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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.101~昔の仲間~】

 昔のことと言っても、もうふた昔ほど前の早稲田大学生時代、ぼくはジャズ研と山登りの同好会の2つに所属していた。それから40数年、山の同好会の方は仲間ともほとんど御無沙汰だが、ジャズ研のほうは昨年50周年の記念コンサートとパーティーを行い、OB会の重要スタッフにも加えさせてもらっている。
 ぼく自身は大学を出て直ぐにラジオ局に入局、以来現場の仕事を中心に行い、定年後もまだ制作の仕事をやり続けられているのは、大変に幸せなことだが、特にジャズ研と早稲田の人脈は貴重で、世に言うバカダ大を卒業したのは幸運なことだったと今つくづく思う。
 
 大学生の頃は本当に学生の闘争心が燃え盛った時代で、バカダ大はその象徴的存在でもあっただけに、色々と面白くも怖くもある経験をさせてもらったが、今打ち合わせや結婚式などで大学に行くと、そんな面影はこれっぽっちも無くいささか寂しい想いもあるが、それはさておき大学時代の仲間の話である。
 
 早稲田のジャズ研は数多くのプロミュージシャンを産み出しており、他の大学からもジャズ研に入りたい、と申し出る学生が後を絶たなかった時代もあったようだが、ジャズ人気の急激な低下と共にそんな話は今や昔で、どうやらクラブを維持するのが精一杯というのが、現役学生達の実情のようだ。そんなジャズ研だが、プロ・ミュージシャンとして最初に有名になったのは、今や日本のベーシストのトップ的存在である、ぼくの同期のチンさんこと鈴木良雄である。彼はバークリー音楽院帰りのサダオさん(帰国最初の演奏を、早稲田祭でジャズ研の学生の鈴木たちと行い、それはまさに歴史的な名演・熱演だった)に見込まれ、1年下の天才ギター少年だった増尾好秋と共に、彼のバンドに抜擢され、ピアニストからベーシストへと転向したのだった。この増尾と同期でトランペットでは芽が出ず、司会とマネージャーになったのが森田一義=タモリである。

 そんなチンさんが久し振りに自身のバンド“ベーストーク”でのアルバムを出した。彼は自身のレーベル“ONE”を立ち上げているが、このレーベルを出しているレコード会社の社長は五野洋氏(早稲田ハイソ・ジャズ・オーケストラのOB)、役員にはタモリも名を連ね、今回の新作のエクゼクティブ・プロデューサーも務めている。アルバム・プロデューサーは、チンさんのデビュー作(CBSソニー)以降40年以上の付き合いである伊藤潔氏。慶応大OBの彼は現在名古屋の中堅パン会社の社長だが、長年の友情でチンさんのアルバムの制作だけは続けている。そんな古き良き仲間達によって彼の新作『ダンシング・ルナ』は出されている訳だが、そうなると同期の仲間だけにチンさん自身にも、やはり番組に登場してもらわないとならない。彼が番組に登場する時には、盟友の伊藤くんも登場することが多いのだが、今回は果たしてどうなることやら…。
 さて我らがチンさん、鈴木良雄の”テイスト・オブ・ジャズ”の出演は6月初めのことに成りそうです。アルバム自身も彼の感性が良く出たなかなかの好アルバムで、ぼくにはいささか甘美過ぎるきらいもありますが、60才半ばでこの甘く心優しいサウンド。やはり優れものです。


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