている才人、T・ボーン・バーネット。自身が歌う主題歌だけでなく挿入されるバック音楽も実にスリリングでグッドです。この「トゥルー・ディテクティブ」、役者や舞台(ロス)も大きく変えたシーズンⅡがレンタル開始になっています。果たしてどんな内容なのか...。マシューとウディ―のPartⅠほど食指は動きませんが、これも見ないとならないですね。
【今週の番組ゲスト:「ジャズのお勉強」先生は音楽評論家の青木和富さん】

M1「HEEBIE JEEBIES」
M2「SUNG SING SING」
M3「FLYING HOME」
M4「SWING TO BOP」
M5「KOKO」 

5月21日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2016.05/20 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.306~グランドピアノ】

 日本のファンが最も好むのがピアノジャズそれもピアノトリオもの、ジャズアルバムで売れるのはもっぱらピアノトリオノアルバムだし、それに伴ってかジャズアルバムが出されるのもまたトリオものがほとんど。こうした傾向は決して好ましいものとは言い難いが、ある意味仕方ない面もある。サックスやトランペットと言うかつての花形楽器は、プレーヤー個々の個性と言うか、まずその出す音自体が人によって千差万別。人間ひとりひとりの生理を写し取ったような、その生音を受け付けないとなると、どんな素晴らしいアドリブプレーを繰り広げたとしても、そのプレーヤーは自分にとって無縁な人と言うことになってしまう。しかしピアノに関して、プレーは様々なスタイルがあっても、楽器の特質として、平均律と言うか...根本の音自体は誰もがさほど変わらない。それだけに音に対する好き嫌いは余り派生しない。そのうえピアノはギターと共に「小さなオーケストラ」とも呼ばれ、それ自身で自立できる(=ソロで成り立つ)表現力豊かな楽器でもある。まあそれやこれやでピアノはジャズ楽器の主力として君臨しているのだと言えそうである。

 
さてそんな圧倒的な人気を誇る楽器~ピアノ、その頂点ともなるのが堂々としたグランドピアノとなる訳だが、それをそのままタイトルにしたアルバムを先ごろ発表したのが、ベテランの伊原康二氏。50年近いキャリアを誇る彼にとって、このアルバムは3枚目のリーダー作となり、純粋なピアニストとしては確かデビューアルバムの筈である。その彼の久々のアルバム発表と言うことだし、彼自身も是非番組に来たいという強い要望もあって、およそ10年振りに彼にスタジオに遊びに来てもらうことにした。かつてのフランスギャング映画の出演者のような強面の風貌の彼だが、根は実に繊細でセンス良い人。

 
元々彼は日本を代表するオルガン奏者で、かつては渋谷でオルガン演奏をメインとした珍しいジャズクラブを経営していたこともある。それだけにその前作も当然オルガン・ジャズアルバムで、これが愉しさ溢れた仲々の出来栄え。ジャズ雑誌でレビューを担当してかなり褒めておいたのだが、その関係で彼と縁が出来、そのお店に行ったりもしたものだった。それから10年余り、今の彼はもうほとんどオルガンは弾かなくなってしまい、専らピアニストとして活動しているのだと言う。その彼のピアノに惚れたある篤志家がスポンサーになり新作が誕生したのだが、いささか残念でもあるが、それもまた仕方ない所だし、このピアノジャズアルバムの出来栄えもかなりなものなので、それもまた良しとすべきなのだろう。現在60代半ばの彼は、80才で現役引退を広言しており、キャリア50年で3枚のアルバム、それについては「ゆっくりと生きて来た証しです」と語ってくれた。引退後は」ファンの皆がたまに思い出してくれれば嬉しいです」と言うことだそうだ。

