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テイスト・オブ・ジャズ

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テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.380~ハローウィンとジャズ】

 ここ10数年、9月半ばぐらいから10月にかけて、街は異様なカボチャのおもちゃやお面などで埋め尽くされる。所謂「ハローウイン」祭りである。それまではほとんど見掛けなかったもので、オールドボーイのぼくなどは関心も無かったのだが、アメリカから渡りじわじわと若年層や女性陣に浸透し始め、今では秋の一大イベントと言う認識も高まり、街は仮装の若者や子供で溢れかえる。本場アメリカなどではこのハローウイン、恐ろしい仮装集団が実際に街や人を襲うなどと言う、いかにもあの悪漢トランプを生み出した、悪しき大国ならではの事態がここ数年起きているとも言われ、この流行は間もなく付和雷同型社会の日本でも起きるの
では...とも考えられる。しかし多くの連中は果たしてこのイベントがどんな起源を持ち、何時がその当日なのか...、意外と知らないものと思えてならない。と言うことで好奇心旺盛のチャンジー(じい様)でもあるぼくが、恥を忍んで調べてみるとこれはなんとあのケルト民族(アイルランド)由来の収穫祭が起源。そこでは人々が仮装して悪霊を追い払い収穫を祈願するのだそうで、お祭りは10月30日と決まっているとのこと。そうなるとこの日に都心の盛り場~特に渋谷が凄いようだが、そこに出没しなければ仮装した馬鹿な悪ガキたちにも会わずに済むと言うもの。数年前たまたま運悪くこの夜に渋谷の飲み屋で打合せ、帰り道はひどい目にあったので、この10月30日と言う日、オールドボーイ達はしっかりと心に留めておかねばならない。

 
それにしてもこのお祭り、ヨーロッパ移民の中でも最も新参者でもある、アイルランド移民によって新大陸アメリカに持ち込まれた訳だが、今では宗教色は皆無でただ単なる仮装のお祭り日(子供主体だが)と成り果ててしまい、それを秋に何か新たな商売ネタをと考えていた日本の広告業界と流通業界の結託で持ち込まれ、今の異常な隆盛になったと言う次第だ。こんなことに熱中する位ならばもっと政府内閣をしっかり監視する方にでも精力を注げば...とも思うが、それもオールドボーイの孤独な嘆きなのかも知れない。もう世も末である。

 
さてこんな忌まわしきハローウインだが、これを商売のタネにと考えるのはどこも同じで、音楽業界も右に倣え。この時期には「ハローウイン・ミュージック(ハローウインにぴったりな音楽)」なるコンピレーションアルバムもいくつか登場している。ただその多くはなぜかその起源を尊重してか、宗教的色彩の濃いクラシックのコンピレーションアルバムである。そこでぼくのハローウイン関連ジャズナンバーのお勧めを一つ。現代屈指のジャズピアニストの一人、チック・コリアが自身のトリオで吹き込んだ「グレート・パンプキン・ワルツ」。これは『ハッピー・アニバーサリー、チャーリー・ブラウン&スヌーピー』と言う一頃大人気だったジャズレーベル「GRP」が企画したアメリカンコミック「ピーナッツ」関連オムニバスアルバムに収録されているもの(70年代初めの録音)。このコミックならではの愛らしさ全開のジャズワルツで、少しのおどろおどろしさも無い所がなんとも微笑ましくてグッドです。

 
それにしてもこんな仮装のお祭りにうつつを抜かすならば、もっと他にも骨太のものがある筈で、今年はあの革命児チェ・ゲバラの没後50年。少しは彼の生きざまでも...などとも思うが、それならばおまえ自身は...と問われると返す言葉も無い。チェ・ゲバラに関しては大メジャー「ユニバーサル」が、その没後50年を期して「チェ!アフロキューバン・ジャズ」というジャズラテンの素晴らしいコンピレーションアルバムを出してくれた。ディジー・ガレスピーからチューチョ・バルデス、ミッシェル・カミロまでどれも血沸き肉躍る熱演・快演が全14曲、興奮しまくりです。仮装なぞを止め熱き志で...とオールドボーイの繰り言を再び。

【今週の番組ゲスト:SHOTA LEE BIG BANDのリーダー李 祥太さん】
5月にリリースされた1st アルバム『希望峰』から

M1Starting Line
M2「A Simple Pleasure」
M3Kibo-ho

M4But Beautiful
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