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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.161~ジャズ・ヴァイオリン~】


 今日はまず先週の「あまちゃん」情報の続報から...。今やっている東京編だが、作曲の大友良英が率いるビッグ・バンドのメンバーに何と、佐々木史郎、梅津和時、鈴木広志、青木タイセイ、水谷浩章等々、凄いメンバーが参加しているのだと、レコード会社から教えられた。日本の誇る凄腕が揃っており、これだけでも充分劇版(あまちゃん)音楽が楽しめそうだ。 と言う事で本題に...。

 当然のことだがジャズの楽器にも、その時代の移り変わりで人気の変遷がある。まず最初はトランペットで、この楽器がジャズを象徴していた時代は長いし、モダン・ジャズ時代でも帝王マイルス・デイビスの存在によってトランペットは光り輝いていた。しかしモダン・ジャズの全盛期の花形となるのは、コルトレーン、ロリンズ、キャノンボールなど、時代をリードする天才達が吹いていたサックスと言う事になるだろう。そしてその後を受け、今でもジャズのメイン楽器となっているのがピアノで、我が国ではピアノ・ジャズ以外にはほとんど売れないと言った、いささか寂しい状況もある。以上の楽器にギター、ベース・ドラムと言ったリズム楽器を加えれば、ジャズの要所は出そろった感じ。この他にもオルガンやフルート、バグパイプ、アコーディオンなど様々な楽器がジャズ・シーンを彩っているが、最近急激にクローズアップされてきたのが「ジャズ・ヴァイオリン」である。

 このジャズ・ヴァイオリン、クラシックではお馴染みの楽器だけに、ジャズでも歴史は古く、ステファン・グラッペリーやジャン・リュック・ポンティなどと言った名手が有名だが、この2人その名前から判るようにフランス人で、彼らに象徴されるようにこの楽器は欧州のプレーヤーが多かった。そんな状況を打破し、日本の多くの音楽ファンにこの楽器の魅力を強烈に印象付けたのが、寺井尚子だった。彼女の出現によって、音楽学校のヴァイオリン専攻の女の子達もジャズに転向することも多く、一躍花形楽器となるのだった。

 そんな女性中心のこのジャズ・ヴァイオリンの世界で、今注目の若手と言うよりも中堅的存在だが,それが北床宗太郎である。ジャズ・ヴァイオリンの貴公子と言う呼び名もある彼は、大学のジャズ研に入ってヴァイオリンに出会うと言う異色の経歴の持ち主だが、その後セッションを重ね実力を伸ばし、今やジャズ・ヴァイオリンの中心的存在に成長している。そんな彼が今年の春初のリーダー作を発表、そのアルバムを持ってスタジオに遊びに来てくれた。

 『ナイト&デイ』と言うアルバムは、スタンダードやラテン、そしてジャズ・ヴァイオリンの大きな要素になっているジプシー系ジャズ~今はマニューシュ・ジャズと言う名称だが、これらを総合した素敵な内容になっている。スタジオには自身のヴァイオリン持参で来てくれて、番組の終わりでそのソロ演奏を披露してくれている。女性陣の中で孤軍奮戦している北床君。これから更に注目を浴びること間違いなしです。

【今週のゲスト:北床宗一郎さん】初リーダーアルバム『NIGHT & DAY』から
M1「NIGHT & DAY」
M2「I'll wait you for」
M3「A Dream of Gypsy」
M4「赤とんぼ」の4曲と生演奏で「L-O-V-E」をお届けしました。

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