 
アルバムは「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」など良く知られたスタンダードが10曲で、ラストに自身のオリジナル、インド政府の招きで現地のジャズフェスに出演、その時見た現地リゾート海岸での心象風景を綴った「サイン」が収められている。また3曲でストリングスとの共演もあり、ジャズピアニストとしては大変に嬉しいことだったと言うが、確かにウイズストリングスものを1枚は作ってみたい、と言うのは多くのジャズプレーヤー達の願望。その望みが叶えられたのだから、言うことなしである。面白いことにはアルバム出資者でもある篤志家が、数曲で自身のフリューゲル・ホーンの妙演を披露していること。これが素人はだしの出来栄えで、伊原氏のピアノに輝きを加えている。この関係ジャズにしてはかなり良いものですね。まあそれに倣って、どなたかお金持ちのジャズ好きな篤志家の方が、我が「テイスト・オブ・ジャズ」のスポンサーとして、名乗りを上げてくれませんかね。こりゃいささか虫が良すぎですかね、失礼しました。
【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストの伊原康二さん】
M1「These foolis things」
M2「You go to my head」
M3「sign」
M4「Fly me to the moon」

5月14日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2016.05/13 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.305~信濃追分16春景色】

 GWは例年通り追分の山荘で過ごした。4月28日から5月7日まで10日ほど、結構長くいたものだが、8日は山下新監督の新生早稲田ラグビー部の大事な初戦が早稲田上井草グランドであり、これは是非見ないとならない試合。山荘での用事を切り上げ、泣く々7日の夜中に帰京した次第だった。このGW期間、軽井沢~追分もさすがに車も混んでおり、この間軽井沢の街に出たのは、しなの鉄道の中軽井沢駅の上にある軽井沢図書館(全国でも有数の好図書館で、館長は元NHKアナで朗読家の青木裕子さん)に本を借りに行ったのと、大賀ホールでこの夏のお盆の日(ぼくの誕生日でもあります)に行われる堤剛のバッハ無伴奏チェロ組曲の全曲演奏会の前売りチケットを買い求めに行った2回だけ。大賀ホールは軽井沢駅の近くだけにかなりな混雑具合、チケットを入手したら早々に引き上げてきたのだが、このGW混雑も一昔前に比べたら雲泥の差。以前は全く車など動くあてもなかったのだが、今はそんなことも無く軽井沢も駅南口の有名なアウトレット以外はさしたる混雑も無い。軽井沢の象徴とされた旧軽銀座もさしたる混雑も無かったと聞くし、全く人の動きが変わってしまったようで、これもまた時代の流れなのか...


 
さてその堤剛のバッハ無伴奏チェロコンサートだが、いつもは音楽会チケットを買うなどと言うことはほとんど無く、これも大賀ホールの支配人に無理に頼み込めばどうにかなったかも知れないのだが...、誕生日と言う記念日コンサートだし、以前大賀ホールで世界的チェロの名手、ヨー・ヨー・マがやはり無伴奏をやると言うので、発売日に予約を入れたのだが発売数分で数万円の席は売り切れ完売...と言う苦い経験もあって、今回わざわざチケットセンターに出向いたという訳。この無伴奏コンサート、全部で6つあるバッハの無伴奏チェロ組曲を、一日で全曲演奏すると言う、かなり大胆にして無謀とも思える企画。名手堤剛にしても体力・気力ともに全てを使い切る大仕事なのだが、それに果敢に挑戦したその意気込みを評価,これは是非ものの必聴コンサートだと今から大いなる愉しみで、この夏のぼくにとっての追分一大イベントにもなっている。

 
そしてもう一つの軽井沢イベントと言えば、やはり「軽井沢ジャズ・フェス」。このジャズイベントについてはこれまで数回このコラムでも紹介してきたが、これを立ち上げた伊藤八十八(やそはち)くんが一昨年惜しくも亡くなってしまい、昨年は奥さんがそれを受け継いで街イベントとして実施。今年もまた彼女がヤソさんの遺志を継いで実施することになっている。イベントの構成は古くからのぼくの友人で、フジTVお笑い路線を確立した立役者の高平哲郎氏。今年は彼の進言で7月30日の日曜日一日限りの公演になったのだが「ぐっと充実した内容にするから期待してて...」と言う高平氏の言。そこで今度伊藤氏夫人と高平先生にスタジオに来てもらい、ジャズフェスの話や伊東氏のジャズ業績・その思い出などを、2人に語ってもらうことにしている。皆様も楽しみにしていてください。

