お知らせ:

テイスト・オブ・ジャズ

番組へのお便りはこちら

「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日19:30-20:00(再放送毎週日曜日20:00-20:30)好評放送中です。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.40~大震災~】

今回の大震災、東北の太平洋岸地域で未曾有の災害に見舞われた方達のご苦労は、想像も出来ないほどのものだと思いますし、心よりのお見舞いを申し上げたいと思います。

さて今回の大震災で大きな被害にあった岩手県の三陸の街に、宮古市があります。ここの甚大な被害もTVでよく映されていますが、宮古出身の偉大なピアニストが故本田竹広です。彼が亡くなったのは5年前のことで、今回の大震災とは直接の関係はありませんが、彼は自身の故郷の宮古をとても誇りにしていました。

 彼とは今から数十年前の学生時代。国立音大に凄いピアニストがいるという噂が、中央線沿線のジャズ喫茶で流れ、ではひとつ早稲田祭にでも登場してもらおうじゃないか、と言うことで国分寺のジャズ喫茶であったのが初めてのこと。それ以降、彼は渡辺貞夫グループのピアニストに抜擢され、一躍トップ・ピアニストの道を歩み始めるようになります。人気者になってからも気さくに”テイスト・オブ・ジャズ“に遊びに来て、収録の最後にはスタジオにあるピアノでソロを披露してくれたのです。こんなこともあってそれ以降はピアニストが来ると1曲はソロを弾いてもらうようにしたものですが、本田のソロ・ナンバーは全部で10曲近くあるはずで、彼が亡くなった時アルバム化を…と言う話も持ち上がったほどでした。
 
 今や日本を代表するドラマーに成長した息子の珠也を連れた本田に、渋谷や新宿の町ですれ違うこともありましたが、奥さんのジャズ・シンガー、チコさんも時々見かけたものです。彼が大病から奇跡の復活を遂げ発表した晩年の作品『ふるさと』(作家の五木寛之氏も絶賛)には、宮古高校の校歌を演奏したものが収められており、故郷への想いの強さを物語っていましたが、その宮古高校も今どうなっているのか大変に心配です。どうか宮古の方、そして被災された方達全てが元気で頑張れますように、心からお祈り申し上げます。なおこの本田の“ふるさと”は今月最後の”ジャズ”でお送りする予定です


お知らせ

お知らせ一覧