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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、再放送毎週土曜日22:00-などでオンエアー中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.156~あびる竜太~】

 「テイスト・オブ・ジャズ」では、2年ほど前から「ジャズ版友達の輪」と言う企画を1ヶ月~2ヶ月に1回ぐらいのペースで行っている。実力がありながらもまだ余り知られていない、若手~中堅のミュージシャンに登場してもらい、そのミュージシャンがまたその友達を紹介して、次々にその輪を広げていこうと言うもの。森田一義君ことタモリのあのお昼の長寿番組のコーナーのもろパクリ企画なのだが、これが結構興味深い。古くからのミュージシャン達は結構顔見知りでも、若手や中堅となるとその存在を知らない人も多いし、また面白い存在として名前を聞いていても、何せ経費ゼロ=ノー・ギャラとなると、うかつに出演依頼もしにくいもの。そんな問題も友達の輪となると解決してしまうし、機会があれば番組だけでなく専門誌などでも紹介も出来、ジャズ界の裾野を広げる一助にもなれると言う訳。

 
 そんなこんなでもう20人以上のミュージシャンやシンガーが登場してくれたが、今月の半ばの番組で、その「友達の輪」に加わってくれるのがピアニストのあびる竜太。彼は是非一度番組に登場してもらいたいと、前々から思っていたぼくのご贔屓プレーヤー。音楽大学の付属高校時代にジャズに目覚めた様で、その後は大学に進まず日本を飛び出し、本場のバークレー音楽大学に飛び込む。そこで勉強し帰国、ジャズ活動に励んだという、一見今のミュージシャンにありがちな経歴だが、彼はこのバークレー時代に、ジャズだけでなくラテン・ジャズ~サルサにも目覚め、そちらの活動も同時に行っている。帰国してからもこの両方の活動を同時に進行させ、自身のラテン・ジャズ・バンドも持ち、そちらでもアルバムを出していると言う、まさにぼくのお好みのタイプのピアニスト。「ド・ジャズ」をやっても「ラテン・ジャズ」をやっても、素晴らしい出来栄えと言う才気溢れるピアニストで、ラテン好きと言う事で10年ほど前には本場キューバに渡り再度勉強もしたと言う、努力の人でもある。自身のラテン・ジャズ・バンドのアルバムを始め、これまで出したリーダー作は全部で4枚。どれも素晴らしいものだが、昨年出した『1091ザ・ボイルストン』と言うアルバムはピアノ・トリオ作品で、ボストンのバークリー時代の住んでいたアパートの名前をタイトルにした、ボストン時代へのオマージュ作とも呼べるもの。自身のオリジナルからスタンダード、ラテン・ジャズ、ブラジルもの迄、実に広範にわたってあびる竜太と言うピアニストの全体像がうかがえる好内容の作品である。  


 番組ではこのアルバムをメインに、横浜のモーション・ブルーで行われた自身のラテン・ジャズ・ユニットのライブなど、彼の多面的才能をもれなく紹介している。その素敵なラテン・ジャズ・バンドは、今年も8月6日に同じ「モーション・ブルー」で、賑やかなラテンの饗宴を繰り広げると言う。愉しいこと間違いないステージなので、この手の楽園音楽に関心のある方は、ぜひ聴きに行ってみるといいです。日頃の憂さも軽くふっ飛ぶこと請け合いですよ。

【今週のゲスト:ジャズ・ラテンピアニストのあびる竜太さん】
M1『Steps』
M2『So Long』
M3『RAPD』
M4『Depends on her』

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