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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.267~東京ジャズ2015】
 毎年夏も終わり近くなるこの時期、ジャズ界の話題はやはり「東京ジャズ」となるだろう。一昔前までは結構外人ジャズメンを集めたジャズフェスも、夏には開かれていたが今は殆んど無い。それだけにこの東京ジャズの意味合いは大きいのだが、今年で14回目を迎えて9月5日(土)、6日(日)の両日(クラブギグは4日から)、東京有楽町の東京国際フォーラムホールで、昼夜4公演で開催される。

 
今回の目玉はと言うと、ハービー・ハンコックとウエイン・ショーターのデュオ。ボブ・ジェームスの東京フィルとの共演、そして久々の来日になるファラオ・サンダース等々と言った辺りだろうが、一寸興味を惹かれるのが日野さん(日野皓正)とギタリスト、ラリー・カールトンとの共演で、これには何とピアノが、あの引退宣言で話題を呼んだ大西順子だと言う。日野さんは雑食性と言うか、元々タップダンサー上がりのある種ショウマンだけに、なんでもござれの所があるのだが、ブルース・フュージョンとも言えるラリー・カールトンとの共演、それに順子まで加わるとは、どんな良質な化学反応が起きるのか、はたまたしっちゃかめっちゃかな結果に終わってしまうのか...、とんと予測がつかない所が、ジャズ的な面白みと言うかスリルと言うか...、仲々の聴きものではありますね。

 
さてこんなかなり大変なセッションを仕組み、まとめ上げていくのが、NHKエンタープライズ(=エンプラ)の俊腕女性プロデューサー、八嶋敦子女史。番組では毎回ジャズフェス担当の彼女に登場してもらい、東京ジャズの見所、聴き所を紹介してもらっているのだが、今回も打ち合わせで世界中を飛び回っている間を縫って来てもらった。
 
彼女自身はボブ・ジェームスが東北大震災の渦中に岩手県のフルバンドと共演したあのNHKスペシャル(=N特)の番組で、ジャズファンだけでなく全国の音楽ファンにお馴染みの存在になった訳だが、ボブだけでなくハービーやショーター、リー・リトナー等と言った、大御所達とも対等に語り合う可憐な女丈夫でもある。その彼女の密かなお勧めがシンガー・ソング・ベーシストとも言える、歌う女性ベーシスト、主張する女性ベーシストのエスペランサ・ホールディング。ジャズだけでなくヒップホップからソウルなど、アフロアメリカン女性ミュージシャンとして、なんで吸収し、自身の音楽に取り入れる急進派ミュージシャンで、ぼくも今回の中で最も期待してるステージでもある。ジャズはジャズで変な社会的関心などは持たない方が...、などととのたまうバカな輩がこの所増えつつあり、それがジャズをダメにしている一因なのだが、そういう風潮に真っ向から対峙するエスペランサ。実に格好いい存在だ。
 
 
その他これは東京ジャズの面白い所なのだが、メイン会場の外の特設スタジオで行われる無料の野外ライブ。こちらには世界各国の若手の優秀ジャズメンが顔を揃え、こちらを聴いている方が、現在のワールドジャズ状況が分かる、という摩訶不思議なある意味皮肉な現象。最近はこの野外コンサートだけを聴きに来るファンも増えつつあり、それはそれで意味あることだし、それもジャズならではの愉しみとする八嶋女史などのスタッフも、なかなかに立派だとも言えそうだ。

 
まあ夏の終わりと言うか秋の初めの2日間。世界中のジャズを思い切り愉しんでくださいね。色々な洒落た屋台も登場し、安めの御馳走も味わえるようですから...。
【今週の番組ゲスト:東京ジャズ事務局の八島敦子さん】

M1Oberek / ANNA MARIA JOPEK

M2Uprising / NEW CENTURY JAZZ QUINTET

M3Succotash / Kyoto Jazz Sextet

M4『疾走する閃光 / fox capture plan

M5Twist Of Rit / Lee Ritenour



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