お知らせ:

テイスト・オブ・ジャズ

番組へのお便りはこちら
「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日22:00-22:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.211~女性プレーヤーが元気だ~】

 一昔前だったら考えられないことだが、最近ジャズシーン、特にホーンやサックスといったかつては男性専科と言った趣きの楽器分野において女性陣の活躍がめざましい。その代表格がトランペットの市原ひかりと、サックスの現在バークリー音楽大学留学中の寺久保エリナの2人。その他にも東南アジア等で大人気の小林香織、寺久保の前に大評判を呼んだ矢野さおり等々、まさに多士済々。そして今評判なのがチリ出身のサックス奏者メリッサ・アルダナ。彼女はジャズ界で一番権威があるとされる、鬼才セロニアス・モンクを顕彰して作られた「モンク賞」を受賞(これは毎年楽器を選んで、世界中の若手の第一人者を選ぶジャズコンペ)。ピアノやボーカルなどで女性が選出されるのは当然考えられるが、管楽器で女性がNo1だとは、時代が大きく変わったといえる大事件である。しかし考えてみれば日本では映画「スイング・ガール」以降、高校の吹奏楽クラブ~大学フルバンドでは女性陣が大賑わいで、これらの内の優秀な面々はプロを目指し、海外留学なども積極的に敢行している訳で、女性の管楽器奏者が増えるのも様々な点から、至極当然とも言えるかもしれない。

 そんな元気な女性サックス奏者陣の有力な一人が吉野みゆきさんである。10才の頃からアルト・サックスを手にした彼女は、御多分に漏れず吹奏クラブに入り、学生時代を過ごしたようだが、大学に選んだ日大芸術学部時代にジャズに目覚めることになり、大森明氏などに付き本格的にジャズ修行を初め、09年に初アルバム『ストレートアウエー』を発表、中々の評判を呼ぶことになる。この時に初めてスタジオに遊びに来てくれたのだが、それから5年余り彼女が長く続けている女性ばかりのユニットでの初アルバムを発表。かなり頑張っているから是非もう一度スタジオに呼んでやってくれないか...、とジャズ仲間から誘いがあり、彼女に連絡を取ると喜んで...、とのことで、久方ぶりにスタジオに来てもらうことにした。

 外山安樹子(p)、鈴木摩緒(ds)と言った、もう中堅からベテランとも言える面々が参加しているこの女性ばかりのユニットは、、女性ならではの濃密なサウンドが魅力的(ジャズ評論家、瀬川昌久氏)などと各方面から高い評価を受けており、実際彼女のオリジナル中心のこのニュー・アルバム『スターティング・ポイント』もかなりな出来栄え。

 あのオリンピック招致に大きな力を発揮した、障害のある女性選手の姿を見て、自身も力づけられたことをテーマに作ったタイトル曲など、どれも女性ならではの力強さと明るさを兼ね備えたもので、全員の演奏もそれに呼応した力感溢れたもの。これからもこの女性達と共に成長して行きたいと、明るく爽やかに宣言する吉野さん、チャーミングな女性です。オンエアーは来週19日の予定です。

【今週の番組ゲスト】音楽評論家の村井康司さん
この夏新しく開催されるジャズフェス『江戸川ジャズナイト』をご紹介します。出演ミュージシャンの曲を5曲お送りしました。
M1『サムシンブルー/山中千尋』
M2『Gift~あなたはマドンナ/土岐麻子』
M3『ブルーバード/Schroder-Headz』
M4『サバーチカ/高橋誠』
M5『ユニティ/日野皓正』

お知らせ

お知らせ一覧