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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日23:00-、毎週日曜21:30-、などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.118~マーク・ヴァーン・ローン~】

 よく言われることだが日本は世界でも有数なジャズ大国。出されるジャズCDの数も半端ではなく、本場アメリカを軽く凌駕しているはずだが、残念なことにここ数年は、その勢いも見事に減衰してしまっている。そのジャズ大国日本では、本家のアメリカやヨーロッパでは、殆どその存在を知られないようなグループが高い人気を博したりしている。アメリカでいえばMJQ(マンハッタン・ジャズ・カルテット)、そしてヨーロッパではEJT(ヨーロピーアン・ジャズ・トリオ)が、その不思議な代表格と言った感じだが、実を言えばこれらのユニットは、日本のプロデューサーが日本のファン向けに作り上げたもので、両者とももう30年近い歴史を誇り、今なおアルバムを出し続けているのだから凄いことと言わざるを得ない。
 
 そのうちのEJTの方だが、これが我が“テイスト・オブ・ジャズ”と深い関係があるのだ。と言うのもこのトリオを作り上げたプロデューサー、木全信(きまたまこと)さんは”ラジオたんぱ“でのぼくの先輩で、50年近く前にジャズ番組を立ち上げた本人なのである。7年ほど局に居た彼は、その後スカウトされレコード会社に移り、ジャズ担当のプロデューサーとして敏腕を振るい、代表としても活躍した業界の有名人。その彼が30年ほど前に日本の女性ファンをターゲットに作り上げたのが「EJT」だった。このピアノ・トリオは、オランダのミュージシャン達で作られていたが、初代のピアニスト、カレル・ボレリーもイケメンの好ピアニストで人気が高かったが、2代目のマーク・ヴァン・ローンももうこのトリオで17年目。15回近く来日公演を行っており、彼の参加したアルバムも10数枚になる。

 そんな彼が日本に居て、木全が作ったジャズ番組に出たいと言っていると、担当のディレクターからTELがあった。丁度追分に居た時なので帰京するのも…、とも考えたが本人の希望や大先輩の手前受けざるを得ない。
マークは韓国での公演帰りの途中で、数日しか東京にいないというと言うので、スタジオを調整して録音のため帰京した。
 マークは現在40台半ば。なんとアナウンサーの山本郁と同い年だと言う事で、大いに盛り上がっていた。新作の『祈り/春の海』は、大震災にあった日本を悼んで作ったもので、宮城道夫の”春の海”は美しさに惹かれて取り上げたという。結構寡黙なピアニストだったが、言葉の端端に日本を愛していることがうかがわれ、好感が持てた。10月の初めには彼が番組に登場するはず、父親も放送関係に居たとのことで、スタジオの古色蒼然の放送機器群を見て”ファンタスティック“と感嘆の声を上げていた。気持ちの優しい好漢でした。


9月29日ゲストの横浜ジャズプロムナードディレクターの柴田浩一さんとレジェンドの皆さん


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