8月24日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2019/08/23(金) 19:00 番組スタッフ
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.476~19追分通信③堀文子と坂田明】

 信州・追分の山荘生活も10数日。この時期お盆が過ぎると軽井沢もかなり人は減るはずだが、何しろ今年は最大9連休の人もいるようで、さして減ったようにも思えない。ただ台風の到来などもありお盆前に帰京した人もいたらしく、それなりに空いているのかも知れない。
 ぼく自身はこちらに来て2日ほど草津から万座へと温泉三昧の旅に出た。草津は久しぶりで地区管理のダータ(無料)の公衆浴場に3つばかりは入り万座温泉へ...。万座はプリンスホテル泊りだったが、プリンスは相変わらずどこもこけおどしで頂けない。ただここはすぐ下の万座高原ホテルを翼下に収めているので、こちらの温泉も利用できるとのこと。それならばと20分ほど下った高原ホテルの方にも行ってみたが、これが大正解。万座温泉には日帰りも含めこれまで何回も通っているのだが、ここは初めてだったが、混浴の露天風呂は泉質の違うお湯が4か所ばかりで、それぞれに素晴らしくロケーションも最高。今まで気づかなかったことを猛反省、万座では是非ここをお勧めしたい。少しホテル自体は古めかしいものですが...。

 
まあそんなこんなあり結構外出もしているのだが、やはり山荘に来ればあまり顔出すことのなかった、ぼくが私設応援団を自称している手作りカーペンターこと元広告マン、平井さんオーナーの「オーベルジュ・グルマン」。この店にはご挨拶しないと...と言うことで、お盆の真っただ中にランチをごちそうになりにお邪魔することにした。この期間はランチにディナー、そして朝食も...と言う一日フル回転。当日はどうにか天気は持ってくれたが、台風通過に伴い今にも一雨来そうな怪しい雲行き。予約時間の11時半に間に合うよう、山荘を早めに出て御影用水沿いを歩き25分ほど、天気具合もあってかさほど混んでおらずホッとする。
 かつての全編手作りの「カフェ・グルマン」は、同じ平井氏の手作り改装で見事にガレットやクレープをメインにしたコース料理メインの「オーベルジュ・グルマン」に変身。そのカーペンター平井氏の素晴らしい改装手腕に相変わらず感嘆。娘さんの作るガレットコースも堪能し、奥さんとも少し話を交わす。どうやらお店は料理人の娘さん中心に変わりつつあり、平井さんとは店で会えず仕舞い...と思いきや、店を出ると彼から呼び止められ、この所の御無沙汰をお詫びするが、ご自身は至って元気な様子。流石熟達の人。「カフェ」から「オーベルジュ」へとグルマンも本格化し、私設応援団として嬉しくはあるが、以前の様な気軽さ・気さくさが薄れた様に思えるのは、少しばかり残念ではある。しかし軽井沢(正確には御代田と軽井沢の境目に位置する)では、料理・雰囲気・景観など随一のお店として、ぼくは皆様に強く推薦します。


 グルマンの平井さん一家に挨拶を済ませたこの夏の追分山荘生活。予約のTELで娘さんに「ジャズの小西さんで...」聞かれ、いささか当惑気味に「ハイ」と返答してしまったが、今年は恒例の「軽井沢ジャズフェス」にも顔を出せず些か看板に偽りあり、と言うこともあり中軽井沢の画廊で、坂ちゃん(アルトの坂田明)がトークと演奏披露とある案内に、久々に彼のソロ演奏を愉しもうとその画廊に向かうことにした。画廊の出し物は、今年の春に天寿を全うした画家、堀文子の版画展。彼女は70才を超えた頃から軽井沢にアトリエを構え、厳しい冬を数度単身で乗り越え画業に励んだと聞いていたのだが、その時制作された版画も展示されており、どれも彼女の優しさ・愛らしさの良く出た作品が並んでいた。

 
坂ちゃんと堀さん...、この2人にどんな繋がりが...とトークを聞いていると、付き合いはそう長くはないが坂ちゃんお得意のミジンコ繋がりとのこと。晩年体調などの関係でスケッチ散策が難しくなった彼女が、ミジンコなど微生物の世界に興味を持ち出し(もともとは科学者志望だった...)、となれば日本有数のミジンコ博士=坂田明との接点は自ずと開けると言うもので、良くミジンコなどについて語り合ったのだと言う。想い出トークの後、彼はおもむろに愛用のアルトサックスを手に「見上げてごらん夜の星を...」など日本のポップス歌謡を数曲ソロで朗々と吹きまくる、堀さんへの追悼演奏を披露した。普段のような余り過激なアドリブは加えず、淡々とシンプルにメロディーを美しく力強く歌わせる。余り坂田らしくないプレー振りだったが、40名ほどの聴衆(ほとんどがぼくよりも年寄りのチャンジー、チャンバー揃い)を、静かに感動させてくれた。流石、坂田明で、天晴れなりである。

 ソロ演奏が終わって6~7年振りだが久しぶりに少し話を交し、また番組にも登場してくれる約束も取り付けた。彼とはもう30年以上前に「坂田明と4人の女」と言う壇ふみなど豪華な女優&歌手陣をゲストに招き、彼女たちと坂ちゃんが妖しく語り合うと言う、3時間を超えるいささか怪しげな特番を作ったのが忘れがたいが、このタイトルやその内容が奥方のお気に召さず、結構家庭内でもめたと後から構成作家から聞き、申し訳なく思ったのも今となっては懐かしくも良き思い出だ。当時まだ小さな子供だった息子さん=学くんが、今や売れっ子のロック(=セッション)ドラマーに成長しているのも嬉しい所。


 ところで山荘生活の愉しみの読書三昧では、先週紹介した中島梓=栗本薫本(彼女はジャズピアニストの顔もあった)と並んで、純粋ジャズ本でも面白いものがあった。これらについては又機会を改めて紹介してみたいが、ジャズ絵本の「リズムが見える」、ジャズ界きっての伝説のパトロン、ニカ男爵夫人の伝記「パノニカ」の2冊。いずれお愉しみに...。


【今週の番組ゲスト:ディスクユニオンのレーベル
SOMETHIN'COOL」の坂本涼子さん】
最近のオススメをご紹介頂きました。

M1 Vibrant Line / 山本玲子(THE SQUARE PYRAMID)」

M2Eu Sei Que Vou Te Amar(あなたを愛してしまう) / 二重奏(金澤英明 栗林すみれ)」

M3GL/JM  /  JUNKO ONISHI presents JATROIT Live at BLUE NOTE TOKYO

M4Autumn Leaves / Bill Evans




コメント