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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.302~ジャージーハワイアン】

 
このところのご婦人方のフラダンス熱、なかなかのものでそれに伴いハワイアンも見直されつつあるのだと言う。常磐ハワイアンとフラガールズ、または「アロハ・オエ」「カイマナヒラ」位しかハワイアンの知識のない浅はかな男だが、ハワイ在住のハーブ・オオタがウクレレでジャズを演奏したり、「スティール・ギター・ジャズ」なんてアルバムが30年以上前に出されていた...というジャズとハワイアンの接点については僅かながら知っている。だがどうもジャズとハワイアン、この2つは最も離れた所に位置するポピュラーミュージックだという考えが、ぼくの中には根強い。確かに最近のハワイアンと言うのは段々ポップス化していることは、誰かから教えられた覚えがあり、最近では早稲田大の名門音楽サークル~ナレオハワイアンズ(通称ナレオ)が、あの正統派のハワイアンナンバーをほとんど取り上げず、もっぱらポップスバンドになっているとも聞いた。今や音楽ジャンルの壁などはどうでもいいんだ...と言った感じも強いので、こうした傾向は至極当然なのかも、などと考えていた。
 
 その矢先、レギュラーレビューアーを務めているジャズ雑誌から、ハワイアンアルバムのレビュー依頼が来た。なぜジャズ雑誌がハワイアンを...、などと思いながらアルバムを聴くと、これがジャージーでいい感じのアルバム。そこでレビューでは「心和むいい感触のジャージーハワイアンアルバムで、かなり評価出来るのでは...」と記しておいた。かなりジャズっぽい感じもあるので、誰がアレンジを務めているのかと気になりクレジットを見ると、あの北島直樹。長い間寺井尚子の音楽監督的役割を果たして来た彼とは、5年ほど前に彼のアルバムプロデュースを手伝った関係もあり周知の仲。そこでハタと気が付いた。彼のコンサートで挨拶された安部よう子さんという女性。彼女はフラダンスクラブのお師匠さんで「想いでの歌を歌う会」という歌唱グループのお師匠さん(多くの会員がいるクラブ)。更に彼女は北島氏の奥方でもある方だった。その安部よう子さんが今回初めて出したアルバムのタイトルは『ウエリナ』。愛しいと言った意味合いで、彼女のハワイに対する愛しさが全編に溢れており好感が持てるもの。

 
 そこで彼女とご主人の北島氏に連れだって、スタジオに遊びに来てもらうことにした。こうしたラジオ番組は初めてと言う彼女は幾分緊張気味だったが、色々とハワイアンそしてジャズなどについても楽しげに語ってくれた。
 
元々はジャズ歌手としてスタートした彼女だが、結婚を機に歌手活動を休止、フラダンスを習いはじめてメキメキ腕を上げ、多くの生徒さんを抱えるお師匠さんになり、本職の歌の方も「想いでの歌の会」で生徒さんに歌唱を教えることになり、その結果今回ハワイアンのアルバムを初めて世に問うことになったと言う。そしてその伴奏とアレンジはもちろん旦那の北島氏。夫婦手を取り合ってのアルバム完成と言うこととなった。「フラヘブン」などの典型的なハワイアンナンバーから「フォー・センチメンタル・リーズン」等のスタンダードソング、そしてラストはお別れの歌「アロハ・オエ」まで12曲、ハートウオーミングでチャーミングな歌唱を聞かせてくれる。懐かしい「南国の夜」もボサノバで歌唱するなどの趣向も入ったこのアルバム、ジャケット写真も彼女自身が撮ったもので、ハワイの美しいサンセットが写し出されている。

 日頃はほとんど接することのないハワイアンだが、彼女の歌声を聴いていると実に心地良く夢見の世界へと誘われる。これもまた仲々に良きものですよ。

【今週の番組ゲスト:シンガーの安部よう子さんとピアニストの北島直樹さん
M1「HULA HEAVEN」
M2「HANALEI MOON」
M3「FOR SENTIMENTAL REASONS」
M4「ON A TOROPIC NIGHT」
M5「ALOHA OE」


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