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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.89~ジャズ・クラリネット~】

 クラリネットと言う楽器は、ブラスバンドなどをやっている小・中・高校生たちにとってはなじみ深い楽器で、実際に手にしたことのある人も多いはずである。そんなポピュラーな楽器の一つではあるものの、残念なことにジャズの世界ではこれを専門にしているプレーヤーはほとんどいない。しかしこれがいわゆるモダン・ジャズの世界の話で、スイング系となると話は別。元々スイング・エラとも呼ばれた1930~40年代はスイングジャズ全盛時代(と言うかポップ・ミュージックがそのままスイング・ジャズだった訳だが)、花形楽器はクラリネットでキングとも呼ばれたベニー・グッドマンを筆頭にアーティー・ショウなどキラ星のごとくスターを排出したのだったが、モダン・ジャズの時代に入るとその音色の軽すぎることなども災いし、ほとんど見向きされなくなってしまったのだった。

 そんな日の当たらない楽器だったクラリネットもこのところ、海の向こうではアナット・コーエンと言う美形奏者が出現し、大いに注目を集めるようになっている。まあこうした動きに刺激された訳でもないだろうが、日本でのクラリネット専門で活動して行こうと言う若いプレーヤー達もぼちぼち出だしているようだ。
 その中で最も期待を集めているのが土井徳浩である。30歳代前半の彼はボストンのバークリー音楽院出身で、バークリー時代から注目を集めていたらしいが、2002年に帰国して以来、ジャズ・クラリネット奏者として活動を続け各方面から注目を集めるようになった。そんな彼がこの前自身のデビューアルバム『アマルテェア』を携えてスタジオに遊びに来てくれた。
 
 クラリネットでなかなかに先鋭的な演奏を繰り広げるのだが、決して無理をしない伸びやかさがあり、この楽器の可能性を示唆し、素晴しい出来栄えのアルバムになっている。おとなし目の好青年だが、内に秘めた闘志はなかなかのものと見た。そんな彼が登場するのは来週の“テイスト・オブ・ジャズ”の時間。貴方もきっとクラリネットと言う楽器の新しい表現と出会えるはずですよ…。


土井徳浩さん


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