2月25日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2017/02/24(金) 19:00 番組スタッフ
テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.346~別府よいところ】

 「金の心配などしなくていいから、お前の好きな都市に移り住んでいいよ...」と言った虫の良い申し入れがあったら、ぼくは即座に「何を置いても別府」と答える筈である。まあ現実問題として、そんな棚ぼた的申し入れはまず起きない訳だし、そんなに別府が良いなら金の問題など考えないで、この際思い切って終の場所にして移り住めば...とも言われそうだが、現在の国立の家、追分の山荘、友達関係など諸々考えると、そうでなくても優柔不断な性格だけに決めかねてしまう。しかし別府に終の棲家として暮らす...。この誘惑はかなり強烈なもので、まず何と言っても世界一と信じている温泉。別府8湯~市内の至る所に源泉がありそれぞれに泉質が異なっていて、市内至る所に(100
以上とも言われる)公衆温泉、その入浴料はほとんどが100200円。それに旨い魚に焼きソバ等、お好みの安価なB級グルメも豊富。1000円札1枚を持ってチャリンコで街をぶらつくだけで、夜まで温泉付きで愉しめる。その上に絶景の海と山。熱海も情景は似ているが、そのスケール感が違うのだ。穏やかな別府湾と火山の鶴見岳・由布岳。一寸足を延ばせば湯布院、強烈な酸性湯(西日本随一)の塚原温泉等など。更には穴場の別府駅裏口、ここには広大で静かな市民公園のほけ、かつての政治家や財界人の豪勢な別荘も立ち並ぶ。もう少し思い出しただけでも足と胸が疼いてしまう。

 
今から30年ほど前、番組取材での熊本出張の後、先輩と九重連峰を縦走し、その後一人で長距離バスに乗り別府に向かって別府湾&市内が一望できる丘の上から臨んだ初めての別府。そのランズケープには本当に圧倒された。「なにに...、勿論初めて見た別府の街中至る所から立ち上る湯煙りですよ」。温泉フリークを自称している向きで、この光景に圧倒されないような輩は一人もいない筈で、ぼくも思わず感激の余りバスを降りてしまい、そこから街の中心部迄たどり着くのが、大変だったことを思い出す。ショックでした。

 
その時以来、別府には10数回ほど足を運んでおり、局員時代には九州出張があれば、無理をしてでも別府に辿り着く予定を組んだもので、最後に訪れたのは去年の秋のこと。局時代の先輩数人と数日間の大分・別府散策で、市内の公衆温泉を10数か所巡った。イヤー本当に楽園の心持でした。

 
ところが今年になってまたまた別府詣での心持が疼くことになってしまった。我らが森田一義君=タモリ。彼の今一番メインの番組、NHKの「ブラタモリ」が2週にわたって別府特集だったのである。日頃はほとんど見ないのだが、これは見逃すわけにいかない...と、土曜日の夜TVにかじり付いた。1回目は別府温泉の成り立ち、2回目は日本一いや世界一の大温泉街誕生の秘密で、どちらも大変に興味深かった。1回目は別府と湯布院の真ん中、塚原高原にある塚原の湯の少し上にあるカルデラ噴出口(ぼくも数回訪れている)。その地下に別府温泉全体を賄う広大な温泉湖があり、そこから別府に流れ下っているのだという事実。別府の古くからある遊園地、楽天地の直下にある旧金鉱跡、今でも蒸気のサウナ状態で立ち入り禁止、その直ぐ下にある金鉱の湯(この存在も今回初めて知り、是非入浴したいと思った)等々。ぼくもそれなりの別府通と自負していていたのだがやられましたし、面白かったです。まあ東京から大人数でわざわざ行ったので、2回分は収録しなければ...とスタッフも考えたのだろうが、それだけ別府が奥深い存在だということの良き証明にもなっていた。ただ一つ疑問だったのは、タモリは確か夫婦で東京に出てくる直前、別府の山奥のゴルフ場支配人だった筈で、バリバリに土地勘もあり、相当以前に数年間開かれていた「別府ジャズフェス」でも、その繋がりで司会を担当していたと思ったのだが、楽天地なども初めて存在を知った様に振舞っており「おいおいそれは無いだろう」とも思ったものだが、まあそんなことは枝葉末節。
 
海地獄・坊主地獄などの地獄、古色蒼然とした竹瓦温泉、そして地獄蒸し等々。「よーしまた金を貯めて、別府全ての公衆温泉制覇を目指すぞ...」なぞと年甲斐もなく馬鹿な考えで勇んでしまいました。罪作りですよね。

 と言うことで今日の一曲は、久しぶりにアイパッチをした悪しき芸人、タモリのデビューアルバムで、わが友・高平哲郎君が構成・演出を手掛けた迷盤「タモリ1」から、懐かしき(博多で聞く)「世界の短波局」を...。闇芸人タモリの生き々した姿、魅力的ですよ。
【今週の番組ゲスト:「ジャズのお勉強」音楽評論家の青木和富さん】
M1Minor Swing / Django Reinhardt
M2Honeysuckle Rose / Stan Getz
M3Waltz for Debby / Monica Zetterlund
M4Mack The Knife / Barney Wilen
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