 
ところでGWの追分山荘暮らし、これまでだと亡き我がバカ犬ピーちゃんを連れて、御影用水の畔の小道から森の中の遊歩道など毎朝一時間ほどの遊歩が日課だったが、連れがいないとこれが億劫で一度も散歩に出なかった。持病の糖尿病には良くないのは判っているのだが、意志薄弱だけに足が動かず、反省しきりである。今年の収穫は我が山荘の庭を闊歩するつがいの雉の親子3羽を早朝に見かけたこと。雉自身は時々見かけるし「ケーン・ケーン...」と言う甲高く鋭い鳴き声も良く耳にして、犬に襲われなければ...などとも心配してしまうのだが、その朝は鳴き声が異様に近くで聞こえうるさい感じ。これはすぐそばにいるのかと窓から見ると、なんと3羽も庭を歩き回り鳴きかわしており、その雄雉の立派さにしばし見とれてしまった。少し経つとこの家族いずこかに消えてしまったが、森の中に家も多く道路もあって車も通るだけに心配一入だった。だがまあどうにかなったのだろう。彼等を見れて何かホッとするいい想いがしたのも事実だった。そういえば以前サルが2匹屋根で寝そべっていたこと、シカが庭を横切って行ったこと等も思い出され、一寸した追分山荘動物交遊録でもある。

 
山荘では相も変わらずCD整理を行っているがこれも遅々として進まない。このGWで良く聴いたのは、チケットを買ったバッハの無伴奏チェロ組曲。今は亡き名匠シュタルケルの鋭く激しい演奏が最もフィットしたが、ジャズサックス奏者としても知られる、清水靖晃のサックス無伴奏によるこの全曲、かつて大きな話題を呼んだサックスソロによる全曲アルバムも、改めて世界に誇るべき素晴らしいものだと思った。まあいずれにせよ仲々にいいGWでした。
【今週の番組ゲスト:ヴォーカリストでフルーティストの若生りえさん】
M1「Tea For Two」
M2「CUTE」
M3「きっと青い空」
M4「The Gift」


5月7日の「テイスト・オブ・ジャズ」

2016.05/06 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.304~香港の歌手兼ブランド社長】

 外国人と外人。どちらも日本国籍を有していない人と言った同じ意味の単語だが、ぼくの中ではこの2語、微妙に違っているのである。外国人は文字通りの日本国籍以外の人だが、一方の外人さんとは、日本人を含む中国・台湾・韓国など東アジア地域の人達~いわゆるモンゴロイド系を除いた他の人達、特に欧米の白人が中心で、それにアフロ・アメリカンや中南米、中近東等々の人達と言ったイメージが強い。これはひとえに、ぼくが「ギブ・ミー・チョコレート」で育ったロートル世代からなのかも知れないが、やはり外人と言うと、白人そして黒人を思い浮かべると言うことになってしまう。

 
さてそんな外人さんだが、最近スタジオに遊びに来ていないなーなどと考えていたら、是非番組に登場したいと言う申し入れがあった。と言ってもその本人から直接では無く、とあるレコード会社を通しての申し入れだったが、ある条件を飲んでくれればと言うことで喜んでOKした。その条件とは通訳を手配すること。今までは通訳と言うと、ラジオ日経きっての英語使いの才媛、帰国子女のⅠ女史にお願いして来たのだが、彼女も役員さんに昇格、そんなお仕事はやってられませんということで、自力で見つけなければならないのだが如何せん予算はゼロ。さすがにこれだけはノーギャラでは頼めない。通訳問題、そこら辺も外人さんの登場がこの所少なくなっている一因なのだが、今回は通訳をレコード会社が手配すると言う。それならばと言うことで直ぐに決定。その当人がスタジオに現れた。

