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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日22:00-22:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.185~先輩登場~】

 新年も2週目に入り新社屋に移ったラジオ日経もどうやら無事に動いているようである。この「テイスト・オブ・ジャズ」もこのコラムで何回か記しているように、記念すべき半世紀~50年目に突入、どこまで続くのか皆様も愉しみにしていて下さい。
 
 さて50年目となると、やはりこの先輩に登場してもらわなければという事で「ラジオたんぱ(日経)」の先輩にして、このジャズ番組をスタートさせた当人、木全信(きまた まこと)氏である。彼は局でぼくよりも6年ほど先輩。いかにも慶応ボーイと言った、いい意味での好男子であり、とっぽさを持った先輩(局の歴史上最高の美女と噂されたアナウンサーのMさんをものにしたことからも、その好男子振りはわかる筈だが、この2人その後離婚してしまった)、ちょうど30才になった年に局を退社、大手のレコード会社ビクターに移籍、その後アルファ・レコードの副代表なども務め、フリーのジャズ・プロデューサーとしても活躍した、ジャズ界の名物プロデューサー。 ぼくとは局で4年程しか重なっていないが、色々と面白い体験をさせてもらった。当時のたんぱ制作部はアナーキーな雰囲気に満ちており猛者も多く、彼などもその一人。昼間から近くの雀荘で打ち合わせをしていたりもしており、驚かされると共に嬉しくもなったものだった。彼への最初の挨拶も確かその雀荘だったと思うが...「お前早稲田大のジャズ研だっていうじゃないか、じゃ俺のジャズ番組手伝え...」と言う事になり、色々な人を紹介され、当時彼がジャズ・ライターもしていたので、そのつてでぼくもジャズの原稿を書かせて貰ったりして、今に至るという訳。
 
 その木全氏がこの春に、その長いジャズ・プロデューサー生活を振り返り、ケニー・ドリュー、バニー・ゴルソン等と言った有名ミュージシャンとの交友録などを新書(小学館)にして出版することになった。なにせ彼は300枚を超えるジャズ・アルバムをプロデュース、人に勧められギネスに申請なども考えたほどのプロデューサー。面白い話が数多くあるだけに、ここはひとつ番組でも語ってもらわないと...、と言う事で登場と相なった次第。木全氏ももう齢70半ば。だが相変わらず元気で女泣かせのいい男でもある。木全氏と会うと、いつもあのたんぱ時代のアナーキーな心地良さが思い出される。旧局舎で行われた番組収録の後、現在のラジオ日経社長を紹介したり、壊される局舎を案内して回ったりもしたが、さすがに彼も懐かしそうに、スタジオや局員のいる「通称」大部屋などを見ていた。入社当時はぼくなども生意気だと言うので、よく先輩に殴られたりもしたものだが、今思えばそれもまたディレクター修行として、面白い経験だった。但し慶応ボーイの木全氏からそんなことをされたことは一度も無かった。素人同然のぼくは、麻雀で痛い目にあったことは何回かあったが...。
 
 今は小奇麗な局舎で、こじんまりとおとなしく仕事をしている若い連中も、かつてこの局には個性的な人材が集まり、梁山泊にも似た痛快で面白い時代があったこと、少しは知っておいても損は無いと思うのだが...。
 
【今週の番組ゲスト:ジャズプロデューサー木全信さん】
この番組『テイストオブジャズ』の初代プロデューサーです。ケニー・ドリュー、ベニー・ゴルソン、チェット・ベイカーといった数々のジャズジャイアントのプロデュースを手掛けてきた木全さん。彼らとの思い出や、今だから話せる秘話など、木全さんならではのお話をたくさん伺いました。そんな貴重なお話などをまとめたエッセイが新書版で3月に発売されるそうです。『ジャズは気軽な旋律』平凡社からです。番組では木全さんのプロデュースされたアルバムから4曲お送りします。
M1『キャラバン/アート・ブレイキー&オールスター ジャズメッセンジャーズ』
M2『サマータイム/ケニー・ドリュー スペシャル』
M3『エンジェル/チェット・ベイカー』
M4『死刑台のエレベーター/ユーロアメリカン オールスターズ』】



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