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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日19:30-20:00(再放送毎週日曜日20:00-20:30)好評放送中です。番組進行は山本郁アナウンサー。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol⑮~ジャズ・トロンボーン~】

 数多くのジャズ楽器の中でも、もっとも難しいといわれるのがトロンボーン。管をスライドさせて音を出すだけに実に微妙で、音を決め込むのも難しいし、音を充分に鳴らすのもなかなかの難問。それだけにこの楽器は、今やチャンジー(爺さん)とも言える大ベテラン、向井滋春の天下が長く続いた。彼はぼくなどの直ぐ下の代で、珍しくも京都の同志社大のジャズ研出身。

 しかし最近ようやく彼の牙城を脅かす中堅が出てきた。中山英一郎と片岡雄三の2人。この2人、面白いことには父親がジャズメンという、ジャズ親子鷹。特に中山の方は高校生時代からその才能を高く評価されていたが、一時伸び悩みここに来て又活躍を見せ始めている。もう一人の片岡雄三の方は、父親もトロンボーン奏者の片岡輝男。日本を代表するフル・バンドニュー・ハード・オーケストラの主要メンバーとして長い間活躍した名手。その薫陶を受け雄三もトロンボーン奏者になったわけだが、面白いことに、ぼくはこの雄三の子供の頃を知っているのだ。

 と言うのも彼は子供の頃小平市に住んでおり、その隣の家がジャズ・ディレクターとして有名だったぼくの友人のS氏の家だったので、良く遊びにいき、隣が片岡氏の家ということを聞いており、その息子さんにも確か会ったこともあるはず…。その彼が成長し、今やj-トロンボーンの中核的存在。先日その彼が2枚目のリーダー作品『センチになったよ』を携えてスタジオに遊びに来た。スイング時代のバンド・リーダーでトロンボーン奏者だった、トミー・ドーシーの十八番をタイトルにしたこのアルバムは、トロンボーンの楽しさを満喫できる好作品。

 スタジオ収録が終了した後、彼と小金井時代の話でしばし盛り上がったが、緑の多い所でのびのびと良く遊んでいた、と愉しげに振り返っていた。因みに彼の奥さんもトロンボーン奏者で、上記のアルバムでも彼のオリジナルの、“アリア”という美しいナンバーで共演している。実に愉しいアルバムなので、皆さんも是非聞いてみてください。


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