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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.90~話題のジャズ・ボーカル~】

 今年初頭のジャズ~ジャズ・ボーカルの話題は、やはりあのポール・マッカートニーのアルバム『キッス・オン・ザ・ボトム』になるだろう。ポールと言えばジョン・レノンとのコンビで書いた“ビートルズ”の名品の数々は,サラーヴォーンなど多くのジャズ・シンガーが取り上げ、アルバムも作っており、それらはまさにニュー・スタンダードとも言える位置づけになっている。そのポールが今度は初めて正真正銘のスタンダード・ソングを歌うアルバムを発表したと言うのだから、世界中で評判になるのは至極当然なこと。

 ロックやポップス、そしてカントリーといったジャンルの違うシンガー達が歌うスタンダード集、これ等はリッキー・リー・ジョーンズを筆頭に、どれもがまず間違いない出来栄えで、かえってジャズ・シンガーなどのスタンダード集よりも聞き応えあることも多い。その先鞭を付けたのはカントリーの大御所、ウイリー・ネルソンで、『スターダスト』など彼のスタンダード集は大ヒットとなり、数枚のアルバムが制作されたが、その後はロッド・スチュワートなどロック・シンガー達もこの手のアルバムを数多く出すようになり、ポールも彼らに刺激されアルバムを出したのはある意味まず間違いないだろう。

 そしてこのポールのスタンダード集だが、予期したとおりに素晴しい出来栄えで、何よりその唄の巧さ、選曲の良さが光り、さすが音楽業界のトップエンターテイナー、その実力を強く再認識させるものとなっている。”ペイパー・ムーン“”マイ・ファニー・バレンタイン”など良く知られているスタンダードも巧みに歌いこなすが、”ウィー・スリー“”インチ・ワーム“と言った知らぜらる名曲を発掘する才も素晴しい。ポールももう70才近いはずだが、その声質、歌い口が若々しくもなんとも渋い。ここは一つブラボー、と快哉を上げたくなってしまう。


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