「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週日曜19:00~19:30で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.725~大谷翔平選手をめぐって~】
好事魔多しと言う例えがあるが、大谷問題、もとい彼の通訳だった水原一平氏のスポーツ賭博事件は、まさにこの例えを地で行くものと言えそうだ。日本球界からメジャーリーグに渡り、比較的弱小球団とも言えるエンジェルスから名門ドジャーズに移籍し注目度を飛躍的にアップさせ、更にワセダバスケット部出身の花形美形と結婚...等など、向かうところ敵なしの感もあった、この誰もが認める好青年に降って湧いたような大事件。株価だけが上がりながらも一向に景気や生活面も精神面でも恵まれ感が無く、八方塞がりの日本庶民にとって、唯一の希望の星だった大谷翔平くんのこの不幸(?)な事件。これからどんな展開を見せるのか...、まったく予断を許さない。だが大谷がオープン戦前に一応の経過説明をしたので、彼を全面バックアップする日本のみならず、アメリカの中でもそれなりの納得を得られた感じがあることが唯一の救いだとも言える...。でも疑惑方面は次々に広がり、その一つとして学歴詐称問題...等も持ち上がり、この先も...と言った感も強い。その上訴訟社会で理不尽な差別が起きやすい国でもあるアメリカだけに...、世の論調もどう変わるか...。
かつてメジャーにも渡り活躍も見せた、日本球界を代表する名選手の一人~福留選手が、あるTV番組で大谷のことを聞かれ「ぼくには何も言うことはありません...、次元が違う人ですから...」と、潔く述べていたのを感心して聞いていたが、確かにそうなのだろう。投手と野手の二刀流を軽々と熟し、その上にあの本場でホームランタイトル迄も獲得してしまう。こんな選手他にいないし、他のプロ野球OBの面々も何も言えない...と言うのが本音だろう。それにしても大谷と言えば良く引き合いに出される、彼が高校時代(?)に書いたと言う人生設計図。20代半ばでメジャーリーグへ行き、28歳で結婚等々...、恐ろしい迄のその計画性と実現度。その上に気性も良くハンサム等々。閉塞日本にあっては望むべくも無い真の意味合いでのスーパースターである。それだけに今回の事件の経過、ほとんどの日本人が固唾を飲んで見守っている筈で、当然ぼくもその一人である。
しかし今度の事件を通して一つ気になったこと。それはあれほど綿密にメジャーリーグ行き~その後の人生設計迄も計画している彼が、肝心の英語の勉強それも日常会話すらも余り覚束ないようにも見えるし、実際英語の習得はその人生設計図にも入っていなかったのである。通訳さえいればどうにでもなる...と考えたのか、実生活ではそれなりに日常会話などこなせて問題ないのか...、そこら辺は全くはっきりしないが、少し計画できていれば、今度のような事件に巻き込まれる危険性も減少されたのでは...と思うと、全く残念な事ではある。
それともう一点、韓国で行われた大谷やダルビッシュ有も加わったメジャーの公式試合を見ていて、やはりプロ野球というスポーツはぼくの御贔屓のラグビーなどに比べると「やや面白味に欠けるなー」と言う率直な感想を持ったのも事実だった。ラグビーでもバスケでもサッカーでも、出場選手は休む間も無く絶え間なく動き続けており、次の瞬間や展開を予想出来ないことも少なくない。それに比べて野球は...と感じてしまう点も多々あった。あの韓国での試合自体は悪いものでは無かったのだが...。まあそんなぼくのつまらない感想はどうでも良い。あのスーパースター、大谷翔平くんが何時までも輝き続けてくれること...。今はそれだけを望むばかりです。そう言えばあのアメリカを代表するスタンダードソング「野球場へ連れて行って(テイク・ミー・アウト・トゥ・ザ・ベースボール・ゲーム)」(1908年)を取り上げるジャズメン、余り見掛ないのは大変に残念な事ですね。
【今週の番組ゲスト:ベーシストの井上陽介さん】
井上陽介トリオの新譜『 One Step Beyond Live at Body & soul』から
M1「Stella By Starlight」
M2 「Day Tripper」
M3「One Step Beyond」
M4「Dear Daddy」