11月30日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2019/11/29(金) 19:00 番組スタッフ
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜18:00-18:30(本放送)ほか、土曜22:00~、日曜23:00~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.489~茅ヶ崎あさまる会】

 先週の終わり小雨降る寒い日、新宿から湘南ラインに乗って茅ケ崎に向かった。この街の魚料理屋「あさまる」で、毎年2回ほど仲間と開いている昼飯&飲み会に参加するためである。通称「あさまる会」は、ぼくの敬愛するラジオ&TVドキュメンタリーディレクター、河内要氏ご夫妻を囲む会で、総勢6~7名。待ち合わせの茅ヶ崎駅に11時ギリギリに着くともう皆さんほぼお揃い、ただ一人三鷹から参加の女性監督だけが30分ほど遅れると言うことで、会場に向かう。ここのオープンは11時半だが、こんな小寒い日にも拘らず既に10数人待っており遠方からの来客も多い。茅ケ崎にはこうした海鮮料理&飲み屋が数軒ある様で、どこも自前の船を有しており、その船の名前がこの店では「あさまる」と言う訳。そしてその船取りの魚をメインに出しており、それがどれも旨いと評判で、河内さんのお勧めでこの店の食事&飲み会を始めようとなってからもう10数年。幹事役はぼくの古くからのジャズ仲間の一人のO氏で、彼の奥さんがかつて河内さんと仕事をしていた仲。またその他の連中もジャズやドキュメンタリー、古本など何らかの繋がりでこの会に参加している面々で、気の置けない愉しい会である。オーダーのメインは相模湾が誇る金目鯛の煮つけ。その他にもシラスなど色々な魚介を勝手に頼み、飲み歓談する愉しみな数時間。


 さて主役の河内さんだが、このコラムにもこれまで数回は登場したはずで、今やマスコミ(TV&ラジオ)の長老的立場のおひとり。元々東京放送(現TBS)に入社、その後TV制作会社に移り数多くの制作賞などを受賞し、自身で「ラジオの本」等と言うラジオ制作者の回顧&教則本なども出されている方。ぼくよりも大分先輩の早稲田大OBであり,10数年前に知った事実なのだが、彼はなんと我がジャズ研の第2期生と言う偉い先輩でもある。当然ジャズにも詳しく、その昔は富樫雅彦、菊池雅章などにラジオ・ドラマの音楽制作などを頼み、今は亡き彼らからも信頼絶大だったお人で、最近の仕事では何と言ってもキース・ジャレットのビデオ制作。キースも河内さんでなければ撮影を許可しないと言う程、信頼している仲。この所キースは体の調子を崩し演奏活動を中止、河内さんも半引退状態で平塚市に隠居してしまったので、そのキースビデオが観られないのは残念なことだが、まだまだ元気で彼と話をしていると制作者として感じいることも多い。

 ぼくが最初に知り合ったのは30数年前のこと。当時毎週3時間半のスペシャル番組をほぼ一人で半年間、それも2年半程続けており(プロ野球中継の裏番組)、およそ50本を超す特番を作り続けていた時期。その頃流石に一人ではこの時間を持たせられないために、「テレビズマン・ユニオン」や「テレコム」と言ったTBS関連の制作会社と共同で制作したものもあったが、その「テレコム」のメインが河内さんであったと言うこと。まだ現役バリバリの彼からは色々喝を入れられたりもしたのだが、教えられること多々だった。数本一緒にやった仕事のうち最も印象に残っているのは、世界的な映画監督鈴木清順のドキュメンタリー。かつて日活映画全盛時代「けんかエレジー」「東京流れ者」など独特な美学の映像を作り上げ、世界的な名声を獲得しながらも、会社のトップと喧嘩別れしてしまった、この孤高の天才。ぼくも大好きなこの監督の再起作品、「チゴイネルワイゼン」等の音楽監督ものを河内さんが務めていた関係で,鈴木氏のドキュメンタリーを3時間の長編で作ることになったのだが、映画本編の音などの借り出し、そしてこの鈴木映画は今は亡き荒戸源次郎と言う、いささかやくざがかった強面の役者&プロデューサーが、テント上映で全国を回る趣向で、その上映の模様なども織り込んで番組を作った。その上映場所の一つ、吉祥寺のパルコの屋上での公開収録の場で、局の技術陣が映画の音声を場内に流す担当も兼ねていたのだが、それに失敗してしまい、一時音声が流れず大騒動、荒戸を始め彼の配下の若者が因縁(と言っても悪いのは局の方なのだが...)を付けて来て、あわやの大騒動。それやこれやを河内さんにうまく纏めてもらい、どうやら大ごとにならずに済んだ苦い思い出などもあった。このラジオ作品も素晴らしいものでしたが...


 ところでぼくが河内さんの作品に初めて触れたのは、ラジオたんぱ入局当時にラジオ東京で流れていたドキュメンタリーシリーズの一つで、ぼくと同期のラジオ東京アナウンサー見城美恵子(その後大学の副学長なども務める)を起用し、今やジャズべーシストの大御所になった、ゲイリー・ピーコックの居所を探す(実際は京都の禅寺で修行中だった)と言うロードラジオドキュメントで、彼のうわさを聞き歩き最後に禅寺で出会う素晴らしいものだった。こんな作品を作りたいと思った10数年後に、実際に一緒に仕事を出来たのは本当に幸運だったが、それから今まで交友が続いているのも更に嬉しいこと。何時までもお元気でいてください。ラジオ&TVの巨匠、河内要さん!そしてまた来年の春、茅ケ崎の「あさまる」で共に飲み食いいしましょう。 

【今週のゲスト:音楽評論家の青木和富さん】

今週はジャズトーク。青木先生にアルトサックスの世界についてお話頂きました。
M1My Little Suede Shoes / Sonny Stitt
M2Waltz for Debby / Cannonball Adderley
M3Topsy / Lee Konitz With Warne Marsh
M4A Million or More Times / sonny Criss
M5Free Jazz / Ornette Coleman


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