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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.79~2011年の締めにあたって~】

 社会的にも個人的にも多難な年だった2011年が、もう直ぐ静かに終わろうとしている。未曾有の被害をもたらした大震災。それを受けてミュージシャン達も支援のため、様々な創作・演奏活動を展開し、ジャズでも様々な演奏活動・レコーディングなども見られた1年間だった。中でもアメリカの第一線のジャズメン達が数多く参加した『ジャズ・フォー・ジャパン』は“東京ジャズ”でもライブ活動もあり、大変に印象深いものだった。

 今年のジャズ・シーン全体を俯瞰してみると、ぼく自身の印象だが大好きなラテン・ジャズの分野で素晴しいアルバムが数多く出されたことだろう。このコラムでも前に、デビット・サンチェス(ts)などのアメリカのミュージシャンがキューバに渡って現地のミュージシャンと共演した素晴しいアルバム『ナインティ・マイルス』を紹介させてもらったが、今年のベスト・ジャズCDとして上げたいのは、今最も勢いのあるアルト奏者、ミゲルゼノンの『アルマ・アデントロ』だ。このアルバム、残念なことに日本盤が出ていないのだが、“タワー・レコード”や“ディスク・ユニオン”等のジャズ売り場に行けば直ぐに手に入るはず。ゼノンはプエルトリコ出身のアルト奏者で、自身の故郷の音楽=ラテン音楽を大事にしている人だが、この作品も故郷の有名なポピュラー作曲家の名曲をジャズに仕立て直したもので、その哀愁感漂うメロディと、彼のアルトによる強烈な唄い口が絶妙にマッチし、素晴しいジャズ世界が繰り広げられている。ルイス・ペルドモ(p)等彼のユニットの面々も現在のNYを代表する実力派揃いで、彼のアルトを見事に盛り上げる。
 
 何かといやなことも多かった2011年。その暮れ行くときにゼノンのこのアルト・サックスの素敵な唄い上げを聴きながら、来るべき年がよき年である様に、静かにそして力強く祈ろうではありませんか…。
 皆様良い年を…、そして来年もまたよろしく。なお新年最初の“テイスト・オブ・ジャズ”は、番組初登場の大物ゲスト、あの畠山美由紀さんです。彼女は被災地、気仙沼の出身。その苦しさ、辛さから立ち直る強い想いを込めた、素敵な歌の数々を披露してくれるはずです。是非御期待ください。


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