5月27日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2021/05/27(木) 19:06 番組スタッフ

テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.567~旅するサックス奏者

 先日スタジオに一人の素敵な女性が現れた。 
 パリを起点にヨーロッパ、アフリカ、そしてもちろん日本など、世界各地で演奏活動を繰り広げ、それもコンサートホールやライブハウスなどだけでなく、寺院や教会、草原・畑地など、様々なお気に入りの場所でも演奏活動を繰り広げると言う...旅するサックス吹きこと仲野麻紀さんである。

 今ちょうどパリから里帰り中で、収録日の2週間後にはまたパリへ戻ってしまう予定...、そのわずかのチャンスを生かしスタジオに遊びに来てくれたのである。それも昼間には埼玉の飯能市近郊の田んぼでのコンサートを終え、スタジオにジャストオンタイムで駆けつけてくれた。まさに謝・謝である。 
 
 彼女の名前は以前から聞いてはいたが、パリ在住(2002年~)だけにどんなプレーヤーか音の程などは知らなかった。それが偶然のことに我が街国立の本屋の書架に、その名前を見つけたのだった。その書架に飾られた本には、ロバ(馬)と並んでサックス片手に草原に立ち尽くす姿が、印象的に写し出されており、タイトルを見ると「旅する音楽~サックス奏者と音の経験」とある。これがあの仲野さんか...と強く印象に残っていた所、その数日後なんとぼくも深く関係しているジャズブログ「Jazz Tokyo」の編集長、稲岡邦彌氏からTELあり。丁度今仲野さんと言うパリ在住の女流サックスが帰国中なので、番組にゲストに呼んでみたら...と言うお誘い。その偶然に驚きつつも二つ返事でOKを出し、彼女とも連絡が取れ、今回スタジオに来てもらうことになった次第。

 サックス片手にスタジオににぎにぎしく登場した彼女、永年花の都パリ(ぼくは一度も行ったことの無い未知の街)に暮らす優雅さと、世界中を旅し演奏する颯爽とした力強さを兼ね備えた、真の意味での素敵な女性だった。ラジオプロデューサーなんぞと言う、ある種軽薄でいい加減な稼業をやっていると、結構沢山のいいナオン(女性~いやー軽薄ですね、業界用語なぞ使って...)、特に女性ボーカリスト陣には美形が多いものだが、真に魅力的な女性にはそうお目にかかれるものではない。才媛そんな言葉がぴったりな女性、それも旅するサックス吹きだと言うのだから、もう言うこと無し、知的にして蠱惑の存在なのである。

 あの伝説の双頭バンド「デガショー」の一員林永哲にも師事した彼女、「エリック・サティや民謡などを、異国情緒溢れるエスニック風サックスで奏でる...」などとその惹句にあるが、これもいささか軽すぎる紹介だ。そのサックスの音は軽やかな浮遊感がありつつ、地にしっかり根差した存在感と深遠さも持つ、枯淡にして蠱惑的なもの。これまでにかなりな数のアルバムを出しているが、番組ではそれらのアルバムからベストトラックを中心にまとめられた『アンソロジー』、この中から4曲ほどを紹介してもらった。その中には自身のオリジナルと同時に、近代フランス音楽の華とも言えるサティの仲野バージョンもあり、どのナンバーも興味深い。また曲の間の話も実にウイットに富んだ語り口で愉しく面白い。 

 何せラジオ大好き人間らしく、自身のインターネットラジオ局も開局していると言うので、是非皆様も聴かれると面白い筈だ(詳細は彼女のブログで...)。フランスで俳句を啓蒙する「カイエで俳句」の同人でもあり、更には日本の小難しい出版社(哲学本などが多く、音楽本には無縁と思われる)せりか書房や勁草書房等も彼女の存在に注目、前述の「旅する音楽(せりか書房)」の他、また来年には「ごはんを作る場所には音楽が鳴っていた」も出版される予定だと聞く。
 我がジャズ番組への彼女の登場回は、6月24日か7月最初の1日を予定しています。旅する才媛サックス吹き、彼女のこれからの活動、お話共々是非注目・期待して下さい。

【今週の番組ゲスト:Steelpan Records代表の塩田哲嗣さん ボーカリストの佐藤ひびきさん】
M1Take Five / 1969クインテット」
M2
Charade / 佐藤ひびき」
M3
Sinking Low / 彩菜」
M4
arco iris / 友田ジュン」
M5
I Will Wait for You / 佐藤ひびき」



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