「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週日曜19:00~19:30で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.700~ジャズ新雑誌動き出す】
以前このコラムでも記したが、ジャズ専門誌「ジャズ・ジャパン」の社主兼編集長の三森 隆文氏。彼の7月初めの孤独死は突然のことだっただけに、それに伴ってその後始末や後継誌をどうするのか...等々、色々と問題・課題も数多く残されたが、多くのジャズ関係者の協力などもあり、ここに来てその後継誌「ジャズ・イズ」が10月末に目出度く刊行される運びとなった。拍手・拍手である。
編集長としてその重大な役割を担うのは、三森氏と一緒にジャズ・ジャパン誌の編集を担当していた佐藤俊太郎氏。ジャズ・ジャパン誌の最終号になった9月末の本誌で、佐藤氏は彼の死を巡る問題と、その遺志を継いでジャズ新雑誌を立ち上げるにあたっての覚悟...等を、2ページにわたって記していた。立派だなーと思うと同時に大変な役割を担うのだなーと同情の想いも持って読んだものだった。佐藤氏とはそれ以降2回程、様々なジャズ関係者なども加え共に飲んで話したものだったが、覚悟は決めながらも結構飄々とこの難しい事態と向き合っている様子だった。「大変ですけど、まあやりますよ...」と言う彼は、基本的には今までのジャズ・ジャパンとそう違わない編集方針で製作に臨むようで、このCD~音楽ソフト受難の時代を乗り越えて行こうとしている。それにしても結構まとまらない日本のジャズ界(演奏者やジャズ担当者、ライター等々)なのだが、今回だけはジャズ新雑誌の誕生をバックアップしようではないか...と言うムードが色濃く漂っている。新雑誌無ければジャズの新譜やジャズメンの活動なども分からない...などと言った危機的ムードも大きく、それに伴い新雑誌を応援していこう...となっているのだろう。ただそれだけではなくそこには佐藤氏の芯は強いが結構恬淡として付き合いの良い、彼の人懐っこいパーソナリティーも大きく影響しているのだろうとも思われる。彼と共にジャズを新たに蘇らせようでは...と言った感じなのか...。
新雑誌「ジャズ・イン」にはライターとしてぼくも協力させてもらうつもりだが、同時に彼には新雑誌の創刊間近な11月初め、我が「テイスト・オブ・ジャズ」にゲスト登場してもらい、新雑誌の紹介やジャズ雑誌編集の苦労談等々、率直に語ってもらうことにしている。乞うご期待! 頑張れ佐藤俊太郎!
【今週の番組ゲスト:音楽ジャーナリストの原田和典さん】
ミュージックマガジン 増刊として発売された原田さんの新しい著書『modern jazz』から
M1「Trinkle Tinkle / Thelonious Monk 」
M2「 A Crutch For The Crab / Richard Twardzik」
M3「Cro-Magnon Nights / Herbie Nichols」
M4「Mercury's Retrograde /Isaiah Collier & The Chosen Few」