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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.429~ジャズとギネスブック】

 先日ニュースを見ていたらジャズシンガー、ギネスブックに認定とある。となればこれはトニー・ベネット以外にないと思ったら案の定、彼が認定された訳だが、実はは92才と言う最高齢のジャズシンガーとして認定されたのでは無かった。ギネスの世界記録と言うのは色々細かい規定もあるなか(確かに90才以上のジャズシンガーは存在する筈なので...)、今回彼が認定されたのはあの名作曲家ジョージ・ガーシュインの「ファッシネイティング・リズム」、これが彼による初吹込みから(49年)、今回ダイアン・クラークとの話題のデュオアルバムでのこの曲吹き込み、即ち初吹込みから再吹込みの最長期間と言うカテゴリー(?)でギネス認定がなされたのだと言う。中々にややこしい規定だがいずれにせよ目出度いことではあり、9月13日にはNYで授与式が行われトニーも実に嬉しそうに微笑んでおり、記念曲の「ファッシネイティング・リズム」をダイアンとのデュオで披露したと言われる。

 以前このコラムでも取り上げたジャズボーカルキングのトニーとクイーンのダイアン・クラールのデュオアルバム『ラブ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ』、レコード会社から送られて来たので全曲聞き通したが、やはり期待通りの好作品だった。このアルバム、そのタイトル曲やギネス認定曲からも分かる様に、2人によるジョージ・ガーシュイン・ソングブックで、バックを付けるのはビル・シャーラップ(p)ピーター・ワシントン(b)ケニー・ワシントン(ds)と言う手練れトリオ。ジャズだけでなくアメリカ・エンターテインメントの一つの極致を記録したアルバムとも言えそうである。


 ところでこのジャズとギネス記録だが、ぼくもこれに多少の関りを持ったことがある。もうだいぶ以前のことになるが、ラジオ局の先輩にして我が「テイスト・オブ・ジャズ」の生みの親とも言える、今は亡きジャズプロデューサー、木全信氏が、取り巻きの一人に「木全さん数多くのアルバムをプロデュースしている(確かに数多くのアルバムプロデュースを手掛けた)から、ひとつギネスにでも申請してみたら...」とそそのかされ(?)、彼もその気になり申請してみることにしたのだ。ところがこの申請規則が結構厳しいもので、自身がプロデュースしたアルバムの9割近くを日本支局に届けなければならないのだと言う。まあそれも至極当然のことなのだが、彼が自身で所有しているのはそのうちの4割程度(それもCDだけでアナログ盤は無し)、その残りの5割を期間中に探し出さねばならない。と言うことで駆り出されたのが後輩のぼくやレコード会社の部下など数名。かなり懸命に探したが見つからないのも多く、そのうちに木全氏のギネス熱も冷めてしまった様で、この計画はご破算と言うことになってしまった。その当時は不満たらたらだったが今になっては面白い経験だったと思う。しかし彼以上にジャズアルバムを数多くプロデュースした人は、本場のアメリカのジャズインディーズレーベルの社長&プロデューサーにはいた筈だし、彼もうっすら気が付いていたのだろうが、再度自身の業績を確かめるためにぼく等に、その作業をやらせた節も無きにしも非ずである。

 しかし何と言っても彼無くして我が「テイスト・オブ・ジャズ」は無かったのだし、60年近い歴史も築けなかった筈なのである。改めてこの名ジャズプロデューサーに感謝を捧げるとともに、彼の霊に頭を下げよう。謝・謝 木全信!

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富氏】
今週はジャズトーク、青木先生に黒人ジャズボーカルを特集してお話しいただきました。
M1Come Rain or Come Shine / Joe Williams
M2
When I Fall in Love / Nat King Cole
M3
They Say It's Wonderful / John Coltrane & Johnny Hartman
M4
Breezin' / George Benson & Al Jarreau
M5
What A Wonderful World / ouis Armstrong



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