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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日19:30-20:00(再放送毎週日曜日20:00-20:30)好評放送中です。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.32~アストール・ピアソラ~】

 先日フィギュア・スケートの国際大会を見ていたら、ピアソラの曲で優雅にスケーティングを行う女子選手が何人かいて、本当にびっくりしてしまった。それもまだ10代半ばの選手なのである。コーチからピアソラ・ナンバーを使うことを勧められたのだろうが、曲の決定は自身で行うはずだから、その中学生ぐらいの少女もピアソラに惹かれた所は多かったに違いない。と書いてきて肝心のピアソラ自身を知らないジャズ・ファンも、少ないかもしれないと気付いた。

 アストール・ピアソラ。現代タンゴの鬼才にして革命家。彼が亡くなってすでに20年以上の年月が経過するが、その偉大さは益々意味を増しつつあるようだ。ピアソラの音楽はそれまでのタンゴを大幅に改革したものだけに、タンゴ・ファンはその価値を認めない人も多いようだが、タンゴ界のマイルス・デイビスと言った趣きで、ジャズや現代音楽などの要素もプラスさせ、全く斬新で刺激的な音楽~ニュー・タンゴを作り上げたのだった。

 ぼくが彼の音楽に最初に触れたのは、今から30年以上前のことで本当に偶然だったが、その素晴しさには感嘆したものだった。その後彼は数度来日を果たしたが、そのコンサートも圧巻もので、これまでの様々なコンサートの中でもベストと言えるものだった。そんな彼の音楽がこのところまた注目を集めているようで、フィギュア・スケートのバック音楽だけでなく、ジャズ・ミュージシャン達もこぞって、彼の曲を取り上げるようになっている。元々バリトン・サックスのジェリー・マリガンや、ヴァイブのゲイリー・バートンなどと共演したジャズ・タンゴ・アルバムを残している彼の特集も是非一度番組でやりたいと考えています。乞うご期待!


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