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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は2020年1月より毎週日曜18:30-19:00(本放送)ほか、木曜22:30~23:00で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.506~ウエイ・アウト・ウエスト】

 「ウエイ・アウト・ウエスト」。ジャズファンならば誰もが知っているに違いないジャズ名盤。先日遂に引退を表明したとも言われる(?)、ジャズ界のリビングレジェンド=ソニー・ロリンズ(ts)不朽の名盤のタイトルだが、今このタイトルを受け継いだジャズフリーペーパーが、ジャズ関係者の間で秘かに話題になっている様なのである。本家の『ウエイ・アウト・ウエスト』の方は、陽光煌めく西海岸のロサンジェルスに楽遊に出たロリンズが、同地の名匠、レイ・ブラウン(b)とシェリー・マン(ds)を伴って吹き込んだジャズ史に残る名盤だが、今話題になっているフリーぺーパーの方は、日本のウエスト=関西圏をメインに出されている薄い小冊子。だがその内容の充実振りやジャズメンを描いたその表紙の斬新さなどで、大いに注目を集めているのである。と言うことで今回はこのフリーペーパーについて一寸触れてみようと思う。


 このフリーペーパー(小冊子)は、これまで東京を中心とした首都圏では「ディスク・ユニオン」のジャズフロアーなどに置かれていた位だったが、先日新宿の「タワー・レコード」に寄ってみると、この小冊子がジャズフロアーのそこここに置かれており、その存在感を主張しており、表紙のイラストも光り輝いていた。ぼくはこの小冊子その出初め頃から注目しており、なによりその表紙のイラストに惹かれていた。どうやら主催者の藤岡宇央氏は、大阪在住の40台半ばのイラストレイターの様で、この表紙が評判になりジャズアルバムのジャケットなども手掛けており、海外からも注文が来るようになっているらしい...などと言う情報を、彼を知るジャズ関係者から聞かされていたが、その実際を知ることも無かった。ところが昨年位には本場NYでも、自身のジャズイラストの個展を開催したらしいよ...等と聞かされると、これは新しもの好きなぼくとしては、是非スタジオに遊びに来てもらわないと...と言うことで、彼と親しくしている関係者を通じてスタジオに...と誘いを掛けてみたのだが、東京に行く機会が無いこと、余り表舞台には立ちたくないこと、などと言った理由であっさりと断られてしまった。まあこうなると縁が無かったものと諦めるしかないのだが、大変に残念なことではある。


 タワー・レコード新宿店で手に入れたその最新号は、ベーシストが描かれたイラストが表紙で、特集は〆ジャズ。何かと思えば一日の〆(締め)に最適なアルバム...と言うことで、関西圏のジャズ関係者20名近くがそれぞれの推薦アルバムを紹介しているのだが、定番とも言えるトミー・フラナガン(p)やアーマッド・ジャマル(p)の珠玉アルバムから、ライオネル・ハンプトン(vib)やダニー・ケイ主演のジャズ名画「五つの銅貨」のサウンドトラックなどのスイング系ジャズ作品、そして前衛ギター奏者デレク・ベイリーのアルバムまで、実に多種多様で仲々趣きに富んだ選盤で興味深い。
 
表紙を見ると今号でもう132号。既に10年以上続いている計算になる訳で、これは凄いことだし、是非これからも続いていくことを切望する。それにしても藤岡さん今度東京に来るときには、是非スタジオに遊びに来てくださいよ。世界一長寿のジャズ番組(?)に登場と言うのは、それなりになにかと名誉な筈ですから...(それホンマですかね)。

【今週の番組ゲスト:音楽評論家の青木和富さん】
「初心者のジャズ入門」としてお勧めアルバムをご紹介頂きました。

M1
Chicago /Oscar Peterson Trio」『THE TRIO』より
M2Brilliant Corners / Thelonious Monk」『Brilliant Corners』より
M3Surrey With the Fringe on Top / Miles Davis Quintet」『Steamin'』より
M4There's A Small Hotel / Stan Getz Quartets」『 QUARTETS』より
M5Kelly Blue / Wynton Kelly」『Kelly Blue』より


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