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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.110~追分便り~】

 7月末から追分の山荘に来ている。今回は避暑もあるのだが、第一の目的は前にも記した7月末に行われた第1回の“軽井沢ジャズ・フェスティバル”の取材。朝早く起きていつものように用水の周辺を1時間ほど散歩したが、ホトトギス、鶯、カッコウそして甲高く鋭い声で“キーン”と鳴くキジまで、実に多くの野鳥達が鳴き交わす。用水では驚いたことに、鴨が上流から下流迄20羽近く遊んでいた。しかし何時も居るはずの、御影用水の主とも言える4羽が居ない。新参者に追いやられたか、大変に気になるところではある。また明日でも確かめてみないと…。

 さて肝心の“軽井沢ジャズ・フェス”だが、このフェスを立ち上げたのは、“ソニー”のジャズ部門でチーフとして活躍し、今はフリーのジャズ・プロデューサーとしてアルバム制作やイベントを行っている、製作会社“88”の代表、伊藤八十八氏。氏は早稲田大の1年後輩だが、音楽サークルは“ニューオリ-ンズ・ジャズ・クラブ”の出身でぼくとは異なる。長年ジャズ制作に携わってきただけに、実に幅広い人脈を有しており、その人脈を駆使して、今回の出演者も豪華だった。あのカウント・ベイシー・オーケストラから渡辺貞夫、山下洋輔、ケイコ・リー、そして今注目の的・寺久保エリナまで、これらを一堂に集め土、日の2日間、昼、夜2回の全4回公演を行うという個人事務所のイベントとしては実にスケールの大きなもので、さすが伊藤八十八氏ならではと感心した。

 場所は軽井沢が誇る音楽堂、あのソニーの会長だった大賀氏が町に寄贈した大賀ホール。クラシックがメインのホールだが、音響や客席、環境なども抜群で、出演者は一様にその良さを絶賛していた。今回の聴きものはやはり寺久保エリナと山下さんの共演ステージとサダオさんのカルテット。お二人には楽屋でお目に掛かったが、元気そのもので、特にサダオさんはもう80才を超えているのに、実に若くてうらやましい。演奏もバイタリティー溢れたもので、まさにワン&オンリーのサダオ・ワールド全開だった。寺久保エリナはバークリー音楽大学の夏休みでの一時帰国中だが、確実にその成長振りを窺わせる迫力溢れるステージで、鬼才山下洋輔もたじたじだった。観客動員もまあまあ順調で、来年も是非実現させて欲しいジャズ・イベントであるし、ぼくも出来る限り協力したいと考えている。


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