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テイスト・オブ・ジャズ

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テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.617~ウクライナ・ウクライナ~】

 コロナ禍などでうかうかしているすきに、世界は一気に戦争の危機に直面してしまった。こんな危機が年明け直ぐにやって来るとは、高名な占い師のみならず誰もが予測すらできなかったのだが、独裁者プーチン大統領は、EUやアメリカがそこまではやらないだろう...と、高をくくっている隙に独自の勝手な暴論を打ち立て、一気に軍隊をウクライナに送り込み、独立国家ウクライナを完全に自身の手の中に...と言う凄まじい迄の時代錯誤的考えから、100年以上前の欧州秩序=大ロシア圏構想の元、侵攻計画を決めたのだった。このコラムを書いている時点と現在はまた刻々情勢が変化しているので何とも言えないが、ウクライナにとっていい状況は生まれていないのでは...。まあ以前のクリミア強奪の時と同様に、当初予想された数日間で首都キエフ陥落と言う図式は、幸いなことに実現に至っていないが、ウクライナ国内では当然死者の数もうなぎ上りだし、国内の状況も混乱の極みだろう。どうやら安定を見せていた世界秩序などは、いったん独裁者がこうと決め実行に移すと...、実にもろいもので予測不能の怖さがある。このロシアの動きを阻止するとしたら、一つは西側諸国の経済封鎖、もう一つこれが一番大きいものだろうが、ロシア内部の特にロシア軍人達の厭戦気分から離反と言う流れが起きるか...だろう。まあどれ程期待できるかだが...、少し前に日本でもプーチンを、ウラジミール等と呼び彼との親密度をアピールしている人物もいたが...。本当にこの世界大戦危機が収まることを心から願っている。

 ただこうした国際情勢~戦争状態の深層は分かりにくく、プーチンにも一万分の一程の真実はありそうなのである。盗人にも一部の理...と言った所か。それは彼が盛んにウクライナの非ナチ化を叫んでいること。どうやら今ウクライナと言う国は、10年ほど前から世界中の極右過激派たちの聖地になりつつある...らしく、欧米からどんどんネオナチとも言われる連中が集まっていたと言うのである。確かにこうした集団がロシア系住民に...ということもあったかも知れない。真実はしかとはしないが、色々問題ありだったこともある面真実なのかも...。いずれにせよ他国侵攻などは絶対に許されないことである。

 ところでウクライナのキエフと言うと、旧ソ連邦では東京(モスクワ)と京都(キエフ)と言った間柄の都市だった様で、キエフは歴史を誇る古都と言った趣きで芸術都市でもある。東欧など行ったことも無いので何とも言えないが、このキエフからはウクライナジャズとして、注目の若手達が何人か巣立っている。ディープ・トーン・プロジェクトとして知られるウクライナのグループは、ECM風な静謐でドラマティックなサウンドで、一時大いに注目を集めたが、そのリーダー格だったベースのコンスタンティン・イオネンコは、その後自身のユニットを結成し新作アルバムを出すなど、5年程前までシーンの中心的存在として大いに気を吐いていた。その彼もこのロシア侵攻でどうなっているのか、動向が大いに気になる所だ。彼もそしてその他の多くの人達が無事でいることを心から願っている。

【今週の番組ゲスト:サッスクプレイヤーのユッコ・ミラーさん】
4thアルバム『Colorful Drops』から
M1「Smoky Light」
M2「Be Myself」
M3「Fly Me To The Moon」
M4「For You」


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