7月23日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2020/07/23(木) 18:00 番組スタッフ
「テイスト・オブ・ジャズ」は7月より、木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.523~ファッションメーカーの凋落】

 昨今のコロナ禍の影響は各所に現れており、秋には倒産や雇用不安が増すのでは...とも噂されている。そんな中、既に顕著になっているのが、老舗の服飾メーカーの凋落ぶりだ。「レナウン」「三陽商会」「オンワード」などの国内の老舗メーカーに始まり、「Jクルー」「ローラ・アシュレイ」等々日本進出の有名メーカーも、続々と経営破綻に伴う店仕舞いが続く。中でも衝撃的だったのは「ブルックス・ブラザース」の経営悪化と身売りのニュース。拠点のアメリカやヨーロッパでは、身売り話も着々進んでいるとも言われるが、日本法人はかなりな数の日本の店舗(アウトレット店を含む)は、現状のままだとも広言している。その実態は分からないが、かつてのアイビーファッションの典型とも言える、あのブルックスの長い歴史も、大きな変容を遂げざるを得ないのだろう。

 まあ余りファッショなどに関心の無い、ぼくのようなオールドボーイにとってはどうでもよい話だが、軽井沢のアウトレットモールに入っている、あの「ブルックス・ブラザーズアウトレット店」だけは、是非存続して欲しいと願っている。青山(今は原宿に移っているが)の日本旗艦店などは、高級すぎて全くお呼びでないのだが、軽井沢のアウトレット店は「LLビーン」と並んで、ここに立ち寄ればいつも手持ちに余裕ある時は結構無理して買ったりもする、お気に入りの店舗なのだから...。

 それにしてもアイビールックとは懐かしい。ハーバード大などのアイビーリーグの大学生達のファッションが基本となったアイビールック。もう半世紀近いぼくの学生時代、男の子達の典型的おしゃれスタイルだった。その頃はジャズも全盛で、新宿や渋谷のジャズ喫茶には、そうしたスタイルの青年達で溢れ返っていたものだった。その憧れとなったのが、当時一世を風靡していた人気バンド、アート・ブレーキ―&ジャズ・メッセンジャーズ(JM)の面々。およそアイビー大学生とは正反対の、リー・モーガン(tp)を筆頭とするやんちゃな街の黒人青年達。リーダーのブレーキ―はファンキーと言った感じがぴったりの粗暴な様相だったが、他のメンバーは全員アイビー調でびしっと決め、恰好良いことこの上なく、まさに当時のファッションアイコンそのものだった。ジャズの魅力の大きな要因の一つが、そのファッションにあり...とも言える時代だった。しかしその後ジャズメンが時代のファッションをリードすることは少なくなり(帝王マイルスは別格だが)、それもジャズ凋落の一因とも言えそうだ。

 そう言えば15年ほど前のことになるが、青山の裏通りを歩いていると、ジャズをファッションコンセプトにしたメーカーのお店が出ており、何気なく入ってみるとそこの社長が大のジャズ好き。それもあの時代のブレーキ―&JMのアイビー&ファンキー・ファッションに強く憧れ、新たなブランドを立ち上げたのだと言う。そこで我がジャズ番組に登場してもらおうと言う話になり、スタジオに遊びに来てもらい、お好きなJM話などをお願いした。ついでに一口スポンサードもお願いしてみたら、これも結構好感触。いい線まで話は進んだのだが、やはり最後は周りの反対意見に流され結局お流れ、残念な結果だった。
 それにしてもあの頃のファンキー・ジャズ&アイビー・ルックに魅了されつくしたと言う結構若い社長さんだったが、その後余りそのブランド名を聞いたこともないので、本業もいまいちパッとしなかったのではなかろうか...。またファッションと言えば軽井沢の旧軽メインロードの中心店舗の一つ、高級ブティックでも現在は経営が思わしくないと言うことで、あの重厚で魅力的なお店は今どうなっているのか...、いささか心配でもある。

 この21世紀、ジャズプレーヤーが再びファッションリーダーになる(ヒップホップとジャズの結合からはもしかしたら...)、そんな時代が再び来るとは余り想像も出来ないのですが、そこら辺どうなんでしょうかね。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の原田和典さん♪】
シリーズ「コロナなんてぶっ飛ばせ!」のラストを飾って頂きました。
M1Don't Knock My Love / Willis "Gator" Jackson
M2Comin Home Baby / Eddie "Lockjaw" Davis
M3March On / Ben Williams
M4St. Louis Blues / Donald Bailey
M5What A Wonderful World / Wallace Roney



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