10月15日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2020/10/15(木) 19:00 番組スタッフ
「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.535~さかもと未明

  世の中には凡人には考えられないほど、様々な才能を発揮する才人も少なくない。その上その才が活発な余り、周囲と諸々の軋轢を生じてしまうと言った人もいる。そんな一人...と言うと、当人に怒られるかも知れないが、さかもと未明と言う女性も結構誤解を招きやすい才人に思えてならない。元々は漫画家(結構その絵柄好きでした)で売り出したがその後作家、画家等々、様々なクリエイターの仕事をこなし、まさにマルチアーティストの名称に相応しい。更にその名前を有名にしたのは、TVコメンテーターとしての役割。結構コメンテイターの仕事もやってきたようだが、ディレクターと喧嘩したのかプイとスタジオを飛び出してしまったとか、飛行機で赤ん坊の声がうるさい(?)と文句を付け発着を遅らせたとか...、何かと話題になる才媛でもある。その彼女が今画家の仕事と共に、最も大事にしていると言うのがジャズシンガー。これまでに2枚のアルバムを出しているが、この新作『ムーランルージュ』は、シンガーさかもと未明の力量を最大限に発揮したものとして各方面から注目を集めている。

 この作品のレビュー(アルバム評価)を「ジャズ・ジャパン」誌から頼まれ、聴いてみるとこれが他にはない個性的な作品。エスプリの効いた、コケティッシュでハイセンスな面白さがあり、結構気に入ってそれなりの評価を付けた。更に気になったのは歌っているその当人のこと。色々な評判も聞いていたので、(恐る恐るだが)「テイスト・オブ・ジャズ」出演のオファーを送ってみると、二つ返事でOKとのこと。
 収録当日は受付までお迎えしたのだが、暑い時期にも拘らず、寒いことを一番に気にしたコート姿で現れ、実に礼儀正しいお人だった。アルバムレビューへの感謝の言葉なども頂き、こちらも恐縮したが、山本嬢もいささか緊張の面持ち。元々彼女はアスペルガーなど様々な難病を抱える「苦」の人でもあり、病のために手が動かなくなり漫画家の仕事を中断した...と言った話もある。

 ジャズシンガーとしてかなり頑張ったと言う今回の新作では、フランス語をメインにあのミッシェル・ルグランの名曲の数々を歌いこなしており、それに「チュニジアの夜」などのジャズスタンダードも織り交ぜ、かなり多彩な選曲となっている。番組ではその新作の話が中心だったが、自身の病の話、ジャズシンガーとしての個性の出し方、実際にはしゃべれないのだが、カタカナなどを振ってもらいかなり自己流にアレンジして歌ったと言う、フランス語でのルグランナンバーの話、ルグランの息子=パンジャマン・ルグランとの感激のデュオ(2曲)の話など、色々と話しにくいだろう話題までもさらっと語ってくれるなど、その率直さそして話の面白さに、山本嬢ともども好感度大だった。結果番組は面白エピソード満載の、最近珍しいほどの充実の内容になった。
 
 この新作の音楽監督はこれも才人のピアニストのクリヤ・マコト。「最近クリヤ君忙しいせいか、番組に来てくれないなー」などと言うと、すぐに彼に電話してくれたのだが、あいにくの仕事中でつながらず。しかしさかもと未明、実に気遣いの人でもあった。人の評判などは実際に会って見ないと分からないものと、今回つくづく感じ入った次第です。

【今週の番組ゲスト:インターメディアアーティストのさかもと未明さん】
新譜『MOULIN ROUGE』から
M1Les Parapluies De Cherbourg」(シェルブールの雨傘)
M2L'été 42」(おもいでの夏)
M3 A Night In Tunisia
M4What Are You Doing the Rest of Your Life?」(これからの人生)



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