 
ブリジット・ミッチェル。スタイル抜群の歌姫である。それもその筈で箇所にしてファッションモデル、更にファッションブランドオーナー、女社長でもある。南アフリカ、ケープタウン出身の彼女、同地で育ちそこでプロ活動、同時にファッションセンスも生かしての仕事も始めたという。ただいささか仕事にも飽きてきてこれからどうしようか...と考え、気分一新、大好きな香港に行き、そこでまた新たにファッション関係でも...と思っていたところ、現地の実力派音楽プロモーターと知り合い結婚。彼のおかげでデビューアルバムを吹き込むことになり、これが南アフリカの権威ある音楽賞を受賞。その勢いに乗じて今度は旦那のつてでアメリカの有力ミュージシャンやブラジルのトップミュージシャンによるセッション(ロスとリオデジャネイロの2か所でのセッション)を収録。新作『レッツ・コール・イット・ラブ』を発表、そのプロモーションを兼ねて日本に遊びに来たという次第。

 
香港という都市は世界の商業の中心でもあるだけに、音楽の世界でも結構有力なプロデューサーがいて、彼女の旦那もその一人。そのおかげでラッセル・フェランテ等のトップスタジオミュージシャンが集結、かなりな素晴らしいセッションが実現することになり、リオの方も実力派が集うことになった。曲はロスが6曲、リオが4曲。いずれもアントニオ・カルロス・ジョビンのボッサナンバーかボッサタッチの軽めのナンバーが中心。それを彼女はキューティーボイスでスタイリッシュに歌いこなしており、魅力的な仕上がりになっている。ただそれだけでは無くさすがに女社長。ぼくも大好きなアビー・リンカーンの「スロー・イット・アウエイ」を彼女なりに歌いこなしているのだ。あまり取り上げられないこの素晴らしいナンバーの作者にして最高のシンガー、アビーと言う女性は、主張する黒人女性シンガー。その彼女がビリー・ホリデイに捧げたナンバーで、黒人女性の苦しみ・悲しみ・ほのかな希望などが歌い込まれたメッセージ性の強いナンバー。それをあの南ア出身の白人女性シンガーが取り上げる。そこには彼女の主張も垣間見られ、興味深いものがあり、ぼくもこの選択で彼女のことが直ぐに好きになってしまった。
 そういえば香港のあの世界的なクラシックレーベル「ナクソス(一時はジャズも取り上げていたが...)」の社長夫婦、山の上の豪邸に招待されたあの夫婦は今どうしているだろうか...、と懐かしく思い出されたし、香港特番も最近ついぞやっていないなーなどと余計なことも考えてしまった一時でした。有難う 美しきブリジット。

【今週の番組ゲスト:香港を拠点に活躍するジャズヴォーカリストBrigitte Michellさん(通訳:和田麻衣子さん)
M1「Meditation」
M2「Throw It Away」
M3「Lost In The Memory」
M4「Once I Loved」

4月30日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2016.04/29 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.303~ジャズのお勉強①】

 以前にこのコラムでも少し書いたのだが、この4月から番組では毎月最終週に「ジャズのお勉強」と言うことで、少し体系的にジャズを学び直す~ジャズ史を振り返りながらジャズを見つめ直す、ジャズのお勉強企画をスタートさせることにした。一応今年いっぱい全部で9回の放送で、ジャズのスタートから今の新たなジャズ状況までを見て行こうという新たな試み。20世紀の大衆音楽(ポピュラーミュージック)を牽引、その全てに大きな影響を与えたジャズと言う音楽。それが今世紀に入りどう変化、深化していくのか...。今もう一度見直す必要があるのでは...と考えてこの企画を実施することにした。ジャズ講師はぼくと同世代のジャズ評論家で話も面白く見識も広い青木和富氏。

 
下町=門前仲町の老舗煎餅屋の息子として生まれ育った彼は、確か高校生時代にジャズに開眼。早稲田大の理工学部で学んだなかなかの秀才だが、大学を出て程なくジャズライター家業を始めた...と言う異色の経歴。理数系出身だけにメカにも詳しく、芸術にも精通しているという万能型。知り合って30数年だが、一緒に飲んで議論したりするとその見識の広さ、深さに感心させられることしばしば。ただ少し短気な所がたまにキズか...。

