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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.291~バカ犬逝く】

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月末のある早朝、その日は前夜からの雨が雪に変わるのでは...とも予想されるほどの寒い朝、我が家のバカ犬ことピーちゃん(本名モアナ)は15才にあと1ヶ月ほどという命を燃え尽きさせてしまった。トイプードルの寿命は一般的には13年~16年ほどとも言われるから、まあ天寿を全うしたというか犬寿を全うした一生だったと思われる。死ぬ前々日までは元気で餌を求めて鳴き叫んでいたのだが、前日になると様子が一変、散歩にも行かず歩かせようとするとグニュッと倒れてしまう始末。これは大事と暖かい布団に入れて寝かせていたのだが、全く回復の様子もない。相当におかしいと言うことで生まれて初めて近くの獣医の処に連れて行ったら、熱があり肺炎の疑いもあるという見立て。抗生剤を注射してもらい家に戻ったが回復の兆しはない。と言うことで急遽ピーちゃんの本来の持ち主である、娘に連絡を取り来てもらうことにした。娘が夜に到着しピーちゃんを抱きしめると幾分落ち着いた様子だが、依然元気はない。娘が明日の仕事のため夜中に帰ってしまい、深夜2時ごろまで安否を見ていたがどうにか大丈夫と判断、その夜は寝てしまった。早朝5時頃様子を見ようと起きててみると、口から泡を吹いて息絶えていた。なんとも可哀想だったし、大変寂しくもあった。

 
この犬はもともと娘が就職時の最初の給料で飼ったのだが、その後は結婚のため家を出てしまい、必然的にこちらが飼い主になったと言う次第。前々からぼくは彼の考える順位付けからすると最下位、食事と散歩以外は余り興味を示さず、ソファーや車などで座っていると、そこは俺の席だとばかりに吠えたりもする、文字通りのバカ犬。ただ1年のうち2ヶ月ほどは追分の山荘暮らしと言う優雅な生活を送っている犬でもあった。追分では乗馬の馬に吠えかかったり、水遊びが大好きで御影用水での散歩ではいつも水に入ることを強制。ある時などはバカ犬に引きずられて、5メートルほど下の用水に転落、捻挫してしまい、一月ほど治療にかかるなどと言うアクシデントもあった。だがぼくが暇なせいもあり散歩から買い物などいつも一緒だっただけに、いまは世に言うペットロス状態に陥ってしまっている。どうせならもう少し良い餌を...とか、こまめに獣医に通い健康診断を...などとつらつら思い悩むが、今となっては詮無き事なのだ。

 
死んだ日に直ぐに狭山のペット霊園で焼いてもらい、遺骨を家の庭と追分の山荘に埋めることにした。ピーちゃんが死んだ翌日から九州~熊本と大分(別府)に4日ほど行かなければならない用事があり、精進落としとして久々に訪れた別府では街中の銭湯温泉10か所ぐらいに入り捲ったのだが、どうも気分はすっきりとはしない。だが帰り道大分空港近くの杵築城を訪れたとき、杵築湾にきれいな虹がかかり、まさに「オーバー・ザ・レインボウ~虹の彼方」の風景が現出、それを見ていてピーちゃんも成仏したんだと、ようやく何となく納得した心持になった。
 
死んだ日には何かピーちゃんに聴かせるジャズを...と思ったのだが、余りいいのが思い浮かばない。何せ彼はどう思っていたか知らないが、10数年ジャズを聴かされ続けただけに、ジャズにはいい感触を有しているはず。猫(キャット)だとジャズメンの愛称でもあり、多くの名曲・名盤があるのだが、犬(ドッグ)では余り見つからない。と言うことでジャズオード(追悼)の名盤、故チャーリー・ヘイドンとゴンサロ・ルバルカバの傑作デュオ・アルバム『ノクターン』を掛け、しみじみとピーちゃんの在りし日を偲んだ。バカ犬ことピーちゃん、享年14才11月、合掌!
【今週の番組ゲスト:「ちまたでウワサのラテンジャズ女子トリオ」convianoのリーダー兼営業&広報担当のピアニスト岸淑香(さやか)さん】
M1「ちまたでウワサの...」
M2「遥かなるスペイン」
M3「Who's Smoking?」
M4「Sunset and the Mockingbird」

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