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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.258~新宿ピットイン50周年】

 日本のモダンジャズの歴史~Jジャズ史は1960年のアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの来日公演から始まると言うのは、余りにも有名な史実。この歴史的コンサートを、ぼくはテレビ中継
(TBSの前身「ラジオ東京」のテレビ放送)で初めて見たのだが、当時は中学生だったはずで、御大ブレイキーの迫力あるアップ画面に思わずびっくり。まさに黒人の饗宴と言った感じで、こんな音楽誰が聴くのかと当時は思っていたのだが、その数年後にはびったりとハマまってしまいそのまま現在に至っている次第。

 
そのモダンジャズが日本に根付いた拠点が騒乱の街、新宿で、中心となった小屋=ライブハウスが新宿ピットインだった。このピットインなかりせば、あの当時のジャズ繁栄は無かったろうし、ぼくももう少しマシな道を歩んだかも知れない。店が出来た頃は連日の様に入り浸って、サダオさん(渡辺貞夫)を始め、日野さん(日野皓正)、山下さん(山下洋輔)、トーサさん(佐藤允彦)など当時の気鋭の人達の迫力ある演奏に痺れまくっていたものだった。その新宿ピットインが今年で50年目を迎え、その記念イヤーでさまざまな催しを行い、そのレーベル「ピットイン・レーベル」でも、いろいろな周年記念アルバムを出すと聞いた。
 
そうなれば実際に...と言う事で「ピットイン・レーベル」のメインアーティスト~ピアニストの辛島文雄とレーベルのメインプロデューサーの品川之朗の2人をスタジオに呼んで「ピットイン50周年」について語ってもらうことにした。辛島はその記念作として久々のソロアルバム『エブリシング・アイ・ラブ』をこの4月末に発表したばかりだし、彼も一員である「ピットイン」所縁のベテラン達=「ザ・J-マスターズ」のライブアルバムも同じころ出たので、その2作品を紹介しながら、ライブハウスの50周年を振り返ろうと言う企画。辛島のソロアルバムは確か6年振りで、沖縄のライブハウスで収録されたもの。彼のオリジナルは1曲のみで、後はタイトル曲を始め「リコーダー・ミー」「これからの人生」「わが心は歌う」など、彼が大好きな曲ばかり12曲を好きなライブ小屋で、ただ一人心いくまでピアノを唄わせた素晴らしい作品。「ピットン」が誕生した頃、彼は福岡の高校生で是非そんな素晴らしい場所でピアノを弾きたいと熱望していたのだと言う。

 
もう1枚の『J-マスターズ』の方は、ぼくのクラブ仲間のチンさん(鈴木良雄)をはじめ峰厚介、向井滋春と言った「ピットイン」のステージを熱く飾ったベテラン達6名が集結。「リカード・ボサノバ」「ソニー・ボーイ」などメンバーお気に入りの曲を持ちより、気持ち良さげに演奏した快演集。このアレンジなどもピアノの辛島が手掛けている。
  「もうこの年になったら好きなように、気ままにピアノと向き合いたいよね...」と言う辛島は、ベテラン・ジャズピアニストの境地ここにあり...と言った感じでピアノを淡々としかも真摯に弾き綴っている。エルビン・ジョーンズなどビッグネームのバンドで活躍した、彼ならではの素敵な境地である。
 
新宿ピットインのオープンは12月24日、クリスマスの日である。その暮れの日を中心に記念イベントが組まれており「この日は日本中のジャズメンが集結するんじゃないですか...」と品川が豪語していたが、まさにその通りのビッグジャズイベントになる筈である。期待して待ちたいものです。
【今週の番組ゲスト:ピアニストの辛島文雄さんとピットインミュージックのプロデューサー品川之朗さん】
M1『Everything I Love/辛島文雄』
M2『Straight No Chaser/The J MASTERS』
M3『Late Autumn/辛島文雄』
M4『Recorda Me/辛島文雄』

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