 
その和富氏(かずとみし)は、名前から「わふう」と呼ぶことも多い。数年前に別荘だった富士山麓(河口湖そば)鳴沢村の方に住まいを移し、東京での仕事やジャズライブなどの折には、そこから高速バスに乗って2時間ほどはるばるやって来る。いやはや大変な労力で、ぼくも追分山荘住まいを薦められたが、東京に出る労力を考えるだけでも二の足を踏んでしまう。それだけにこの「ジャズのお勉強」企画、彼に頼むのはどうかな...と悩んでいた。と言うのも再三触れているように、当番組の出演者はノーギャラ原則でボランティア出演だけに、頼みづらいうえに富士山の麓からのお越しとあっては、流石のぼくでも頼みにくい。それとなくその話を振ってみると、前々からの知合いだけに番組事情も知り尽くしており、どうにか承諾を得ることが出来た。感謝・感謝である。その代り収録終了後には酒を奢る等々、何らかお返しをするということで納得してもらった。

 
その第1回目をスタジオ収録した。ニューオルリーンズの有名なコンゴ広場でのジャズ誕生逸話から世界初のジャズ録音(SPで音は悪い)、ジャズの神様~サッチモことルイ・アームストロングのスキャット歌唱、そして狂乱の「ローリング20(トゥエンティーズ)」に象徴されるスイングジャズ全盛期まで、40年以上の歴史を30分で一挙にお送りしようという、余りにも欲張った無謀な企画で、わふう氏も初回だけに力が入り、余りにも詰め込み過ぎの嫌いもあり、ドタバタで終了してしまった。それでもどうにかモダンジャズ前史は俯瞰出来る内容だった。次回はスイングからモダンジャズの移行期、スイングトゥバップ期の演奏を取り上げる予定で、講師も張り切って富士山の麓から出勤する。
 「ジャズをあまり堅苦しく考えないで、愉しみながらお勉強を皆さんとしていきたい~ぼく自身の勉強にもなるので~と考えていますからこれからもよろしくお付き合いください(わふう氏)」。いよいよジャズのお勉強が始まります。特にテストもない気楽なもので、今まであまり紹介されなかった音源等も登場するはずですので、わふう氏ともどもよろしくお願いしますね。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん
「今月から毎月最終放送日には音楽評論家の青木和富さんにジャズの歴史や豆知識などお話し頂く「ジャズのお勉強」をおおくりします。」
M1「DARKTOWN STRUTTERS' BALL /  ORIGINAL DIXIELAND JAZZ BAND」
M2「HEEBEE JEEBIES / LOUIS ARMSTRONG and his HOT FIVE」
M3「JAZZ ME BLUES / BIX BEIDERBECKE and his ORCHESTRA」
M4「THE MOOCHE / DUKE ELLINGTON and his ORCHESTRA」
M5「WHAT A LITTLE MOONLIGHT CAN DO /  TEDDY WILSON and his ORCHESTRA」
M6「LESTER LEAPS IN / COUNT BASIE'S KANSAS CITY SEVEN」
  


4月23日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [「テイスト・オブ・ジャズ」プログラム情報]

2016.04/22 番組スタッフ 記事URL

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.302~ジャージーハワイアン】

 
このところのご婦人方のフラダンス熱、なかなかのものでそれに伴いハワイアンも見直されつつあるのだと言う。常磐ハワイアンとフラガールズ、または「アロハ・オエ」「カイマナヒラ」位しかハワイアンの知識のない浅はかな男だが、ハワイ在住のハーブ・オオタがウクレレでジャズを演奏したり、「スティール・ギター・ジャズ」なんてアルバムが30年以上前に出されていた...というジャズとハワイアンの接点については僅かながら知っている。だがどうもジャズとハワイアン、この2つは最も離れた所に位置するポピュラーミュージックだという考えが、ぼくの中には根強い。確かに最近のハワイアンと言うのは段々ポップス化していることは、誰かから教えられた覚えがあり、最近では早稲田大の名門音楽サークル~ナレオハワイアンズ(通称ナレオ)が、あの正統派のハワイアンナンバーをほとんど取り上げず、もっぱらポップスバンドになっているとも聞いた。今や音楽ジャンルの壁などはどうでもいいんだ...と言った感じも強いので、こうした傾向は至極当然なのかも、などと考えていた。
 
