【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.519~元気が出るジャズ】
今週から4週に渡って「コロナ禍を吹き飛ばせ~元気の出るジャズ」をシリーズでお送りする。ジャズは元々元気のある音楽で、人々を力づける意味合いも強い。そこでジャズを通してコロナ禍の閉塞状況を乗り越えようではないか...と言う趣旨。
まず今週は評論家青木和富氏の「ジャズ・トーク」をこのテーマでお送りする~青木流元気の出るジャズを実現することに...。掛けるのはチャールス・ミンガスの「フォーバス知事の寓話」。人種差別に果敢に立ち向かっていったベースの巨人チャールス・ミンガス・バンドの荒々しいコレスポンデンスは、けだし聞き物。またチャーリー・ヘイドン・オーケストラの「ウイ―・シャル・オーバーカム」は全員が平和の願いを込めたその想いも熱い。プロテストする思いの詰まった力感一杯の演奏が選ばれている。
そして7月の最初はトロピカルフルートの第一人者赤木りえさんが登場して、NYラテンの大物達との共演した新作を紹介してくれる。彼女はプエルトリコの親善大使を務めるほどこの国と関係も深く、多くの国民から愛されているのだが、今回はNYラテン~サルサの本場NYに進出、同地の大物ラリー・ハーローと共演、新境地を開いた所を意気込み充分に示してくれる。ラリーも赤木さんにメロメロと言った有様で、その模様も良く分かる熱く爽やかな演奏が聞き物となっている。
第3回目はラテンジャズと言ったらこのバンドと言うことで、我が国のトロピカルジャズの極めつけ「熱帯JAZZ楽団」のリーダー、カルロス菅野氏が久々にスタジオに遊びに来てくれる。今までのビクターを離れ、今流行りの「クラウドファンディング」方式で資金を集め、周年記念アルバムを作ったと言う意欲作。熱いホーン陣の咆哮、リズム隊の切れの良さなど、流石老舗バンドならではの素晴らしさ一杯の素敵な仕上がり具合。カルロスは同時にヴィデオも出してこのレコーディングの模様を伝えてくれるが、このアルバムに賭けた彼の意気込みを番組では吐露してくれている
そして最後は「コテコテジャズ」の愛称で知られるジャズライターの原田和典氏が、黒人臭ムンムンの泥臭くも熱いまさに「コテコテジャズ」の名盤を紹介してくれる。純生ジャズ~楽園系ラテンジャズ、そしてコテコテの黒人=ソウル。ジャズ迄。この4回シリーズはコロナでいささか元気の出ない音楽ファンの血を熱く燃え上がらせてくれるに違いないと思います。是非ご期待の程...
【今週はジャズトーク】
音楽評論家の青木和富先生と人種差別問題をジャズミュージシャンがどう表現してきたか考えます。
M1「We Shall Overcom(勝利を我等に) / Liberation Music Orchestra」
M2「Strange Fruit(奇妙な果実)/ Billie Holiday」
M3「Freedom Suite(自由組曲)/ Sonny Rollins」
M4「Fables of Faubus(Original)/ Charles Mingus」
M5「Hymn To Freedom(自由への賛歌)/ Oscar Peterson」
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