10月20日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2018/10/19(金) 19:00 番組スタッフ
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.432~タモリのことなど】

  久々にタモリこと森田一義君と愉しく話を交わした。彼とは年に1~2度、業界関連のパーティや葬式などの場で顔を合わせる位で、その時で軽く挨拶はするが話をすることも殆ど無い。それが先日久し振りに彼にインタビューをする羽目になり、その後にも少しばかり話をしたのだった。そのインタビューは早稲田大時代のジャズ研OB会の開始前に行ったもの。場所は新橋にある有名ジャズクラブ「ベルズ・グリル&ジャズ(旧コットンクラブ)」の地下にある出演者控室。インタビューはこの暮れに放送される予定の1時間のジャズ特番「テイスト・オブ・ジャズ・スペシャル~新宿J物語」関連のもの。今年40周年を迎える我らが老舗ジャズクラブ「J」の周年記念の特番で、ぼくの同期(因みにタモリは1学年下)でもあるマスターの幸田「バードマン」稔くんと「J」について、お店に関係ある各界の有名人のインタビューや幸田君関連のジャズ音源などを挟み込み、幸田君のモノローグをメインにまとめてみる予定の1時間ジャズ特番である。そうなると店の宣伝部長(?)でもあるタモリは、必然的に登場してもらわないと番組は成立しない。ただ彼に番組出演依頼をするのは数年振り。と言うことでいつもはほとんど顔を出さないOB会にも開始前から顔を出し、会長などにも嫌味を言われつつこちらも久々のタモリインタビューでいささか緊張気味。

 
これは余り知られていない事実だし、当のタモちゃん自身ももう忘れているかも知れないのだが、彼の放送初登場は我がラジオNIKKEI(当時はラジオたんぱ)の番組。当時人気・実力共にトップを誇っていたピアニスト、数年前に亡くなってしまった中村紘子さんのインタビュー役としての登場だった。あの頃ラジオたんぱはどういう訳かクラシックコンサートを毎年正月に実施、その中心人物が中村紘子さん。その彼女をヨイショするための番組だったが、先輩ディレクターから局アナウンサーではなく誰かいいインタビューアーは...と頼まれ、直ぐに思いついたのが、一部でその特異芸(5か国麻雀等々)が評判になりつつあり、かみさんと共に上京したての幻芸人こと森田一義君の存在だった。
 大学時代の彼は「泣きのトランぺッター」として知られていた(5人ほどいる同期トランペッターの実力最下位だったので、この名称が付いたとも言われる)が、子供の頃からピアノを習っていて結構な腕前とも聞いていたので、持ち前の図々しさで何となくこなしてしまうのでは...ということで推薦したのだが、これが全くのハズレ。当時の女王ピアニストの前では、借りてきた猫的存在で全く駄目。先輩からはどうしてあんなのを...と叱責されるし、タモリ自身からも「すいませんでした、なにも出来なくて...」と謝られる次第。まあこれも無理からぬところで、福岡(当時は大分ゴルフ支配人の筈だが...)から上京したばかりで、新宿の「ジャックと豆の木」と言う裏酒場で山下洋輔一派などに持て囃されても、大ピアニストの前では一お上りさん同然で完全に上がってしまうのも無理からぬ所。
 この数週間ほど後に、同輩の岡崎正道ディレクター担当の「オールナイトニッポン」にゲスト登場、ここでのアドリブ満載のしゃべりと闇芸で一躍人気沸騰、お笑いビッグ3に迄上り詰めることになるのである。「オールナイトニッポン」と言えば、タモリと同期の人気絶頂ギタリスト、増尾好秋くんがNYから戻ってきてタモリの番組にゲスト登場した時、夜中に突然telして寝起きを襲うという人気企画があり、これに同業者だから何をしても...という理由だけで駆り出されたのがかく言う小生。TELがあるという話だけで一向に着信が無く、うとうとしていると約束の30分ほど後にtelがなり、寝ぼけ声を作り相手がタモリと増尾だとは分からないふりをして、2人におちょくられるというトホホな役割を演じたこともあった。今となっては結構良き想い出ではあるのだが...。


 まあそんな話はさておき、この中村紘子のインタビューが縁となり、その後一躍有名人になったタモリに、松下電器提供の(世界の放送局を聴くという)当時の大ブーム=BCL番組のメインをお願い、これは7年ほど継続し大好評の番組だった。また正月特番としては3年連続で、赤塚不二夫、山下洋輔、研ナオコ、ツービート(北野武先生)など豪華共演陣が登場する、3時間になんなんとする阿鼻叫喚の狂い咲き面白番組を制作したりもしたものだった。
 
 
そんな結構関係の深いタモリ先生だが、その後は余り番組での付き合いも無くなってしまって久々の声掛け。TELでインタビューを頼むと「申し訳ないですが、それは事務所の方を通して...」と軽くいなされてしまう。ということでダメ元で怖い存在の田辺エージェンシーの担当のマネージャーにtelすると幸運なことに以前仕事をしたことのある人で、直ぐに便宜を図ってくれ今回のインタビューが成立したという次第。タモリのマネージャーと言えば一番親しかったのが、ドンの昭知社長からも信頼厚く最後は常務にもなった筈の故M君。4代目のジャーマネだった彼は大分前に心臓の病気で仕事中に突然死してしまったのだが、年下の彼はなぜか色々と良くしてくれて(田辺に入った時からの知り合い)制作費の無い局事情も良く知っており「小西さんからの頼みならば...」と持ち上げてくれる。それに甘えて色々と無理も頼んだものだが、それももう大分いにしえの話である。
 件のOB会では主役格のタモリは、久々にかくし芸を披露。でたらめ「イパネマの娘」は流石タモリと言う鬼気迫る圧巻の出来栄え。タケちゃんもさんまもそして当然今の売れ筋芸人の誰もが出来ない珠玉にして圧巻の芸。バックはこれも鬼才ピアニストの清水くるみ。前衛ピアノとタモリのでたらめながらも迫力充分なボサノバ・スキャット。いやー久々に愉しませて頂きました。会場はやんやの喝采で、ジャズには肥えた耳の皆さんもしばし唖然とする、芸人タモリの真骨頂披露の瞬間でした。このタモリの面白経験談が聴けるジャズ特番「新宿J物語」期待してください。放送日時は決定次第このコラムでお知らせします。

【今週の番組ゲスト:NY在住のボーカリストでコンポーザーの須田宏美さん】
4thアルバム「GIFT」、3rdアルバム「Nagi」
M1「GIFT」
M2「Hajimari」
M3「Nagi」
M4「Both Sides Now」





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