お知らせ:

テイスト・オブ・ジャズ

番組へのお便りはこちら
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜23:00~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.456~コテコテ・ジャズ入門】

 新年度、新学期がスタートした。4月初めのこの時期は、我が街=国立のメイン通り(大学通り)が満開の桜に覆われる1年で最も美しく華やぐ活気溢れる時期でもある。まあこんなロートルのぼくでもこの時期はお花見などで街に繰り出すことも多く、何かと心浮き立つ季節でもある。

 
さて我がジャズ番組「テイスト・オブ・ジャズ」、毎年4月第1週はジャズメン、ジャズライター、ジャズディレクターなど様々なジャズ関係者をゲストに招き、それぞれの方達のジャズ入門を語ってもらっているのだが、今年招いたのはジャズライターの原田和典氏。大分以前に「ジャズ批評」と言う専門誌の編集長を務めていたこともある氏は、コテコテと言う新ジャズ用語(?)を編み出した張本人でもある。
 
このコテコテとは一言でいえば黒っぽさの度合いを表すもので、コテコテ度高いアルバムとなると、脂っこくねちっこい真っ黒なソウルフルアルバムということになる。となれば必然的に楽器はオルガンと言うことになるのだが、原田氏はこのほど「コテコテ・サウンド・マシーン」と言う音楽本を出したばかり。そこでこのコテコテ本を中心に「コテコテとは何か...」等、彼の視点でのジャズ入門を教示してもらうことにした。

 この本には元祖コテコテ男とも言うべき黒人エンターテイナーの代表格、ルイ・ジョーダンを皮切りに、ジミー・スミスやジャック・マクダフンなどのオルガン大御所、更にはサム・レイザー、ガス・プールなどぼくも初めて名前を聞くようなコテコテ男迄、全部て100名、100枚のコテコテ作品が紹介されている。面白いことにはその関連作品と言うことでエノケンから現在活躍中の黒人ラッパー迄、1作品につき関連アルバムが2枚づつ紹介されており、この本で取り上げているアルバムは300枚。そのどれもが他のジャズ本には無いユニークな視点で取り上げられており、興味が尽きないしその関心の多岐に渡る有様、全く頭下がる想いである。
 
そしてもう一つこの本の売りは、それぞれのアルバムにつけられた5、7調のキャッチフレーズ。例えば「一石二鳥ラッパホンカー吠えまくり」や「義兄弟縄張り超えて和気あいあい」など、そのアルバムの特徴をきっぱりと表しており実に面白い。彼もこのフレーズを考え出すのが、今回最も大変な作業だったとも語っている程。

 それにしても彼の目配りの凄さ。ジャズだけでなく、ソウルやR&B、ラップ、ビップホップなどの黒人音楽から何と和製ポップス迄、縦横に語りつくす(歌謡曲評論もやっている)その剛腕、最近は有名DJに弟子入りしてコテコテマンとしてクラブDJも始めたとも聞く。凄い頑張り屋でもある。
 
そんな彼が番組に持参した入門アルバムは別項のとおりだが、入門と言いながらも実にマニアックでコテコテそのもの。ユニークで興味深い好人物なので、番組でもまた是非遊びに来て欲しいと思っている。そして音楽本「コテコテ・サウンド・マシーン」はあの「スペース・シャワー・ネットワーク」の出版部から定価2500円で出されている。決して高いお買い物では無いので、是非皆様もお手に取って見られたらどうだろうか...。お勧め本として推薦します。

【今週の番組ゲスト:
ジャズライター・ジャーナリストの原田和典さん】
新年度最初の放送なので、ジャズ業界の先輩からのジャズ入門アドバイスを頂きました。
原田さんの最新著書の『コテコテ・サウンド・マシーン』からもご紹介頂きましたよ

M1what's Goin' On/Ain't No Sunshin   /   BERNARD PURDIE
M2Love Is Blue / RUFUS HARLEY
M3New York City / APHROTEK
M4I'll Catch The Sun / 藤原清登」


お知らせ

お知らせ一覧