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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.136~ジャズ新年会~】

 ジャズの関係者、レコード会社のジャズ担当やジャズ・ライター、編集者、ジャズ番組制作者などが集うジャズ新年会。例年は1月中に開かれていたのだが、今年は2月の末に開催と言う事になった。この会、高田馬場の主とも言える茂串氏のジャズ・クラブ「コットン・クラブ」の地下室で開催され、業界関係者が多数出席、飲めや歌えやの懇親を繰り広げ、停滞気味のジャズ界の発展を祝おうと言うもの。

 ただ今年は業界地図が大きく変わりつつあり、例年和気あいあいの会にも微妙な影響が出るかも知れない。と言うのもここ数年の音楽業界=レコード業界の世界的な再編が、新たな形での展開を迎えつつあり、今や世界の市場を寡占化しつつある「ユニバーサル」と、もう一つの勢力だった「EMI」の合併問題=独占禁止法に抵触するのではないか?という問題が、ヨーロッパの裁判所で認められ、巨大レコード・グループが誕生することになったのだ。その結果日本でも、ユニバーサル=EMIカンパニーとして、その再編が進みつつあり、残るはワールドワイドなレコード会社「ワーナー」と「ソニー」の2グループだけとなる。ジャズの世界では、これまでユニバーサルが6割を超すジャズ関連レーベルを抱えていたのだが、これに名門「ブルーノート」が加わり、大きなジャズレーベルの8割以上がこの新会社で占められてしまう、まさにジャズ文化の独占状況が生まれつつあるのである。

 まあ音楽業界自体が様々な問題を抱え、今やレコード会社そのものが成り立たなくなりつつある訳だけに、ジャズのこんな惨状は余り大した問題と捉えられないかも知れないが、長年ジャズに関わって来た一人としては色々と考えざるを得ないし、こうした勢力図の変化も微妙に関係者の親睦にも影を落としているのかも知れない…。まあこの業界、今後どうなっていくかは慎重に見守って行くつもりだが、新年会の開催ひとつとっても色々な情勢も絡んできて、頭を悩ます所も多いのも実情なのであります。


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