3月11日の「テイスト・オブ・ジャズ」 [テイスト・オブ・ジャズ]
2021/03/11(木) 19:00 番組スタッフ
テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週木曜22:30~23:00(本放送)と金曜18:30~19:00(再放送)で放送中。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.556~寝起きの一枚】

  自身では発信はしないが閲覧はしている...、と言うことでぼくもこう見えてフェースブック利用者の一人なのである。ツイッターとか他のSNSは一切やっていないのだが、フェイスブックだけはミュージシャンや音楽関係者、温泉愛好家等々と言った知り合いから、友達リクエストを受け自然に参加者(見手)になってしまったと言う次第なのだ。そのフェイスブック上で、知り合いの何人かが「寝起きの1枚」として、その日の朝の寝起きに聞くアルバムを紹介している。まあこういう企画もいざ始めると、無理してでも何か選ばないとならない...と言った、ある種の強迫観念に囚われてしまう一面もあり、なかなか大変なもの...と感心しながらも、その大変さにいささか心配したりしながら、そのコメントを眺めている。

 個人的なことを言うと、寝起きに音楽を...と言った優雅な習慣(?)をぼくは持ち合わせていない。ことジャズと言う音楽~特に刺激的・創造的なジャズは、寝起きには向いていないと思っているだけに、寝起きにジャズ、などとはほぼ考えない。しかし、しかしである。この所良く寝起きに聞きたくなる、お気に入りのジャズアルバムが現れたのである。そのタイトルは『フロール』(ポルトガル語なのだが、英語ではフラワーだと思う...)。唄うはネオジャズボーカルの旗手とも言えるグレッチェン・パーラト。ボーカルの世界に新しい地平を開いたぼくの大好きな白人女性シンガー。 
 彼女のデビュー以降、斬新な表現に魅せられ続けてきたが、その最新作が良質の作品を送り続けている、コアポートから出ると言う話を聞き、これは...と言うことで代表の高木洋司氏に連絡、テスト盤を送ってもらった。結果は期待どおりいやそれ以上の素晴らしさだった。

 と言うことで高木氏にスタジオに遊びに来てもらい、彼女の新作『フロール』を、同じく仲間の一人で素晴らしいシンガー、ベッカ・スティーブンスの新作と共に、この2枚を紹介してもらうことにした。4月8日のオンエア予定だけにこの夜の「テイスト・オブ・ジャズ」是非聴いて欲しいもの。だがここではその素晴らしさを、一足先にぼくの寝起きの1枚として紹介したい。彼女は今最も注目の女性シンガーの一人だが、同時にこれも今注目のドラマー、マーク・ジュリアナのカミさんでもある。この事実ぼくは全然知らなかったのだが、高木氏からこの事実を聞いていささかビックリ。ジャズドラマーとしても有能だが、彼はあのデビッド・ボウイとも共演、ボウイのラストアルバムでもドラムを叩いている。そんな縁もあってこのグレッチェンのアルバムでも、アルバムのラストナンバーはボウイの「ノー・プラン」。ドラムは旦那のジュリアナが務めている。
 こう書くとパーラトの新作は、ロック色の濃いアルバム...等とも思われがちだが、決してそんなことは無く、全体はブラジリアンテイストの濃い爽やかなアルバム。ブラジルを代表する作曲家、ピシンギャーニの「ホーザ」を始め、素敵なブラジリアンナンバーが殆どで、爽やかなお目覚めにピッタリなナンバーが並ぶ。しかしぼくがこのアルバムを寝起きの1枚に選ぶのは、バッハの「無伴奏チェロ組曲第1番」を彼女が唄う~ハミングしているからなのだ。バッハをスキャットハミングと言えば、もう半世紀ほど前のフランスのジャズコーラスグループ「スイングル・シンガーズ」のバッハ集が思い出されるが、それ以来のバッハジャズものではないかとも思う(まだ他にもある筈だがぼくは知らない)楽聖などとも称えられるバッハ。ぼくは全ての音楽の原点は彼の音楽にあると信じており、音楽家で誰か一人を...と言われれば、間違いなく彼の名前を挙げるほどのバッハフリークの一人。

 そのバッハの最高傑作の無伴奏チェロ組曲。この難曲を軽やかにスキャットハミングするグレッチェン・パーラト。全く凛として優雅の極み。魅了され尽くしてしまいます。是非皆様も一度耳にしてみたら...。ただ残念なことに番組では、このバッハチェロ組曲は取り上げていません。申し訳なしです。

【今週の番組ゲスト:ビブラフォン奏者の赤松敏弘さん】

Next Door-New Life』から
M1Next Door-New Life
M2Steve's Homework
M3Hana-no-no
M4Nervous Breakdown
赤松さんの初の電子書籍
Next Door-New Life / あるジャズビブラフォン弾きのちょっぴり変わった30年のニューライフ』もKindleで好評販売中


コメント