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テイスト・オブ・ジャズ

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テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.339~17年の幕開け】

 あけましておめでとうございます。いよいよ波乱の年、2017年が幕を開けました。ここ10数年で最も波乱と言うか混乱、そして暗雲立ち込める年になるのは、まず間違いないと思われますが、こうした波乱の年に限って(?)その幕開けが風もなく暖かく天候は実に穏やか...というのも不思議なものです。さてあと数週間で米国ではあの「マッドドッグ」トランプが大統領に就任、それ以降世界がどう変わるのかは、流石に時流を占う識者達も全く読めず、ましてや我らは何とも言い難く、ただ流れに身を任せるしかない訳ですが、トランプの閣僚名簿を見ると株屋と成り上がりの資本家、そして軍人とこれまでの米国政府とは全く異なった経歴の顔触れが揃っています。軍人は戦争を仕掛けること、成り上がり資本家や株屋達は自身が儲けること、マッドが宣う米国を強くするという言葉は、そのまま自分達の利益を増やすこととその為には手段を択ばないという宣言にも取れます。彼の大統領就任演説を聞かないと、今後の方針や根本の真意は汲み取れませんが、典型的な成り上がり金持ちの自己中心思想(=米国
中心主義)と彼は考えているようですから...。いずれにせよその行動、考え方など安倍首相の行動と共に、これからしっかりとウオッチしていかなければならないでしょう。大変な時代が来たものです。

 
まあそんな世界情勢はさておいて、この正月は天気も良く絶好の初もうで日和。早朝出発し恒例参拝の富士吉田市の浅間神社に向かったのですが、余りに中央高速道路が順調に進んだせいか、富士吉田市に向かう車線を通り過ぎてしまい、次のインター出口は遥か遠い甲州の勝沼。こうなるともう引き返す訳にもいかずそのまま勝沼で降りて一路進んでいくと、なんと幸運なことに浅間神社の分所とも言える甲斐一宮の浅間神社に出くわし、こちらで初詣を済ませることとしました。本宮に比べるとかなり小振りですが、人もさほどは多くなく心行くまで願い事が出来ました。怪我の功名と言うやつですかね。
 
初詣をすませれば次は今年の初温泉。一宮となれば眺めの良い露天風呂のほったらかし温泉となる訳ですが、ここは新年で天気も良し...と言うことで、少し遠いもののお風呂からの南アルプス連峰や八が岳の眺めも抜群な、市川大門そばのみたまの湯に行くことにしました。正月はさすがに日帰り湯も営業しているところは少なくお客で満員でしたが、南アルプスの北岳など眺望ばっちりで愉しい温泉気分に浸れました。
 
翌2日はTVでのスポーツ観戦で、箱根駅伝とラグビー大学選手権。駅伝は早大が健闘し往路2位に食い込んだのですが、ラグビーの方は正月越え出来ず不甲斐なかった早大ラグビー部。そのせいで余り試合観戦も楽しむことも出来ずにお開き。いささか寂しい思いでした。まあこんな正月ですがこれからが本番、今年もオールドボーイらしくせいぜい頑張るつもりですので、お手柔らかによろしく...。

 
ところで今年最初のジャズ番組のゲストは、大学時代からの仲間、J-ジャズベースのレジェンド「鈴木"チン"良雄」と、1学年下で森田一義=タモリと同期でNY在住のギタリスト増尾良秋の2名。学生時代からサダオさんに認められプロ入り早くから人気者となった彼ら。2人ともNYにわたり修行、増尾の方は美人の米国女性と結婚してそのまま現地住まい。美少年だった増尾ちゃんはジャニーズ並みの人気を誇ったものだが、その彼ももう70才、そのお祝いライブにはタモリも祝福したという。良き仲間を迎え今やベテランの彼らにいろいろと話を聞きます。

 
今週の推薦ナンバーは当然2人の共演曲ですが、年始と言うことでもう1曲是非オススメしたいのが、「ブギウギの女王」として戦争直後に一世を風靡した、笠置シヅ子の「ラッパと娘」。戦前の昭和13年ごろの録音で、作曲・作詞は日本ジャズの大立者、服部良一。どうしてこんな曲を選んだかと言うと、今月の末から月1回「ジャズは愉し...(仮題)」と言う教養講座を、とある区役所から頼まれ引き受けることにしたのですが、そのテーマがこれまで余り関心の持たれなかった「日本のジャズ」。ぼく自身もこの分野をそんなに知っている訳でもなく、鋭意勉強中なのですが、そこで驚かされたのがこの笠置シヅ子の「ラッパと娘」。ドライブ感、卓抜なフィーリング、力強い歌い口等など、まさに天才の名にぴったりで、本場の歌手にも充分に伍せるだけの実力の持ち主。それだけに戦後直ぐ「東京ブギウギ」などで大ヒットを記録したのも至極当然なのですが、その魅力は今のジャズファンを揺り動かすに違い有りません。彼女の音を見つけ出すのはいささか大変かも知れませんが、是非聞いてみて欲しいものです。ジャズソングに対する認識が一変するはずです。それと安倍政権のおかげで今や時代はまたどんどん戦前回帰に向かいつつあり、そうなればジャズやロックなども退廃音楽として敬遠される悪しき風潮も蔓延るかも知れないだけに、この笠置シヅ子の歌声はそうした風潮への強い歯止めとしても、意味あるものとも思うのですが...。
 
それにしてもこうした悪しき時代に抗い、皆さまもまた良いお年を...。  
【今週の番組ゲスト:ベーシストの"チンさん"こと鈴木良雄さんと、NY在住のギタリスト増尾好秋さん】
M1「Around The World In 80 Days
M2「Sailing&Rolling
M3「I'll Be With You
M4A Nightingale Sang In Berkley Square
 

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