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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.91~春のナンバー~】

 まだまだ寒い日が続くが、もう春なのである。春=スプリングと言えば、ジャズ・スタンダードでも春を歌い上げた名曲は数多い。

 ”エイプリル・シャワー“”サム・アザー・スプリング“”サドンリー・イッツ・スプリング“”ゼイ・セイ・イッツ・スプリング”“イット・マイト・ビー・アズ・スプリング(=春の如く)“等々、ちょっと思いつくだけでも4~5曲はすぐに挙げられる。まあこうした春の歌がスタンダード・ナンバーに多いのは、春=恋の芽生えに関係しているとぼくは睨んでいるのだが…。と言うのもスタンダード・ソングのほとんどはミュージカル・ナンバーで、それらのミュージカルは、だいたいが色恋をテーマにしたものが多いだけに、必然的に春を歌いこんだナンバーも多いと言うことになる。

 そんな春を唄ったアルバムとしてお勧めしたいのが、ベースを弾きながらジャズを唄う美形のニッキ・パロットの新作。その新作のタイトルはなんと『さくらさくら』。ここでの彼女は日本の代表的な春唄=“さくらさくら”を、ベースを弾きながら日本語で唄ってくれており、そのほか上記のようなスプリング・ソングの数々も巧みに唄いこなしている。
 ぼく自身の最も好きなスプリング・ソングは、やはりフランスを代表する作曲家ミッシェル・ルグランの書いた“ユー・マスト・ビリーブ・イン・スプリング”となるだろう。メロディーが抜群のこの曲は、他の人が歌詞も付けており、多くのシンガーが歌っているが、圧巻は北欧の歌姫、カーリン・クローグが歌ったもの。初老の女性が自身の人生を振り返って唄う内容だけに、カーリンのような抜群の表現力を持ったシンガーでないと歌いこなせない感もあり、素晴しい歌唱でジャズ・ボーカル屈指の一編と言ってもいい。

 まあいずれにせよこの季節、春の曲を捜し求めて一日聴いてみるのも一興と思いますが、皆さんは如何ですか…。


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