お知らせ:

テイスト・オブ・ジャズ

番組へのお便りはこちら
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.237~ジャズ新世紀~】

 2015年も早や1週間経ってしまい、全く歳月の過ぎ去るのは早い。ぼくのようなロートルはもう消え去るのみかも知れないが、ここはひとつ「憎まれっ子...」の例え通り踏ん張るしかない。さてその15年だが、相変わらず音楽業界は景気が良くなく、ソフトも売れない。これはもう構造的な問題で、かつての繁栄はいずこで、回復は難しいのかも知れないが、ことジャズに関しては結構新しい動きが起きつつあり、「今ジャズが面白い」などと言った特集も、雑誌などで組まれるようになっている。これは以前このコラムでも紹介した「ニュージャズ」のことで、かつての前衛色バリバリの尖鋭的なジャズでは無い。どうもこのニュージャズ~NEW JAZZと言った単語とは違い、NU JAZZで表されるようなのだ。ジャズ=黒人(アフロアメリカン)の音楽と言った認識は誰もが持っていると思うが、この図式はここ30年位で大きく変化し、日本や欧州などでもジャズが浸透し、かえって本場を凌ぐぐらいの勢いを持ってきたこと、いわばジャズのグローバル化が進んだことなども、これには関係していると見て良いだろう。これに対し若い黒人ミュージシャン達が、黒人ジャズの復権を目指し、彼らの日常音楽=ヒップホップとジャズを結び付けた、新たなジャズを創出しようとして、NU JAZZが生まれたのだと言えるかも知れない。ぼくなどはこのニュームーブメント、大変重要な意味を持っていることは良く分かるのだが、肝心のヒップホップを体が受け付けないのでどうしようもない。それは漫画の世界で少女漫画のあの眼のキラキラ、あれがあるともう全く読む気がしなくなるのと一緒で根源的な感覚反応なのである。

 そしてこのニュージャズ・ムーブメント、J-ジャズの世界も席巻しているようで、こちらではヒップホップでは無く、もう少し判り易いジャズ、踊りやすい要素(ダンサブル)も持った新しい若々しいジャズが台頭しつつあるようなのだ。そのJ-ジャズ新時代のミュージシャンやユニットを集めたレーベルとして、今注目を集めているのが音楽から出版まで様々な活動を展開している「ディスクユニオン」の中に設けられた「プレイライト」と言うレーベル。ここには今注目の「ボヘミアン・ブードゥー」「プリミティブ・アート・オーケストラ」そして「トレメンズ」等と言った新時代の有力ユニットが集まっており、年1回は「プレイライトフェス」のようなイベントもライブハウスで行われているとも聞く。と言う事でこのレーベルを主催している「ユニオン」の谷口ディレクターをゲストに呼んで、J-ジャズの新時代について聞こうではないか...と言う事になり、今回は彼をスタジオにお呼びしたと言う次第。

 前に挙げた「ボヘミアン...」も「プリミティブ...」も実際はピアノトリオ。普通はリーダー名を冠した何とかトリオとなるのだが、若い彼らだとそうはならない。オーケストラとは余りにも...、とも思うがそこがピアノトリオ、そのギャップが面白いと谷口氏は語る。この3バンド以外にも面白いユニットが沢山あり、今回の番組をお聴き頂ければ、J-ジャズ新時代ユニットの現状はある程度掴めるのではないでしょうかね...。今ジャズは再び若い人達の心を掴みつつあり、新しい動きが台頭し、面白いと評判なんですから、一度是非聴いてみて下さい。

【今週の番組ゲスト:ディスクユニオンのニュージャズレーベル「Playwright」のディレクター谷口慶介さん】
M1「疾走する閃光/fox capture plan」
M2「エル ロン サカパ/ボヘミアンブードゥー」
M3「シキシキドンドン/WAI WAI STEEL BAND」
M4「イン ア ドリーム/プリミティヴ・アート・オーケストラ」
M5「アイ ウッド チェンジ ア シング/Tres Men」



お知らせ

お知らせ一覧