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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日22:00-22:30(本放送)ほか、各曜日で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.223~横浜ジャズプロムナード~】

 首都圏のジャズフェスと言えば、やはりこのコラムでも書いた東京ジャズと言うことになるが、これは外人ジャズメン&シンガーがメインで、上原ひろみや小曽根真なども登場するが、主役はあくまで外タレとなる。但しこのフェス、最近は丸の内の東京フォーラム大会場でのホールコンサートと言った趣きで、初期のような野外コンサートの愉しさは無くなってしまった。しかしフォーラムの外の広場での無料コンサート、こちらの方は現在のジャズ状況を端的に表しており、フェス特有のお祭り気分も満載で、今やフェスの顔になりつつあのは、結構皮肉なことと言えそうだ。

 こうした外タレ中心の東京ジャズに対し、毎年10月初め、神戸と並ぶ日本ジャズの発祥の地、横浜の街イベントとして20年以上続いている「横浜ジャズプロムナード」は、あくまで国内ミュージシャンが中心。横浜各地の街中で行われるアマチュアバンド迄入れると、参加者は2000名を超えるとも言われ、規模としては国内最大級のジャズイベントである。会場は横浜市開港記念会館やランドマークホールなど主会場6か所で、他にNHK横浜放送局での生ライブなどもあり、ライブ協賛のライブハウスは20以上。今や東京でもジャズライブハウスは減少気味なのに、20店を超えるスポットがあるとは、流石ジャズシティ横浜ならではである。
 この横浜ジャズ・プロムナードについても、東京ジャズ同様、毎年プログラムディレクターの柴田浩一氏をゲストに招き、その見所、聴き所などについて紹介してもらっているが、彼は横浜ジャズ界の隠れボス的存在で、ジャズフェス以外にも、横浜野毛の大道芸フェスなど様々な街イベントを仕切っている名士。彼は毎年フェスの出場者の中から何人か引き連れてスタジオに遊びに来てくれるのだが、今年はラテンジャズのピアニスト・遠藤律子氏が相棒だった。

 今年のフェスの見所としては、外国からのお客さん、ジャズヴァイブの名手ジョー・ロックとカナダを代表するピアニスト、ドン・トンプソンの双頭コンボ、鬼才三木敏悟率いるジャズオーケストラ、女子ジャズ時代を写し女性中心のイベント「ジャズレディープロジェクト」、そして若手の代表格、類家心平(tp)のユニットなど様々なイベントがあり見所も多数。このフェスで困ってしまうのは、会場を渡り歩くのが大変なことだが、これが楽しみだと言うファンも多いので何とも言えない。

 話題の一つは、あの渡辺真知子がジャズに本格挑戦するステージ。彼女のジャズ歌唱は番組でも紹介しているが中々のもの。そしてもう一つは、久々に大御所、秋吉敏子がピアノトリオ演奏を披露してくれること。さらにジャズフェスのトリは、柴田氏がお気に入りのピアニスト・板橋文夫の率いる大オーケストラの演奏。番組でも最後に彼の代表曲「フォーユー」を紹介したが、関内大ホールでのステージのラストがこのフォー・ユー。「ここ数年はこれが決まりなんだ...」と柴田氏は言っていたが、実にいい曲でぼくも大好きである。家でも良くこのフォー・ユーを聴いているが、ステージでは更に良さが増すはず。 なお横浜ジャズプロムナードは、10月11日(土)、12日(日)の2日間。ぼくも某雑誌からライブ評を頼まれているので横浜まで遠征するつもりだが、皆様も是非一度行かれてみたらどうでしょうか...。
【今週の番組ゲスト:横浜ジャズプロムナードのプロデューサー柴田浩一さんとピアニスト遠藤律子さん】
10月11~12日に開催される横浜ジャズプロムナードをご紹介いただきました。
M1『Harbor Lights/Joe Locke』
M2『Move Over/遠藤律子with F.R.V.』
M3『いのちのきらめきを/遠藤律子with F.R.V.』
M4『Speak Low/渡辺真知子』
M5『For You/板橋文夫』

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