お知らせ:

テイスト・オブ・ジャズ

番組へのお便りはこちら
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日22:00-22:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.186~天才アケタ~】

 東京の高円寺で生まれ育ち、その地で30年間通学・通勤を繰り返し、結婚して数年は高尾の外れの新設団地住まい(かなりな山の中で、深夜に高尾の駅から40分ぐらいかけて歩くこともしばしば...)。さすがに疲れて国立の南に移り住み、そして現在の国立の北(住所は国分寺)に住んではや4半世紀。思い起こせば生まれてこの方、中央線を離れていない。それだけに典型的な中産階級路線、JR中央線には大変な愛着がある。この路線には気取らない良さと同時に、知的な雰囲気も濃厚だが、ただ一つ人身事故が多いこと。考えてみれば人身事故と言う単語、いかにも日本的な隠蔽体質むき出しの言葉で問題大有りだが、まあそれは今回は問題にしない。


 
そんな中央線文化を代表するものの一つがジャズ。なにせ「中央線ジャズ」という用語もあり、同名のジャズ本も出されている。そしてこの言葉、J-ジャズのある側面を象徴しており、ジャズの全盛期にはこの「中央線ジャズ」に属するミュージシャン、シンガーも多かった。その言葉の命名者は、国立でジャズ・バーのオーナーに収まっている、かつての新星堂のジャズ責任者、村上寛氏だが、彼の店には一橋大の学生も良く集まり、その連中が彼を担ぎ出し始めた「国立パワー・ジャズ」も、昨年暮れ無事に4回目のイベントを好評のうちに終了した。

 そして
中央線ジャズの拠点になっているライブ・ハウスが、西荻窪にある「アケタの店」。ここも今年で40周年で、そのオーナーはピアニスト、楽器オカリナ制作者にして奏者、エッセイスト、美大講師、そしてジャズ・レーベル「アケタズ・ディスク」の社長と多彩な顔を持つ、自他ともに認める天才アケタこと明田川荘之。店の40周年と言う事は、中央線ジャズも40周年。となれば是非とも彼に登場してもらわないとならない。丁度昨年終わりに、新譜も4枚出たところだったので、それを持って店の宣伝も兼ねて番組に登場してもらうことになった。

 
彼の父親は中央線文化を代表する有名彫刻家で、オカリナと言う楽器の発明者。その血を受け継いで立教大を出た後、プロのジャズ・ピアニストになった。そのピアノの腕前は勿論だが、天才を自称しているだけに、くだらない親父ギャグを連発する癖があり、今回の収録では比較的ギャグとダジャレの出は悪かったが、時々くだらないダジャレを言っては相変わらず一人乙に入っていた。ただ今回は番組ではかけられなかったのだが、彼と村上氏のコンビで作ったアルバム『わっぺ』に収録されている「エアジン・ラプソディー」。「アケタ西荻センチメンタル・フィルハーモニー・オーケストラ」と言う仰々しい名称のビッグ・コンボが演奏するこの曲、究極の名曲にして名演。ぜひ皆様にも聴いて欲しい一曲だ。ただ自身で「どうしてこんな名曲が書けるのか...、作者よ出てこい」などと自慢げに語る所は許しがたい。それにしても本当に泣かせる、素晴らしい曲で演奏です

お知らせ

お知らせ一覧