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テイスト・オブ・ジャズ

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テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.365~軽井沢ジャズ17】

 7月に入り最初の日曜日、この国の将来を左右するような大事な選挙、都議会議員選挙と言う地方選挙ではあるが憲法改正などと言う国政の最大問題にも通じかねない大事な選挙が行われ、大方の予想通りにあの驕れる安倍ちゃん率いる自民党は大敗した。いつもならば選挙と言えば全面にしゃしゃり出る安倍ちゃんも、今回は取り巻き達の忠告もありひたすら謹慎、選挙戦の最後の日にようやく街頭に出たのだが、その街頭演説にはあの籠池氏も参上、現場は混乱の極みだったとも聞く。そして結果はかつてない大惨敗。数を頼みに全てを強引に押し通し続けて来た自身の驕り、そしてお仲間・お友達・安倍チルドレン等々だけを重用、彼らの数々の暴言・失言がボディブローのように効き、予想通りいやそれ以上の彼にしたら散々な結果になってしまった。自業自得の極みとも言える結果だが、一つ見逃せないのはあの稲田女史の自衛隊応援発言。一見失言のようにも見えるが、これはあの豊田女史の暴言など一連の不祥事とは全く位相の異なる重大発言。軍隊と言う組織が個人の権力維持の道具に使われたら...と言う、重大危機すら認識していない防衛のトップ(よく弁護士をしていたものである)、そしてそれを罷免すれば自身もアウトと頬かむりし続ける安倍ちゃん...。まあ自身の爺さん超えで名声を残したい為だけに()、国の根幹の憲法もやみくもに改正しよう(その改正意図や箇所などもしばしば変わる)などと考え・公言する彼だけに、女史の発言も特に問題ありとは考えてはいないのだろうが...。

 
さて政治の問題はさておき、音楽関連では7月からのサマーシーズンは音楽フェスで盛り上がる書き入れ時。ジャズ全盛の70~80年代には、首都圏周辺でも大規模なジャズフェスが数多く開かれたものだが、今は見る影もない有様。一方当時は数少なかったロックフェスも、今は全盛で有名海外ミュージシャンも数多く登場、観客動員も凄まじい数で、完全に夏の風物詩として定着した感あり。更には上原ひろみなどのジャズ界の若手有望株も、こうしたロックフェスに次々参戦と言う、皮肉な現象すら起きている。この逆転現象は時の流れではあるのだが、もう一つジャズフェスの主催者は企画スタート時点でフェスの損益分岐点を超える~即ちスポンサーを見つけ黒字化することだけに腐心、観客のことなどは二の次だった様にも思えた。これに対しロックフェスの方は皮きりの「フジロック」を始め多くが、スタート時点ではスタッフは全くの手弁当、観客動員にその全てを賭けていた感も強い。根本時点でのこうした音楽に向き合う心根の有り様の差、これも今大きく差がついてしまった要因では...とぼくは思っている。

 
まあこんなことを嘆き悲しんでいてもしょうがない。現在あるジャズフェスをより良いものに...と言うことで、ぼくもそのスタート時からいくらかお手伝いさせてもらっている「軽井沢ジャズフェス」。6回目を数える今年もまた7月29日()に、軽井沢の地で開催される運びとなり、我がジャズ番組でもまたこのフェス紹介をすることにした。元々古くからのジャズ仲間で慶友のジャズプロデューサー故伊藤八十八氏(早大時代は彼が1年下で、ニューオリーンズ・ジャズ・クラブ所属)が、長年の夢だった避暑地でのジャズフェス~あの伝説のジャズ映画「真夏の夜のジャズ」の舞台、アメリカでも屈指の避暑地、ニューポートでのジャズフェスを日本でも実現したい...と企画・実施した「軽井沢ジャズフェス」。この地の端っこに山荘を構えているぼくも彼の考えを聞き、出来ることは...と協力してきたのだが、彼も重い病に倒れ亡くなってしまい,フェスをどうするかと思っていた矢先、未亡人の妙子さんが彼の遺志を継いで続行を決意、昨年から再スタートしたと言う曰く付きのジャズフェス。昨年からはこれも日本のお笑い界のボスにして長年の友人の一人、北軽井沢に数年前に移住したプロデューサー・演出家・エッセイスト等々、多彩な顔を持つ才人・高平哲郎氏(フジTVのお笑い路線は彼が作り上げたもの)が構成・演出を手掛けており、それまでは2日間だったフェス日程も1日に短縮、ぐっと中身の濃いものに仕上げ直した。その2年目であり出演者も仲々に興味深い。司会・進行はこれもまた古くからの知り合い、山下洋輔トリオのオリジナルメンバーで音大のジャズ科教授も務めていた「せいいっちゃん」こと中村誠一(ts)氏で、開催場所は例年通り軽井沢が世界に誇る音楽ホール「大賀ホール」。元ソニー会長の大賀氏が自費を投じて作ったホールで、完成後は街に寄付した。

 
昨年はジャズフェスについて、高平氏とプロデューサーに就任したばかりの伊藤妙子さんに、スタジオに来てもらいいろいろ話を聞いたが、今年は高平・誠一コンビに登場してもらうのが一番と言うことで話をしたのだが、多忙な二人だけにスケジュールが合わずお流れ(高平氏はインタビュー出演)。変わって妙子さんとこのフェスを毎回聴いていると言う、新宿ジャズ界のボスと言うより新宿文化の象徴とも言える新宿DUGのマスターにしてジャズ写真家の中平穂積氏(伊藤氏の師匠格)の2人に、この避暑地でのジャズフェスの魅力について語りあってもらうことにした。
 
今年の登場ミュージシャンはアメリカで大活躍の若手アルト奏者、寺久保エレナを始め、エレナと並ぶ若手のホープであるピアノの桑原あい、伊藤氏が見いだし今やベテランシンガーとも言えるマリーン、邦楽とジャズを融合させた独自の音楽を展開する仙波清彦師匠、それと誠一ちゃん、更には地元でよく知られたセミプロ・ジャズフルバンドの「オブサウンズ」等など。かつてタモリと新宿の酒場で毎晩即興でやりあっていた、誠一氏の軽妙な司会トークも聞きもので期待するところ大ですね。
【今週の番組ゲスト:軽井沢ジャスフェスティバル プロデューサーの伊藤妙子さんと写真家で新宿「DUG」のオーナー中平穂積さん】 
M1
The Back / 桑原あい」
M2
Grand Prix / THE SQUARE
M3
Isn't she lovely / Marlene
M4
「ブルキナ / 寺久保エレナ」

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