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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日19:30-20:00(再放送毎週日曜日20:00-20:30)好評放送中です。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol⑥~ビッグ・バンド人気~】

 良く言われることだが、ジャズ人気は残念なことに、今ひとつぱっとしない。ところがどういう風の吹き回しか、ビッグ・バンドだけはかなり隆盛のようである。これはあの映画”スイング・ガール”の良き影響と言えそうで、中学・高校などではジャズのビッグ・バンドが目立って増え、女子プレーヤーもにわかに増加、彼女達が大学・社会人になってもジャズを聴き、仲間にも勧めるといった図式のようである。と同時にこのビッグ・バンド人気には、作・編曲にも優秀な人材が増え、シーンを面白くしているのもまた事実である。

 そんな優秀な若手アレンジャーの一人が野口久和くん。40歳代の彼はピアニストでもあり、10年ほど前までは8人編成ほどのビッグ・コンボを率いて活動していた。8年くらい前にスター・プレーヤーを結集した、自身のフル・バンド、“野口久和ザ・ビッグバンド”を結成し、このほどデビュー・アルバム『ワン・ナイト・スタンド』を発表した。彼は、ぼくらジャズ・ライターの大先輩で、戦前から洋画のポスター画家としても高名な野口久光氏の御子息。それだけに彼の動向は関係者として気になるところだが、本人はいたって無頓着で、のびのびと仕事をこなしている。その新作は古き良き時代のビッグ・バンド全盛時の匂いを今に残したもので、嬉しいことには当時どのバンドでも聞かれた、バンド付のジャズ・コーラス・グループも存在する。“ブリーズ”というそのコーラス・グループは、ここでは2曲で楽しげなコーラスを披露、アルバムに華を添えている。

 野口自身はアルバムについて“ビッグ・バンド・エンターテインメントのエッセンスを楽しんで欲しいですね…”と語っているが、そのアルバム制作のポイントなどは、8月7日の”テイスト・オブ・ジャズ”の時間で確認できる。また彼のフル・バンド~売れっ子が多くてスケジュールの調整が大変のようだが~8月24日に岩本町のライブ・ハウス“東京TUC”にも登場するので、そちらもぜひ楽しんでみて欲しい。なかなか楽しくもいいバンドです。


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