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テイスト・オブ・ジャズ

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テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.610~黒部川~】

 昨年の暮れから今年の正月にかけて、TV番組を見ることも多かった。面白かったのは高校ラグビー中継で、有力校の東福岡高や東海大仰星高など、大学ラグビーをも凌ぐような実力と試合運びで、感心しきりだった。ただ大変に残念なことに、ラグビーに関しては我が早稲田ラグビーは、暮れに行われた大学選手権の初戦(準々決勝戦)で明治大と再戦。この日は一連の宴会バブルの最終回で、昼間から受賞記念宴会で観戦叶わず。途中結果を見ると早稲田が勝っているような表示、これは二次会をスルーしてJスポーツのラグビーオンデマンドを見ないと...、等と勇んで戻ったのだが、帰りの電車の中でよく見ると全く逆の結果だと言うことに気づき、実際は早稲田の惜敗。この結果で意気消沈してしまい、当然試合のオンデマンドも見ることも無く、正月超えも出来ない結果に何をすることも無く、つまらない時間を過ごしてしまった。

 まあラグビー観戦が無くなってしまった正月、元旦の富士山浅間神社参り(快晴で実に気持ち良かったが...)以外は、TVを見る羽目になってしまい反省しきり。だがこの正月のTV鑑賞、ぼくは明石家さんまの番組と、ドキュメンタリー番組・旅番組以外はほとんど見ないのだが、そのドキュメンタリーで何故か黒部川関連ものが多いのには驚いてしまった。「黒部の源流の一滴を探る」とか「黒部十字峡~黒部大滝探訪」等々、結構黒部川を巡るドキュメンタリーや旅番組があったのだ。そのほとんどが黒部ダム建設に伴う水平道を辿って探索をすると言うもので、ぼくなどは到底歩けそうもない(高所恐怖症気味なので...)水平道を、山行初心者に思える女優さんなどが、結構スイスイ歩いているのもかなりな驚きだった。
 川面まで垂直高度差300メートルを超す狭い歩道。以前台湾の代表的渓谷の太魯閣渓谷を取材で訪れた時、大理石で成り立つこの渓谷の4,500メートルほど上部に狭い道らしきものが通っており、これは原住民の人たちが歩いていた道だと聞き、本当にびっくりしたものだが、それと同じような狭い歩道を歩く...、見ているだけでもかなり驚かされてしまうものだった。また十字峡奥の黒部大滝、全部で5段ほどあるこの幻の大滝の全貌を見られたのも大変に興味深いものだった。

 こうした黒部関連の中でも興味深かったのは、NHKのBS放送で流された「黒部の山賊」と言うドキュメンタリー番組。これは黒部の源流にある天下の楽園「雲の平」、そこの山小屋とその近くの三俣山荘、この2つの山荘の若い主人たちを扱ったもの。この2人は兄弟でその親父が開いた山小屋を、それぞれが受け継ぎ守っているのだが、その姿を追ったもの。タイトルはその親父さんが書いた山岳エッセイに因んでおり、彼の名前は伊藤圭一。黒部源流開拓のパイオニアとして余りにも有名な存在。ぼくも「雲の平」を訪れた時に山荘に泊まらせてもらったものだが、このかなり下にある高天原に沸く秘湯に入るのがこの山行の第一の目標だった。秘湯も素晴らしかったし、「雲の平」も2500メートルを超す高層湿原で正に天上の楽園だった。槍ヶ岳や鷲羽岳、野口五郎岳などに囲まれたあの広大な高層湿原、チャンジー(爺さん)になってしまった今では、もうあの地に辿り着くのも難しいと思うが、こうしてTVドキュメンタリーで、再度あの楽園を見れるのは何とも言えず幸せなことでもある。2人の兄弟、今は廃道になってしまった親父さんが心血を注いで切り開いた伊藤新道、信濃大町から黒部源流域に達する最短の登山道の復興に賭けており、その復興の模様も描かれているのだが、彼らの意気込みが実現することを切望する。ジャズもそうだがやはり山は良い。周りを3千メートルの高山に囲まれた天上の楽園の雲の平と高天原。死ぬ迄にもう一度黒部川源流域に足を踏み入れたいものだが...。

【今週の番組ゲスト:サックスプレイヤーで『Don De Don』のリーダー 加塩人嗣(ひとし)さん】
M1Pueblo Natal Shiroyama
M2Bolero dedicado a ti
M3Don De Don Vamos! 
M4Pas a Pas


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