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テイスト・オブ・ジャズ

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「テイスト・オブ・ジャズ」は毎週土曜日18:00-18:30(本放送)ほか、土曜曜22:00~、日曜22:30~で再放送中。番組進行は山本郁アナウンサー。 番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。

【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.413~台湾取材2018】

 今年もまた台湾特番「台湾の元気を訪ねて」を今月末に放送することとなり(年2回放送で次回は11月を予定)、その取材で5月末から1週間ほど台湾に行ってきた。この台湾特番、番組開始からもう既に18年余り、各国の観光局・観光協会が制作費を出す観光紹介番組は他局でも時々見られるが、ある国の政府が制作費を負担する本格的紹介番組は極めて稀でそれもラジオ局ならば皆無のはず、それが18年も続いているのは作り手が言うのもなんだが、正に奇跡とも言えるもの。その上台湾は国民党と民進党と言う立場・考え方が異なる2大政党が覇を競っており、それがほぼ交互に政権を担当(4回ほど政権交代あり)、その都度180度政策や人事なども変わると言うお国柄なのに、延々とこの台湾特番は続いていることも考えれば凄いことなのである(こう続くともう政府関係筋も番組を打ち切れないのかも...)。

 その特番取材旅行だが、これまでに何回も記している通り、信じ難い低経費で超過酷な貧乏取材なのである。今回は飛行機会社とのタイアップがNGになり(今や台湾人気を映し台湾便はどれも超満員)、なんと格安のLCC利用で行きはなんと羽田発が早朝の5時。息子に車を出してもらいスタッフを拾い空港着は深夜2時半。70才を超えたロートルボーイがこんな過酷な...とも思うが、そんな泣き言も言えない。LCCは初体験だったが、早朝で体力・気力を使い果たしたと言う点を除けば、これが意外に快適。座席は狭いし何もサービス無しだが、これが反って良い感じでもある。ただしこんな時間の格安エアーに乗るのは若い人ばかりで、間違いなくぼくが最高齢の搭乗者。どうにか台北・桃園飛行場に着いたが、朝早くて肝心の取材までどう時間を過ごすかも一苦労だった。

 今回の特番テーマは大きく二つ。一つは大地震に見舞われた東海岸の観光都市、花蓮の現状紹介、そしてもう一つは台湾女性達のパワフルさを...と言うことで、3世代の政界や文化人、スポーツ選手など、各方面の代表的女性にインタビューを試みると言う趣向。スタッフはぼくと番組のメイン進行役のYくん(フリーの競馬アナだが、この特番には最初から関わっている)、そしてコーディネイターで取材ツアー実質上のボスとも言えるM女史。更に通訳兼お友達スタッフとして、日本通の漫画家兼エッセイストの哈日(ハーリー/日本大好きという造語の創始者)杏子さん。この4人で東海岸の花蓮に取材を敢行、愉しくもトホホな2日間の取材旅行を終え、自強号と言う人気特急で台北の街に戻り、インタビュー取材などと言った強行日程。メインのYアナは週末には本職の競馬中継があり、数日の台湾滞在で一足早く帰京、残りは3人で様々なインタビューなどをこなし、どうにか今回の台湾取材は終了となった。


 花蓮と言う港町は今回が2回目の訪問.10年以上前の訪問時はタロコ渓谷と言う大理石で出来た国立公園紹介で、花蓮の街自体は殆ど見ていない。この街は大理石でできた建造物も多い様だが、残念ながらぼくたちはほとんど見ていない。花蓮文化園区と言う旧日本酒醸造工場跡を、色々なセンスあるショップに仕立て直したり、旧日本家屋を宿泊施設にしたりと、中々に趣向豊かで興味深い。その後は日本人民宿のご主人(台湾駐在員から民宿経営)に、地震とそれ以降の町の様子などを聞き、夜は町はずれにある大きな夜市を紹介、色々と興味深い内容になった。そして翌朝の4時、東海岸の太平洋上に登る朝日を拝みに、海岸公園まで徒歩で行き番組のイントロ部分を収録。太平洋上から昇る朝日は見事の一言で全員しばし感激、Yアナもうまくその模様を活写、いいオープニングを録ることが出来た。花蓮の街はゴミがほとんど落ちていない(捨てると罰金を科せられる)実に清潔で、環境も海・山に囲まれ実に伸びやかでいい街、食物も美味しく言うことも無しだった。

 活躍する女性の方は台湾オペラ(京劇の台湾版)の主役、南国・台湾唯一のスピードスケート選手(アイドルの様な愛らしい姿に一同感激)、そして台湾政府のお偉いさんの3人。政府高官は忙しくて取材時間が散れず、東京のスタジオから電話を繋いで取材することで話が付く。まあ一事が万事でこのような綱渡り取材も多いが、コーディネイターのM女史は文句ひとつ言わずに動いてくれる。実にいいチームである。改めて感謝・感謝、謝謝(シェイ・シェイ)な心境である。
 何回行ってもやはり台湾は人々、食、そして文化、景観など全てが素晴らしい。ぼくらスタッフは完全な台湾フリークで、愛すると言った心意気が無ければ、毎回取材費に足を出し自身で補填と言う...、こんなスリリングで金食い番組などやっていられない。しかし東京に戻るともう次回の台湾訪問を考え、わくわくしてしまう。全く魅力的でいてはた迷惑でもある蠱惑の島国です、台湾は...。
【今週の番組ゲスト:音楽評論家の原田和典さん】
M1 CLOSE ENOUGH FOR JAZZ /  VAN MORRISON & JOEYDEFRANCESCO
M2APRIL IN PARIS / WILD BILL DAVIS
M3THE CAT / JIMMY SMITH
M4THE SETTLEMENT / LOGAN RICHARDSON





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