3月18日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2021/03/18(木) 19:00 番組スタッフ

テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.557~3本の音楽映画】

  このところ御無沙汰だったヴィデオ鑑賞を久々に行った。と言うのも最近のレンタルヴィデオショップは、ヴィデオの貸し出しだけでなく、ゲームやコミックの貸し出しも主流になっていて、ぼくなどもチャンジーだけに、お好みのコミック本(ゲームは一切やらない)は流石に買い求めることないが、日本漫画史上に残る傑作、野田サトルのアイヌ秘宝をめぐる冒険もの「ゴールデンカムイ」を始め、このコラムでも再三取り上げて来た、不朽のジャズ漫画「ブルー・ジャイアンツ」等々、是非読み続けたい傑作も少なく無い。しかし残念なことに公共図書館ではこうしたコミックの貸し出しはほとんど無いので、必然的にレンタルヴィデオショップで、と言うことになってしまう。そこで先日「ゴールデン・カムイ」の最新刊(確か24巻が出た)を借りに、国立の外れのショップに行った所(自宅から徒歩30分以上かかるのだが...)、2月中ならば全部のヴィデオが新作を含め、レンタル100円とあるではないか...。生来のけち根性が働き、この際に興味あるものは...と棚を探し回り8本ほど借りてしまった。まあ期間中にこの全てを見終わることは出来そうも無いと分かっていながら、生来の貧乏根性は治らないもの。

 帰宅してからその何本かを見たのだが、そのうちの3本が音楽映画もの。と言ってもあのショービジネス界きっての歌姫ジュディ・ガーランドの晩年を描き、それなりにスマッシュヒットした「ジュディ」以外は話題にもならなかったもの。そのジュディすら、彼女の名前を知っている若い人達がどれくらいいるのかも疑問なのだが...。ジュディはアメリカミュージカル映画の最高人気作「オズの魔法使い(「虹の彼方に」が主題歌)」の主役オズに、13才で抜擢され世界中から省さんを集め、その後もミュージカル映画の主演を数多く務め、アメリカを代表する国民的ヒロインだった。しかし私生活には恵まれず生涯5回の結婚を繰り返し、アル中などの障害もあり晩年は実力の割に恵まれなかった(子供の一人が、ミュージカル映画シカゴの主演で知られるライザ・ミネリ)。その晩年を描いた作品だけに寂しいものだが、イギリスでは相変わらず人気が高く、イギリスに渡り自身の名前を冠したショーを開催、好評を博しながらもここでもトラブルで途中中止。そんな晩年をレニー・ウイーガーが巧みに演じ、かなりな見ごたえで、ジュディの代名詞とも言える銘品「虹の彼方に」など、映画の中で歌われるジュディの持ち歌を完璧に歌い上げた、その彼女にも満点を上げたい。

 もう一本は昨年夏に公開された「マイ・バッハ」。ブラジル映画でタイトル通りにバッハ弾きとして知られるブラジルのピアニスト、ジョアン・カルロス・マルティンスの半生を描いた音楽映画。副題に「不屈のピアニスト」とあり、色々苦難を乗り越えた人だと分かるが、謳い文句に「20世紀最高のバッハ奏者」とあり、果たしてこれが正解かはしかとはしない。但しその天才振りは各方面で高く評価されたのは間違いなく、日本で知られるようになったのは、ブラジルのパラリンピック大会開会式で、彼が不自由な指使いでピアノを披露した姿。残念なことに彼のアルバム(バッハ中心だが)は、日本で発売されることも無く、名前は知られてもその実演は余りはっきりとはしない。映画は若くしてバッハ弾きの天才として世に出た彼が、演奏旅行で欧州に向かいその途中でサッカーに興じていた最中、最初の事故が起こり指使いが難しくなり、ピアニストとして休止を余儀なくされ、以降も色々の事故に見舞われる...と言う、不幸の連続。一念発起した彼は、指揮者の勉強を始め、そちらでも有名になる...と言った音楽苦労話なのだが、そこは楽園音楽系のブラジルのピアニストのお話。暗くなる中にも何とも言えない明るさも感じられ、救いも多く印象深い内容だった。ぼく自身はバッハフリークと言うこともあり、彼の名前は知っていたが、実際の演奏は耳にしたことが無かった。ここでは彼のバッハ演奏が演奏場面で使用されており、それを聴く限り、あまり余韻の残る演奏には思えなかったのだが、かなり興味深いストーリー展開も相俟って、クラシック音楽映画としては、上々の出来栄えだった。

 3作目だが、これはジャズ映画。あのオランダのホテルで、謎の転落死を遂げた人気トランぺッター、チェット・ベイカーの死を巡る謎を扱ったジャズ映画「マイ・フーリッシュ・ハート」。オランダで制作されたもので、その中身を映してかなり暗い画調の映画だが、惹かれる所も多々。チェットの映画はドキュメンタリー含めて、これ迄何本も公開されているので、チェット自身のプレーなども含め、また別の機会にこの映画は紹介したいと思っている。

 アメリカ、ブラジル、オランダ3か国の映画。そしてジャンルもショービジネス、クラシック、ジャズと多岐にわたり、これらの音楽映画鑑賞、得る所も中々に多かったです。

【今週の番組ゲスト:Jabuticaba(ジャボチカバ)のお2人 SAXプレイヤーの加納奈実さん ピアニストの永武幹子さん】
M1Samambaia 
M2Mysterious Dress
M3What Kind of Fool am I ? 
M4Along with You, Sunny man


 

コメント