 その矢先、レギュラーレビューアーを務めているジャズ雑誌から、ハワイアンアルバムのレビュー依頼が来た。なぜジャズ雑誌がハワイアンを...、などと思いながらアルバムを聴くと、これがジャージーでいい感じのアルバム。そこでレビューでは「心和むいい感触のジャージーハワイアンアルバムで、かなり評価出来るのでは...」と記しておいた。かなりジャズっぽい感じもあるので、誰がアレンジを務めているのかと気になりクレジットを見ると、あの北島直樹。長い間寺井尚子の音楽監督的役割を果たして来た彼とは、5年ほど前に彼のアルバムプロデュースを手伝った関係もあり周知の仲。そこでハタと気が付いた。彼のコンサートで挨拶された安部よう子さんという女性。彼女はフラダンスクラブのお師匠さんで「想いでの歌を歌う会」という歌唱グループのお師匠さん(多くの会員がいるクラブ)。更に彼女は北島氏の奥方でもある方だった。その安部よう子さんが今回初めて出したアルバムのタイトルは『ウエリナ』。愛しいと言った意味合いで、彼女のハワイに対する愛しさが全編に溢れており好感が持てるもの。

 
 そこで彼女とご主人の北島氏に連れだって、スタジオに遊びに来てもらうことにした。こうしたラジオ番組は初めてと言う彼女は幾分緊張気味だったが、色々とハワイアンそしてジャズなどについても楽しげに語ってくれた。
 
元々はジャズ歌手としてスタートした彼女だが、結婚を機に歌手活動を休止、フラダンスを習いはじめてメキメキ腕を上げ、多くの生徒さんを抱えるお師匠さんになり、本職の歌の方も「想いでの歌の会」で生徒さんに歌唱を教えることになり、その結果今回ハワイアンのアルバムを初めて世に問うことになったと言う。そしてその伴奏とアレンジはもちろん旦那の北島氏。夫婦手を取り合ってのアルバム完成と言うこととなった。「フラヘブン」などの典型的なハワイアンナンバーから「フォー・センチメンタル・リーズン」等のスタンダードソング、そしてラストはお別れの歌「アロハ・オエ」まで12曲、ハートウオーミングでチャーミングな歌唱を聞かせてくれる。懐かしい「南国の夜」もボサノバで歌唱するなどの趣向も入ったこのアルバム、ジャケット写真も彼女自身が撮ったもので、ハワイの美しいサンセットが写し出されている。

 日頃はほとんど接することのないハワイアンだが、彼女の歌声を聴いていると実に心地良く夢見の世界へと誘われる。これもまた仲々に良きものですよ。

【今週の番組ゲスト:シンガーの安部よう子さんとピアニストの北島直樹さん
M1「HULA HEAVEN」
M2「HANALEI MOON」
M3「FOR SENTIMENTAL REASONS」
M4「ON A TOROPIC NIGHT」
M5「ALOHA OE」


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パーソナリティ

山本 郁
やまもと かおる

新潟テレビ21アナウンサー・ラジオNIKKEI契約アナウンサーを経てフリーに。
ニッポン放送では『高嶋ひでたけのお早う!中年探偵団』最後のアシスタントをつとめた。
ラジオNIKKEI『聴く日経』、『テイスト・オブ・ジャズ』のパーソナリティー等。

新しい一週間の始まりにお耳にかかれて光栄です!!
今聴いて下さっている“あなた”をマイクの向こうに意識して価値ある情報を、正確に分かり易くお伝えします。

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