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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.312~才人・佐山雅弘】

 5月に女王、寺井尚子が登場したと思ったら、今度は彼女のユニットの音楽監督とも言える立場のピアニスト、佐山雅弘がスタジオに遊びに来てくれた。確か5~6年ぶりの登場になるはずである。彼はまさに才人と言った表現がぴったりのミュージシャンで、寺井バンド以外にも自身のトリオ、音大のジャズ科主任教授、川崎の大ホール・ミューザ川崎の音楽監督、ジャズプロデューサー等々、実に多彩な活躍を繰り広げる売れっ子。その彼と久しぶりに会うと、大分痩せた感じもありいささか心配で聞いてみると、胃の半分近くを切り取る大手術をしたんだと言う。もうだいぶ調子は戻っているが、未だ食事などに気をつけない部分もあるとのこと。ただ数日前からお酒も飲めるようになったと嬉しそうに語ってくれたので、じゃ収録後に近くで一杯やろうでは...と言う話になった。

 
その彼が今回スタジオに来てくれたのは、久方振りに新作を発表したからなのだが、ベーシストの藤原清登とのデュオによるそのアルバムのタイトルは『思い出す、会いたがる、恋い慕う』と言うロマンティックなもの。韓国の人気作曲家チームの作品で、この曲が気に入ってアルバム作りをしようと思ったと言い、それならば初めて藤原とデュオでやってみよう...と考えたとのこと。このアルバム、このタイトル曲以外にも、彼が大好きだと言うシャンソン歌手、シャルル・アズナブールの「返り来ぬ青春」や、これもフランスで大ヒットした童謡風な「マルセリーノの歌」、 ボブ・ディランの曲でキース・ジャレットの若かりし頃の名演で知られる「マイ・バック・ぺージ」など、実にいい曲が並んでいる。面白いのはあの韓国民謡アリランを佐山流に解釈し直した「花アリラン」と,フレンチテイストの小洒落たナンバー「すれ違いのロンド」と言う2曲の彼のオリジナル。いかにも才人、佐山ならではのセンスに溢れたナンバーで、名手、藤原とのデュオも抜群。大人が楽しめる心地良いジャズになっている。

 
スタジオ収録には、コーディネート役を務めた、キングレコードのお偉いさん(になってしまった)森川進氏も立ち合いに現れたが、スタジオ録音は初共演にも関わらず実にスムーズで、匠同士の共演と言った和気藹々のものだったと彼も語ってくれた。今は大病後なので仕事は控えめにしているともいうが、それでも週3日ほど大学に通い、頼まれたアレンジ作業やライブハウスでのギグ(仕事)など、スケジュールはびっしりのようだ。「少し休んだら...」と言うと「そうはしたいんだが、どうにもままならないんですよ」と言う返事。才覚溢れた御仁だけに、周りもほっとかないはずで、才人はなにかと大変と言った好例とも言えそうだ。

 番組終了後虎ノ門の酒場に、山本アナも加え4人で向かう。魚の旨いことで知られるこの店は満杯、ようやく席を見つけ潜り込むと、 久々の酒と言うことで佐山氏は大喜び、実に愉しいアフターセッションになった。席上どういう訳か山本嬢のヌード写真集出版と言う話で盛り上がり、それならば佐山氏のピアノ伴奏付きのこれまでに無い貴重な写真集にすれば...と提案すると、佐山氏も大乗り気。じゃやりましょうよ、と言う実現性ないお話でお開きになったが、佐山氏は終始ご機嫌だった。才人との愉しいひと時でした。

【今週の番組ゲスト:ジャズピアニストの佐山雅弘さん】
M1「すれ違いのロンド」
M2「花アリラン」
M3「ダヴィデの万年筆」
M4「帰り来ぬ青春」

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