9月1日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2018/08/31(金) 19:00 番組スタッフ
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.425~大物共演】 

 このところのジャズ界の話題として、大物同士の共演=トニー・ベネットとダイアナ・クラールとのデュオ共演作が挙げられる。現在のジャズボーカルのキングとクイーンの共演、これは余り話題の多くないジャズ界にとって格好のネタになることは必定。トニー・ベネットはもう齢90を超えているが未だ意気軒高...、とは言え流石に高齢だけにそろそろ店じまいを...とも考えているのは間違いないだろう。一方ダイアンの方は今シンガーとして最も脂の乗り切っており、私生活ではあのロックスター、エルビス・コステロの奥方としても充実の様子。この2人ががっぷり四つに組んでのデュオとなれば、本場アメリカでは大評判間違い無く、日本でも色々と話題をさらうはずである。

 
ところで大御所トニーが女性シンガーとのデュオワークに熱を入れ出したのは、今世紀のはじめのことで、02年にカナダ出身のシンガーソングライターk.d.ラングと共演したアルバム『この素晴らしき世界』を発表して以来のはず。もちろんそれまでにも彼は様々なシンガーとデュオをこなして来ているが、意識的にデュオに取り組もうと思ったのはこのアルバムでの成功が大きかったと思われる。以降彼はレディー・ガガなどさまざまなポップスターとの共演に務め、それらをまとめた『デュオ』『デュオⅡ』、さらに中南米のラテンポップス界のスター達とのデュオ作までも発表、あたかもデュオの帝王と言った様相すらあった。そんな彼がこのシリーズの打ち止め(?)として選んだ相手が、今や自他ともに認めるジャズボーカルの女王ダイアナだったと言う次第。

 実のところぼくはこの2人の2重唱、まだ1曲しか耳にしていない。それだけに全面的に皆様におススメとはいかないが、その1曲だけでもやはりこのデュオ作に賭ける2人の意気込みは良く分かると言うもの。90才を超えても未だ若々しいトニー(さすがにその声量には陰りも感じられるが、そのテクニックは抜群)と、ジャズ回帰の傾向も見られるダイアン、この2人の達人のデュオを聴けば、ゴージャスな気分に包まれることは間違いなく、ジャズボーカルのある極地を体験出来るにも違いない。アルバム発売は9月14日、皆様もお愉しみに...。

 
といった所で少し最近のジャズボーカル事情について記してみると...。男性ジャズボーカルと言えば、シナトラ、トニー、ナット・キング・コールなどの大御所達。彼らはジャズと言うよりもポップスターでもあった訳だが、純粋なジャズボーカルとしては白人ではメル・トーメ、黒人ではアル・ジャローなどが挙げられ、今はグレゴリー・ポッター、ホセ・ジェームスなどのソウルにも近い黒人シンガーが元気一杯で、白人では今や中堅以上の実力派とも言える存在のカート・エリング辺りか...。特に黒人シンガーは様々な資質も登場、中々の活気ある状況がみられる。
 
一方女性陣はエラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、カーメン・マクレエのいわゆるボーカル御三家や、クリス・コナー、ジューン・クリスティなどの白人大御所がシーンから消え去った後、ディー・ディー・ブリッジウオーターなど多士済々の才能を輩出。今やボーカルシーンの中心を担っているのがダイアナと並び黒人ではカサンドラ・ウィルソンと言うことになる。そしてもう一人、ジャズとは毛色が変わったジャージーシンガーとしてノラ・ジョーンズの名前が挙げられる。いずれにせよ男性陣よりも人材豊富でにぎやかだし、動きも活発だ。

 
さて日本のボーカルシーンを見てみると女性陣は新しい資質も登場し、かなり勢い充分なのだが、こと男性陣はほとんど影無し。やはり男性ボーカルは日本では難しいようで、新進では番組にも出てくれた牧野慎太郎君など数人を除くと、ほとんど話題に上ることが無くいささか寂しいがまあ仕方ないだろう。
 
新人ボーカルでぼくのお勧めは、ノラ・ジョーンズとも資質が近い、オーガニック系シンガーのキャンディス・スプリングス、彼女の新作ももうすぐ登場する。そしてもう一人、ヨーロッパからNYに渡り、ジプシー・スイング系のノスタルジックな歌唱で注目を集めているシリル・エイミー。この2人です。従来のジャズボーカルとは一味違いますが、どちらも味わいの歌い手達。皆様もアルバムを見つけて一度聴いてみてください。

【今週の番組ゲスト:ブラジルテイストのポップスバンド「Carnavacation」のリーダーでボーカル村田匠さん】 
2
枚同時リリースのデビューアルバム
CARNIVAL」と「VACATION」から

M1
「江ノ島メロディーLOVE
M2ZEN ZEN ZEN feat. Gabriel Moura
M3「だれも知らない」
M4「哀しい口笛」

































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