お知らせ:

テイスト・オブ・ジャズ

番組へのお便りはこちら
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜23:00~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.447~ドラマー&サウンドクリエーター】

 みなさまは「信州ジャズ」と言う単語ご存じだろうか...。ぼくは信州を第2の故郷と思っている男なので、この信州ジャズが登場した時に直ぐに飛びついた一人なのだが、未だジャズ界では余り知られていない。その信州ジャズのプロデューサーが、今回番組に登場するドラマーにしてサウンドプロデューサーでもある平井景くん。彼はジャズからポップスまで何でもこなす力量の持ち主で売れっ子の一人なのだが、肝心の信州出身ではなく関西圏の奈良県の出身。その彼と信州との接点は、安曇野在住のジャズピアニスト伊佐津さゆりさんの存在。彼女の旦那は安曇野で開業している歯科医で、何と現役のジャズヴァイブ奏者。そして歯科系大学出身ながら我が早稲田ジャズ研に参加、部のOBでもありかつて「テイスト・オブ・ジャズ」にも登場したこともある男。奥さんである彼女もジャズ研に関わっていたようである。
 そんな彼女のアルバムをプロデュースしドラマーも務めた平井くんが、アルバム売り出しに考えたキャッチがこの信州ジャズ。もう3枚ほどこの名称でアルバムも発表しており、松本や長野、上田など信州の主要都市ではライブ活動も行い、信州人にはそれなりの認知をされているようでもある。ぼくも信州を代表するジャズフェス、夏の「軽井沢ジャズフェス」にこのユニットを登場させようとしているのだが、スケジュールの関係など諸々あって未だ実現はしていない。


 さて話は変わって今回登場の平井景くん。もう2回ほど番組に遊びに来てくれているが、昨年遊び心に溢れた新作を発表したので、紹介させてほしいと連絡があり、聴いてみるとこれがなかなかに面白く、二つ返事でOKした。その新作タイトルは『ごろごろ』。ジャケットも大阪在住の有名な絵本作家、木虎徹雄氏が担当、幼心に溢れた愉しいジャケット画で充分に愉しませてくれる。

 タイトルの「ごろごろ」とは、故郷奈良の山奥にある天河神社(芸能の神社としてつとに有名)でライブを行った帰り道、深い渓谷沿いの道を走りながら見た渓谷の大きな石が「ごろごろ」している様子を描いたものだと言う。一見コミカルな演奏と思えそうだが、中々に芯のある今風な爽快フュージョンサウンドで、彼のセンスが良く現れている素晴らしい演奏だ。元々彼のユニットはヴァイオリンをフィーチャーしていたのだが、今作から女性のソプラノサックス奏者、寺地美穂さんをフィーチャー、彼女が加わったことでそのユニットサウンドに深みと拡がりがプラスされ、ぐっと良いユニットへと進化・発展している。

 
アルバムには幕末の志士たちの活動をモチーフにした「風雲」、最近のポップスをジャズ風に還元した「平成音絵巻」などの、毛色の変わった和ジャズナンバーも収められており興味深い。アルバムは最近死別した彼の父親や、親しく仕事をしたエンジニア―(かれも死亡)への惜別の念を込めた秀逸なバラードメッセージで締められているが、この哀切感はなんとも切なく美しい。平井くんは亡き父親、亡きエンジニア―についても想い出を語ってくれている。 信州ジャズの発展と共に、平井くんのこれからの活動にも要注目。

【今週の番組ゲスト:ドラマー、作曲家、プロデューサー、ブライトサンズレコード代表の平井景さん】
3rdアルバムの「ごろごろ」をご紹介頂きました。
M1To The Country
M2「風雲」
M3Message
M4「平成音絵巻」

2

お知らせ

お知らせ一覧