8月6日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2016/08/05(金) 19:00 番組スタッフ
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.317~サラバ「レーベルとピエール・バルー」】

 最近の若い人達の恋愛映画のベスト1が何なのかは分からないが、ぼくたち60年代に青春時代を過ごしたオールドボーイにとって、クロード・ルルーシュ監督、フランシス・レイ音楽のフランス映画「男と女」(カンヌ映画祭大賞受賞作)は、恋愛映画として常に3本の指に挙げられる傑品だと言える。この映画「シャバダバダ、シャバダバダ...」と言う洒脱なスキャット歌唱の主題歌が一世を風靡したもので、このテーマ音楽は今でも時々ラジオなどで聞かれるので、ご存知の方も居られるかも知れない。アヌーク・エーメとジャンルイ・トランティニアン。当時の人気スターが映画の進行係とプロレーサーと言うあの時代の憧れの職業人に扮し、悩み多き中にもいかにもフランスと言ったエスプリにも富んだ恋愛話を展開する(レーサーの方は彼の大事故でかみさんがショック死、進行係の方は自身の映画で旦那が事故死と言う、深刻な事情を抱える子持ちの寡どおしと言う設定)大人の恋物語で、大学生だったぼくや仲間連などはみんなこの恋物語に強い憧れを抱いたものだった。そのうえ映像も抜群で、この「男と女」そしてその対極にあったヌーベルバーグの鬼才、ジャン・リュック・ゴダールの「気狂いピエロ」。この2作が時代の恋愛事情を象徴していたとも言える。あれから50年、今またその「男と女」にスポットが当たりつつある。

 
ところでこの映画で主役のアヌーク・エーメの旦那、事故死する役者を演じたのがピエール・バルー。歌手の彼は映画の中でブラジリアンミュージックに影響された独自のセンス溢れた音楽(「サンバ・サラバ」等)を披露、強烈な印象を残したのだった。その彼が起こしたレーベル、それが「サラバ」で、今流行のインディーズレーベルのはしりとして世界中から注目を集めたものだった。あれから40年余り、「サラバ」は未だその命を長らえており、わずかだが独自の作品を発表し続けてもいる。このレーベルにはジャン・フィリップ・マスなどの知られざるフランスジャズピアニストの佳品なども数多くあり、ジャズ好きなバルーならではと言ったレーベルでもあった。日本でのこのレーベルの担当は「コアポート」の髙木洋司氏。レコード会社を辞めて自身のレーベルを立ち上げた彼は、大のバルー&サラバ・ファン。その彼が「サラバ」のコンピレーションアルバムを作ることを計画、その選者に選んだのが、今売出し中の女性ジャズDJの第一人者、大塚広子。盤回しからアルバム選曲など何でもこなす才媛の彼女、このコンピレーションでも独自の視点で愉しく厳しくバルーレーベルの全貌を味わわせてくれる。

 
そこでスタジオに彼女と髙木氏を招き、アルバム及び「サラバ」レーベルの沿革やその魅力について語ってもらうことにした。「男と女」は公開50周年ということで今また再注目を集めているようで、この秋にはプリントを新しくしての映画館上映も決まっているとのこと。それに伴いピエール・バルーのこれまでのアルバムも、レコード会社各社から再登場と言うことになり、時ならぬ「男と女」関連フェアーが実施されるとの話。またルルーシュ監督、フランシス・レイ音楽、この黄金コンビ久々の新作、インドを舞台にした中年男女の恋物語「アンナとアントワーヌ」もこの9月に公開決定している。この作品、試写会で鑑賞したが、出来は今一つもフランシス・レイの音楽はなかなかのものだった。 いずれにせよ傑作恋愛映画「男と女」、バルーが唄う自作の数々もセンス溢れた素敵なものばかりなので、この秋は彼と「サラバ」、に注目して下さい
 
【今週の番組ゲスト:DJ大塚広子さんとCORE PORT代表 髙木洋司さん】 
JAZZ EXTRACT of SARAVAH SELECTED BY HIROKO OTSUKA」から
M1「L'autre rive/Pierre Barouh」
M2「Bulerias Hermanos/Armadillo」
M3「Accordéon/Daniel Mille et Pierre Barouh」
M4「Les fous de Bassan/Daniel Mille」
M5「Maria Candida/Mas Trio」

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