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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30+再放送毎週日曜日20:00-20:30でオンエアー。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.65~東京ジャズ見聞~】

 今や日本での唯一の国際的ジャズ・フェスとなった“東京ジャズ”だが、今年は記念すべき10周年。ただここにも大震災の影響がうかがえたが、それはいい方向でのもの。大震災被害支援の為にアメリカ西海岸の売れっ子達が集まって作ったアルバム『ジャズ・フォー・ジャパン』に参加したミュージシャンによる”ジャズ・フォー・ジャパン”企画。ゲストにボーカリストのアル・ジャロウが参加、圧巻のステージを聴かせてくれた。そして人気ジャズ・ファンク・バンド"インコグニート”のリーダー、ブルーイーもステージの最後にうっすらと涙を浮かべ、日本への励ましメッセージを語ってくれた。

 このように随所に大震災の影が覗いたステージだったが、今年も圧倒的な存在感を示したスターは、上原ひろみだった。アンソニー・ジャクソン、サイモン・フィリップスと言ったスーパー・スターを従えた自身のトリオと、タップ・ダンサーの熊谷和徳とのデュオ・パフォーマンスと言った2ステージに登場したのだが、どちらも素晴しいステージで、このジャズ・フェスは彼女の為にあるのではと思わせるほど…。特にスパー・トリオの方は,その圧倒的なスピード感、ハード・ロック・ドラマーのサイモンとの重量級の掛け合いなどで聴くものを圧倒したが、何より彼女の打鍵の強靭さが光った。今や彼女はジャズを超越し別次元に突入しつつあることを実感させるステージで、これならばジャズ・ファンだけで無く、全ての音楽ファンを納得させられるものだとも確信出来た。ブラボー、ひろみ!
 
 ぼく自身今回最も期待したのが、寺井尚子とリシャール・ガリアーノの共演ステージだったが、数年前の共演には及ばないものだった。前のときはガリアーノのステージに、突如代役に抜擢された寺井がその実力を発揮した熱い競演だったが、今回は寺井の仕切りが目立ち、彼女の女王様キャラが少し目立ち過ぎたようで、いささか残念なものだった。それにしてもこのジャズ・フェス、来年もまた是非実現して欲しいものだ。


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